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2012年3月の記事

2012年3月29日 (木)

2012年ドバイWC(1)

3月31日に、ドバイWC(GⅠ)がありますね。
枠順が発表されました。

斤量は牡馬57.0kg、牝馬55.0kg
01 マスターオブハウンズ Master of Hounds (牡4、C.スミヨン・南ア・M.デコック)
02 エイシンフラッシュ(牡5、C.ルメール・栗・藤原英昭)
03 ザズー Zazou(牡5、O.ペリエ・独・W.ヒクスト)
04 ソーユーシンク So You Think(牡6、J.オブライエン・愛・A.オブライエン)
05 スマートファルコン(牡7、武豊・栗東・小崎憲)
06 プラントゥール Planteur(牡5、R.ムーア・仏・M.ボッティ)
07 ロイヤルデルタ Royal Delta(牝4、J.レスカーノ・米・W.モット)
08 モンテロッソ Monterosso (牡5、M.バルザローナ・首・M.アル・ザルーニ)
09 シルヴァーポンド Silver Pond(牡5、J.ムルタ・首・D.ワトソン)
10 トランセンド(牡6、藤田伸二・栗東・安田隆行)
11 カッポーニ Capponi(牡5、A.アジュテビ・首・M.アル・ザルーニ)
12 プリンスビショップ Prince Bishop(セン5、L.デットーリ・首・S.ビン・スルール)
13 メンディップ Mendip (牡5、S.デソウサ・首・S.ビン・スルール)
14 ゲームオンデュード Game On Dude(セン5、C.サザーランド・米・B.バファート)

イギリスブックメーカーの、現在のおおよその単勝オッズは以下の通りです。
①ソーユーシンク 3.7
②スマートファルコン 6.0
③ゲイムオンデュード 7.5
④ロイヤルデルタ 11.5
⑤エイシンフラッシュ 14.5

開催場所はドバイのメイダン競馬場で、芝でもダートでもない、人工素材を使用した馬場、オールウェザー・トラック(以後AW)の2000メートルの距離で行われる、600万ドル(約4億9千万円)の世界最高額賞金のレースです。
元々はダート2000メートルレースで、ダート競馬中心のアメリカの馬なんかが活躍していましたが、AWでは意外にも馬場が軽く時計が出やすいためか、むしろ芝で活躍している馬の方が活躍しているように思えます。

単勝1番人気でもありますが、今年のドバイWCの目玉は、何と言ってもソーユーシンクでしょう。
ニュージーランド(以後NZ)産馬で、NZ、オーストラリアを転戦して、コックスプレートGⅠ2連覇を含む、GⅠ5勝して昨年ヨーロッパに渡りました。
タタソールズ金杯、エクリプスS、愛チャンピオンSとGⅠ3勝しました。
エクリプスSでは、2010年凱旋門賞馬ワークフォースを破り、愛チャンピオンSでは、エリ女でワープした、かのスノーフェアリーを破っています。
2011年で、芝2000m前後を走らせたら、ヨーロッパで1、2の実力と考えられています。
2011年のブリーダーズ・カップ・クラシック(以後BCC)では、ダートのチャーチルダウンズで走り、3 1/4差6着に敗れています。
AWの適合は、気になるところです。

スマートファルコンは、トランセンドより内を引いて、にんまりと言ったところでしょうか?
しかし他にも逃げたい馬は、カッポーニ、ゲームオンデュードらがおり、果たして逃げられるのか?興味を引くところです。
特にアメリカの馬は、逃げるとなると、日本では考えられないほど強引ですので、ゲームオンデュードの出方は気になります。

3番人気ゲームオンデュードは、アメリカダートGⅠ2勝で、BCC2着馬。
今年GⅡのサンアントニオSを勝って参戦して来ています。
気になるのは、AW未勝利と言うところと、昨年のBCCはレベルが低かったと言われているところです。

ロイヤルデルタも、アメリカ牝馬最高のGⅠ、ブリーダーズ・カップ・レディース・クラシック(以後BCLC)を勝っていますが、昨年のBCLCはレベルが低かったと言われています。
一般条件戦で、AWには勝っていますが、今年GⅢのサビンSでは、2着に敗れ、ここに参戦して来ています。

エイシンフラッシュが有難くも(?)5番人気していますが、昨年の日本馬のワンツーが無関係ではないでしょう。
しかも世界の競馬関係者の間では、今回逃げ、先行馬が多く、ペースが速くなり、差し有利ではないかと観測されているそうです。
エイシンフラッシュの日本ダービーで見せた末脚は、評価されてるそうですよ。

その他では、逃げ、先行でドバイで2連勝中のカッポーニも、恐い1頭ですね。

現在のところ、我らが日本勢、エイシンフラッシュ、スマートファルコン、トランセンドは順調に調教を消化して、調子が良さそうです。
まあ、レース前に不調と言う陣営はいないですけどね(笑)。

もしソーユーシンクが本調子で、AWの適性もあるなら、全く他を寄せ付けず勝たれるかも知れません。
そうでないなら、日本馬3頭は十分チャンスがあると思えます。

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2012年3月25日 (日)

2012年 高松宮記念:結果

3月25日は、4歳以上芝短距離GⅠレース、高松宮記念(中京芝1200m)が行われました。

①カレンチャン 1:10.3
②サンカルロ クビ
③ロードカナロア 1/2

時計は遅いですが、恐らく馬場が悪かったからで、ペースは平均ペースくらいじゃないですか?
しかも最後の1F(200m)は12.5秒と時計がかかっています。
出走メンバーにとっては、底力を要求されるようなレースだったように思います。

カレンチャンは、2番手追走から直線向いて、半ばくらいには先頭に立ち、そのまま押し切り。
個人的には、ワンテンポ追い出しを遅らせても良かったように思いますが、結果勝ったんで良いでしょう。
カレンチャンの調教は、昨年のスプリンターズSの時と比べると、迫力を欠いていたんですけどね。
牝馬と言う事もあって、調教を手控えたのかも知れません。
比較的内を通りましたが、伸びないって事はありませんでしたね。
思ったほど、内馬場は悪くなかったって事でしょうか?

サンカルロは凄い脚でした。
でも、ゴール版間違えてるでしょう?
坂下から追い出すもんだから、坂上がるくらいまで、加速が付きませんでしたね。
逆に、加速がついてからの脚は、凄かったですけど。
乗り方が違えば、勝っていたと思います。

逆に、カレンチャンが追い出しをワンテンポ送らせたら、サンカルロの勝つチャンスは、皆無だったのではないでしょうか?

ロードカナロアの敗因は、悪い内馬場を通ったからなのか、GⅠだから力負けしたのか、解釈に苦しみます。
まだ若い4歳馬。
秋の活躍を願います。
1番人気が勝てないジンクスは、今年も健在ですね。

ここんところの競馬を見ていて、ことごとく1番人気がコケるレースが多かったんで、流れに乗って今回は攻めてみましたが、1-3着は1-3番人気で決まりました。
結果的に、上位馬と、それ以降には、かなりの力差があったように思います。
自分のチョイスは、2着-4着-5着ですが、外れてしまえば、大外しと何ら変わりません(涙)。

現在の収支:-568,000

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2012年 高松宮記念

3月25日は、4歳以上芝短距離GⅠレース、高松宮記念(中京芝1200m)が行われます。

1-1 ロードカナロア(牡4、福永祐一・安田隆行)
1-2 サンダルフォン(牡9、古川吉洋・松永幹夫)
2-3 アグネスウイッシュ(牡4、武豊・長浜博之)
2-4 レジェトウショウ(牝6、松山弘平・阿部新生)
3-5 エーシンリジル(牝5、和田竜二・高野友和)
3-6 ベイリングボーイ(牡8、勝浦正樹・清水久詞)
4-7 アポロフェニックス(牡7、吉田隼人・柴崎勇)
4-8 ツルマルレオン(牡4、小牧太・橋口弘次郎)
5-9 エーシンダックマン(牡5、川田将雅・坂口正則)
5-10 カレンチャン(牝5、池添謙一・安田隆行)
6-11 サクラゴスペル(牡4、N.ピンナ・尾関知人)
6-12 マジンプロスパー(牡5、浜中俊・中尾秀正)
7-13 タマモナイスプレイ(牡7、渡辺薫彦・南井克巳)
7-14 グランプリエンゼル(牝6、藤岡佑介・矢作芳人)
7-15 ダッシャーゴーゴー(牡5、横山典弘・安田隆行)
8-16 ジョーカプチーノ(牡6、内田博幸・中竹和也)
8-17 サンカルロ(牡6、吉田豊・大久保洋吉)
8-18 トウカイミステリー(牝6、四位洋文・安田隆行)

単勝人気は、以下の通りです。
(03/24 18:00現在)

①ロードカナロア 2.4
②カレンチャン 4.5
③サンカルロ 5.8
④ダッシャーゴーゴー 13.5
⑤ジョーカプチーノ 14.8

このレース、昨年は賭けてませんね。
恐らく、馬を絞り切れなかったんだと思います。

残念ながら、今回の出走馬に、面白い血統の馬は見当たりませんね。

中京競馬場の馬場が、全面改修となり、全く別の競馬場となってしまい、昨年までのデータを適出来ません。
現在判明している事実だけで、馬を絞るしかありません。

逃げるのは、エーシンダックマンでしょう。
1200のスローペースは考えにくく、ペースを落とそうにも、先行するカレンチャン、サクラゴスペル、マジンプロスパー、ダッシャーゴーゴーあたりに突かれるでしょう。

旧中京競馬場だと、馬場が良かったりすると、小回りで逃げ残ったりしていました。
新中京競馬場になってから、週末雨が多く、内馬場は荒れています。
逃げが決まらないとは言いませんが、3着までに来る馬で、差してくる馬が50%以上と多く、逃げは10%以下しか残っていません。
極端な追い込みも、15%少々くらい。
先行か、差しが有利です。

内馬場が荒れているせいか、内枠は極端な不振で、新中京競馬場のこと芝1200m対象6レースに限ると、枠での3着までに来る馬の分布は以下の通りです。
1枠 2/18(1着=1/18)
2枠 1/18(1着=0/18)
3枠 1/18(1着=1/18)
4枠 1/18(1着=1/18)
5枠 1/18(1着=0/18)
6枠 3/18(1着=2/18)
7枠 5/18(1着=1/18)
8枠 4/18(1着=0/18)

極端な内枠不利だと言えます。
しかし勝ち馬は、内枠からも出ていて、強い馬は、枠の不利を覆すとも言えます。

もうひとつ芝の丈が、中山競馬場が野芝約6~8cm、洋芝約10~14cmなのに対し、新中京競馬場は野芝約6~8cm、洋芝約12~16cmと芝が深いです。
阪神競馬場と同じ芝の深さですね。
3着までに来た馬の、馬体重460kg以下の馬の率は約30%くらい。
500kg以上の馬だと、約40%もいて、大型馬、力のある馬(ダートで好走している馬など)有利と思われます。

1番人気、5連勝中、芝1200mでは負けなしのロードカナロアは、500kg前後と大きな馬体ですが、最内枠に入ったのは痛いですね。
外に出せれば伸びるんでしょうけど、内に出すと伸びない馬場です。
福永騎手は、どうやって外に出すでしょうか?
ロードカナロアは、左回りのレースの経験もありませんね。
過去のデータは関係ないとは言え、高松宮記念は過去10年、1番人気が2勝しかしていない、1番人気不振のレースです。
ここ最近のレース振り、このメンバーを見渡して、ピカイチのレース振りですが、馬群に沈むと判断したいと思います。

カレンチャンは前走、絶好の位置なのに、伸び切れない負けが気に入らないですね。
馬体重は480kg前後と良いのですが。
調教の迫力も昨年ほどではなく、本調子ではない?と判断します。

外枠で支持したいのが、サンカルロ。
短距離のレースでは、コンスタントに差して来ますし、過去にスプリンターズS3着、高松宮記念2着のGⅠ好走実績があります。
馬体重も500kg前後。

前走快勝したマジンプロスパー。この名前良いですよね(笑)。
馬体重510kg台で、地方公営の名古屋に所属していた事もあり、ダートの勝ち星もあります。

もう1頭面白いなと思ったのは、ダッシャーゴーゴー。
4頭出しの安田隆行厩舎で、人気がない方と言うのも良いですし、馬体重は520kg前後、ダート好走実績もあります。
鞍上は、自分とは相性悪いですが、乗れている横山典。

3連複 12-15-17 15,000

自信は・・・今回は来たらいいな・・・です。

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2012年3月23日 (金)

探偵、暁に走る / 東直己

またまた東直己の書評で申し訳ありませんが、この作品佳作です。
自分は現在、文庫本化されているススキノ探偵シリーズ(ススキノ便利屋シリーズとも言う)は、全て読了しています。
探偵はバーにいる」、「バーにかかって来た電話」、「消えた少年」、「向こう側にすわった男」、「探偵はひとりぼっち」、「探偵は吹雪の果てに」、「駆けてきた少女」、「ライト・グットバイ」、そして次の作品が、この作品です。もちろん長編小説。

これはハードボイルド小説ですが、ハードボイルドについては、拙著の最初の部分をご覧下さい。

俺は、地下鉄で乗客とトラブルになっていた、テレビにも良く出ているイラストレーターの近藤雅章に出会った。
近藤雅章と酒を飲んだ帰りに、地下鉄のホームに身を投げた老婆、西口タエさんを、近藤雅章自身もホームに飛び降りて助けた。

たまにケラーオオハタで、近藤と顔を合わし、酒を飲んだりしたが、それから秋、冬と季節が移り、年を越して2月。
深夜4時に、北海道日報の松尾から、近藤が自転車乗り場で、刺されて死んだと連絡があった。

俺は、近藤の死の真相を探るべく、自転車乗り場のオーナーの盗撮の件で取引し、自転車乗り場の防犯カメラ映像をDVDに落としてもらい、犯人映像をプリントして、立花連合の桐原組長や、占い師の濱谷のばあさまを始めにして、あちこちにバラまいて探して回った。
俺を敵視する北栄会の桜庭組長が、俺の行動を気にしているらしい。

近藤の行動を調べていると、近藤が、自殺しようとした西口タエさんを気にして、度々西口さん宅に足を運んでいた事を知った。
札幌外れの中郷通り商店街に、かつて西口タエさんのご主人がやっていた西口書店があった。
現在、廃業した西口書店の建物はそのままに、向かいのホビーショップ大岳が所有している。
西口タエさんは、若い時はきれいで、大岳の初恋の人だったが、現在はボケたようで、もう廃業している西口書店の建物に時々来るのだと言う。

テレビに出た時に、歯に衣着せぬ言動の近藤は、低脳発言されたチンピラ達や、コケにしたダンスフェスティバルのSO-RANの連中からも敵視されている事が分かった。
インターネットのチンピラ板は、祭り状態だが、知り合いのエンジニアの金浜に分析させると、テレビで「クズ、寄生虫」発言した時には平穏で、犯行前日の午後からテレビ発言の怒りの書き込みが増えたのだと言う。
つまり、インターネットの祭りは、偽装ではないかと・・・

再び、中郷通り商店街に行った際に、ガキにナイフを突きつけられ、襲われた。
その後、松尾と金浜と3人で飲んでいて、女と意気投合して店で酔っぱらって正体を無くしていた時、店が火災にあって殺されそうになった。

近藤を殺害したガキの写真を見て、美人バイセクシャルのアンジェラの知り合いが、ガキが着ていた珍しいデザインのフード付きパーカーを着ていた男と、石狩の森の生振でトラブルに合ったと言う。
その一団を松尾に調べてもらうと、石狩の森で産廃業者をしている、萩本源(はじめ)と言う男を知った。

濱谷のばあさんのところから、珍しいデザインのフード付きパーカーを着ていた男が、西線十六条の賃貸マンションにいたと言う情報があり、行ってみたが不在だった。
賃貸マンションから出ると、北海道日報系のテレビ局、SBCの張り込み班から声をかけられた。
振り込め詐欺の犯人宅を突き止め、張り込みをしていると言う。
北海道警察には、振り込め詐欺団の事を、逐一報告しているが、今のところ動きはなし。

近藤が、ケラーで葉巻を吸っていた事を思い出し、ケラーの手前のシガーバー、T BARに行った。
マスターの話を聞くと、近藤がロミオ&ジュリエットのチャーチルを吸った日、T BARに近藤と一緒にいたのが、多重債務者救済のNPO団体を主宰している、大瀧。
大瀧は、近藤が刺されて以来、行方不明になっている。

灯台下暗し、怯えた大瀧を逃がしたのは、桐原だった。
桐原経由で、大瀧に連絡して、西口タエさんが、振り込め詐欺グループの被害者で、近藤の依頼で大瀧が振り込め詐欺グループに警告した直後に、刺されたのだと言う。

東直己のススキノ探偵シリーズの中でも、とりわけページ数が多く、作者の熱気が伝わって来ます。
それは良いとして、反面それは欠点でもあり、風呂敷広げ過ぎ、あれこれストーリーがパズルのように組み合わさって、かえってとっ散らかってるようにさえ思えます(笑)。
東直己のススキノ探偵シリーズお約束の、最後のどんでん返しもありますので、よけいにとっ散らかり感がありますね。
それは、上記のあらすじを読めば、お分かりでしょう?
察しの良い方なら、上記のあらすじだけで、結末は分かるかも知れませんね。
それでも、読んで面白い作品です。

まず前作、「ライト・グットバイ」から登場した、元自衛隊員で、化けるとロリータに見える美人バイセクシャル、アンジェラ。
ススキノ探偵の相棒、高田以上の空手の使い手ですが、空手の腕前を披露する機会は、今のところありません。
前作もおとり役で大活躍しますが、今回もススキノ探偵を助けて大活躍します。

今作から登場した、恐らくフリーのシステムエンジニアの金浜。
金浜は、「駆けてきた少女」からの登場でした(下川澄人氏指摘による)。
ススキノ探偵によると、マゾなんだそうです(笑)。
無給で、ロクでもない仕事をススキノ探偵から押し付けられ、口癖は「ひでぇ!」
しかしロクでもない仕事を、確実にこなします。

今作から登場した、不随の相田の面倒を見ている、超真面目な青年、石垣。
これまた終盤で、大活躍します。
自分はかつて、この石垣に似た人を、見た事があります。

「駆けて来た少女」から登場した、濱谷人生研究所・・・実は女のたまり場にいる濱谷のばあさん。
うさん臭い霊能力者ですが、しかし今回は少しだけの登場。

ススキノ探偵の周辺は、ますます魅力的なキャラクターに溢れます。

高田は、アンジェラの登場と共に、ススキノ探偵シリーズの武闘派役ではなくなりますが、今作も重要な役割を果たします。

そして、ススキノ探偵シリーズの名作で重要な役割を果たした登場人物が、今作で終盤に重要な役割を果たします。

一方、「駆けて来た少女」の前くらいに発覚した、北海道警察(以後道警)裏金事件の影響か、本作でも、道警はボロくそに書かれています。
道警関係者は、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とでも思っているかもしれませんが、失った信頼の回復は大変です。

本作で、桐原組長と、不随の相田若頭との出会いのきっかけが、語られます。
893に、博徒系と的屋系だと言うのは知っていましたが、その他にコトワケ、ラッパ、コーギョーなんてルーツがあるのは、今まで知りませんでした。

そのハードボイルド小説が好きか嫌いかは、ハードボイルド小説の世界観が好きか嫌いかと言う事であり、自分は1作目、「探偵はバーにいる」からこの世界観が好きで、かつ作を重ねる毎に、さらに魅力的な世界観になっています。
その一方、ススキノ探偵シリーズで、イマイチだなぁ・・・と思う作品は、果たしてストーリーのプロット(直訳では計画を意味し、あらすじを立てる事を指す)をちゃんとしてるのか、疑いたくなる事があります。
このとっ散らかった作品では、きっとプロットをしている事でしょう・・・多分。
そしてとっ散らかっているなりに、魅力のあるストーリーではあります。

ちなみにガンバって、あらすじをまとめてみましたが、これでストーリーをイメージ出来ますでしょうか?

自分は、ススキノ探偵シリーズの最後の最後のどんでん返しが、いつもストーリーの蛇足にしか思えず、好きになれません。
シンプルに、そのまま終われば良いのにと思います。
謎解きは、シャーロック・ホームズファイロ・ヴァンスエルキュール・ポアロ明智小五郎金田一耕助にでも任せれば良いのです。
畝原シリーズとか、榊原健三シリーズにはこの、最後のどんでん返しはないので、ススキノ探偵シリーズだけの特徴ですね。

それでいても、本作が良作である事に変わりなく、ボリュームはありますが、読み終えて、心地よい疲労感のみがあるでしょう。
そして少しゾッとし、また皮肉な結末でもあります。

もし、ススキノ探偵シリーズを知っているなら、必読の作品です。
ススキノ探偵シリーズを知らない人でも、ボリュームがあるので、読み始めるのに決心が要りますし、事件が起こるまでは冗長ではありますが、無駄なストーリーではありません。
読後には、満足するだろうと思います。

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2012年3月20日 (火)

フリクション 変更の多い会社編

このCMは最近見ていませんが、1年近く放送されていますよね。
ここまで劇的ではないものの、会社の激変はしばしば「見たことがあり、可笑しくも、ほろ苦くもあります(笑)。

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東京ガス エネファーム 「節電歌」

エネファームの新CMが放送されています。
今度は、八代亜紀が歌まで唄ってしまいます(笑)。

YouTubeには90秒のロングバージョンしかないのですが、長過ぎですね。
個人的には、テレビで放映している30秒バージョンがいいです。
ツッコミどころ満載、それがこのCMの魅力でもあると思います。

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2012年3月18日 (日)

Spirits dancing in the flesh / Santana

若い人にはギタリストで、カルロス・サンタナが好きな人は、少ないでしょうね。
インターネットで、良く、カルロス・サンタナって巧いんですか?みたいな書き込みを見ます。
でも、2003年「「ローリング・ストーン(誌)の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」では15位に選ばれた人でもあります。
自分は好きなギタリストです。

自分の先輩に言わせると、バンドとしてのサンタナは、4枚目のアルバム、「Caravanserai」までが良くて、それ以降は売ろうとする商売気が見えて嫌いだそうです。
同じ事を言う人(皆年寄りw)も多いですね。

確かに、サンタナのアルバムセールスは、1969年から1972年にかけて1枚目から4枚目が1度目のピーク、一時低迷しますが、1976年「Amigos」がヒットします。
その後、再び低迷しますが、1999年「Supernatural」でグラミー賞を受賞しました。
低迷期が長いように感じるかも知れませんが、その間もそこそこ売れてはいました。

サンタナは、ロックにラテン音楽を持ち込んだ、初めてのバンドです。
しかしギタリストしてのカルロス・サンタナは、超絶テクニックの持ち主ではありません。

カルロス・サンタナのギターソロは、ほとんどが単音で、チョーキング、ハンマリング、プリング、スライドの基本テクニックが出来れば、弾けてしまうものです。
カルロス・サンタナはビブラートをしませんので、ビブラートが苦手な人(そんな人いるの?)なら、もってこいでしょう。
エレキギター初心者向けと言えます。
単にテクニックと言う点では、巧くはないです。
しかし、カルロス・サンタナのサウンドに迫ろうとすると、そんな単純な話ではありません。

カルロス・サンタナは、とにかくギターの音がいい!!
あんなナチュラルで綺麗な音が出せるなら、あとは何弾いてもいいってぐらい、音が良いです。
逆に聞きたいですが、ギターの音の良さだけで、興奮させられる人が、他にどれだけいますか?

カルロス・サンタナの1つの特徴に、シンセギター?って言うくらい、あり得ないほどのロングサスティン(つまり音が長く伸びる)があります。
これは、フィードバック奏法(奏法なのかw)のひとつの応用例ではありますが、それ以上にカルロス・サンタナはロングサスティンの出るギターに執着しています。

デビュー時は、ギブソンのレスポール、その後ヤマハSGの特別仕様(仏陀インレイのやつです)、現在はポール・リード・スミス(以後PRS)の特別仕様のギターです。
ヤマハサンタナモデルは、ロングサスティンを出すために、ただでさえ重たい通常のヤマハSGシリーズより、さらにボディが厚く激重だそうです。
PRSはボディが薄く軽そうですので、カルロス・サンタナも年ですし、重たいヤマハのサンタナモデルから、PRSに乗り換えてもしょうがないですね(笑)。
PRSではどうなのか知りませんが、ヤマハがサンタナモデルを作る際に、ピックアップ(ギターの音を拾うマイク)のコイルの巻き数まで、指定して来たそうです。
何が言いたいかというと、ギターのチョイスひとつ取っても、カルロス・サンタナの音なんて出せませんよと言う話。

カルロス・サンタナと言えば、泣きのギター。
カルロス・サンタナのピックは、大きな三角ベースピック。
ギター弾きなのに、大きくて扱いにくいベースピック。
中指を伸ばして、親指と挟んで引きます。
超絶に弾きにくいです。

大きいベースピックで、深くピッキングするからこそ、ギターの弦に対して、ピックの当たる面積が広くなります。
この超変態なピックと、ピックの持ち方が、あのサウンドの秘密の1つです。

自分が、カルロス・サンタナを好きな理由の1つが、シンプルなのにとても目立つフレーズを弾く事。
目立つと言うのは、音楽をしている人の多くが、思っている事。
ギターのテクニックは、ベーシックながら、フレーズの展開も、タイミングも大胆で、スリリング、エモーショナル。
アイデアマンで、実に省エネなフレーズだと言えます。

美しい音、個性的フレーズ、ロングサスティンと、他のギタリストにない魅力があります。

カルロス・サンタナは、若い頃も、ギターが上手かった訳ではありませんでした。
中には、「Caravanserai」以降、ギターが上手になったから、嫌いになったと言う人もいるほど(笑)。
しかし1990年代以降のライブは、明らかにパフォーマンスが落ち、ダメなライブは、とことんダメだったりします。

ジェフ・ベックは、今だにギターを弾くのが好きで好きでたまらないそうですが、カルロス・サンタナはレコーディングとか、ライブがなければ、弾かないそうです。
1990年代以降のライブのコンディションが悪いのは、つまりは、腕が衰えていると言う事ですね。

YouTubeにあるライブも、サンタナの代表曲、「Black Magic Woman(ブラック・マジック・ウーマン)」、「EUROPA(邦題:哀愁のヨーロッパ)」、「Samba Pa Ti (邦題:僕のサンバを聞いてくれ)」以外、良いライブはほとんどありません。
サンタナの曲には、他にも良い曲は一杯あるんですけどね。

「Full Moon」のライブ映像はありましたが、音質、画質とも悪過ぎ(涙)。
で、見つけたのがこの曲のライブ映像。

「Spirits dancing in the flesh」は、1990年発売のアルバムタイトルでもあり、アルバムの1曲目です。
アルバムバージョンは、記憶に残らず、あまり良い曲とは思いませんでした。
しかしこのライブは、カルロス・サンタナのギターの名演であり、こうして聞いて見ると、良い曲だったんですね。

さて曲に行きましょう。
可能なら、鼓膜が破れない程度に、大音量で聞いて下さい。
カルロス・サンタナの、こだわりのギターの音色のディティールが、聞き分けられます。

ライブ日時は正確に分かりませんが、恐らく「Spirits dancing in the flesh」の発売から、そう遠くない頃でしょう。
正確かどうか分かりませんが、その頃のサンタナのメンバーを以下に記します。
・Carlos Santana - Guitar
・Jorge Santana - Guitar
・Chester Thompson - Hammond B-3/Synth
・Myron Dove - Bass
・Rodney Holmes - Drums
・Raul Rekow - Percussion
・Karl Perazzo - Percussion
その他、ゲストも多数で、誰が誰やら・・・です(汗)。

最初のゆったりした雰囲気から、00:45からカルロス・サンタナのコードストローク、00:51ブレイクして、ドタバタパーカッション、テンポの良いラテンロックが始まります。
歌の後、01:06からキーボードのチェスター・トンプソンのオルガンソロ。
左手は、コルグのシンセサイザーで、エレクトリックピアノ(以後エレピ)の音色で、和音を弾いています。
自分は、Hammond B-3の使い手として、チェスター・トンプソンのプレイも好きですね。

01:44からカルロス・サンタナのギターソロ登場。
黄色のタイガーストライプのPRSのギターですね。
カルロス・サンタナはこれの色違いのブルーとか、グレーのモデルも持っています。
ギターにこだわるだけあって、きれいに歪んだ音だと思いませんか?
現在は分かりませんが、以前はアンプもメサ・ブギーのツインリバーブを使っていたと思います。
ギターの音は、アンプも大きな要因です。
録音の音が、少し固いのが残念です。

01:57からのフレーズはカルロス・サンタナらしい、ドラマチックなフレーズです。
こんなフレーズを弾くと、カルロス・サンタナの真似だと言われるので、弾けても誰も真似出来ないですよね。
02:04のチョーキングの音の泣かせ方も、良い意味でクサいです。
ここから02:16まで、カルロス・サンタナらしいフレーズのオンパレードです。

02:26からギターの音色が変わりますが、ギターのワウワウペダル(ギターのトーンを変化させるもの)とディレイ(エコー)の組み合わせです。
これも、カルロス・サンタナ定番の音色です。
02:35まで、この音色で、トリッキーなフレーズを弾きます。

02:36から、元の音色に戻り、独特のクサいフレーズを弾きます。
02:51からユニゾンで、02:54から独特のドラマチックなフレーズ。
03:04から、このフレーズって、正確に譜面に出来ないような、微妙なタイミング弾きますね。

03:07いつの間にか歌が入って来て、ギターソロはいったん終了。
03:32から再びチェスター・トンプソンのオルガン/シンセソロ。
先ほどとは異なり、右手でシンセ、左手でオルガンを弾いています。
シンセの音色は、ウインド系(サックやクラリネットオーボエ)の、息が聞こえるような音色ですね。

03:47からギターとオルガン/シンセソロの掛け合い。
04:31には両者がごった煮状態で、盛り上がりエンディング。

どうでしょうか?サンタナのプレイに、盛り上がれましたか?

http://www.youtube.com/watch?v=dV-jewqeGnI&feature=player_embedded

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2012年3月16日 (金)

口水鶏(コウ・シュイ・ジー)-2012年2月に印象に残った料理

さて、旬の料理に代わり、食べ歩きして、前月に印象に残った料理を1品だけ紹介します。
1品だけと言うのは、けっこう絞るのが辛いんですけどね(笑)。
印象に残った料理ですので、「かのサイト」の星が多い料理をチョイスするとは、限りません。

今月からもう1本、このブログで中国料理の企画を執筆しようかと思っていて、その意味でも中国料理をチョイスしました。

ちなみに良く日本では、四大中華・・・北京料理、上海料理、広東料理、四川料理と言うのがありますが、この分類は、中国では省みられていません。
中国でポピュラーな分類法は、八大菜系・・・山東料理、安徽料理、江蘇料理、浙江料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理の分類です。
しかし、八大菜系ですら、カテゴライズ出来ない地域料理が多数ある・・・それが中国料理です。

例えば四川料理はさらに、成都料理、自貢料理、重慶料理と3分されます。
上記の八大菜系も、さらに地域の特色で、細かく細分されますので、100種を軽く超える菜系があります。

中国語料理名、口水鶏(コウ・シュイ・ジー)は、日本語では「よだれ鶏」と言うメニュー名です。
中国語で口水とは、「よだれ」の事です。
茹で鶏を自家製醤油ダレ、自家製辣油に入れた料理です。
この料理名の由来は、20世紀中ばの共産党員の文筆家、郭沫若が、自著の「賟波曲」で、「故郷の四川省で少年時代に食べた、辣油や花椒(ホワ・ジャオ)で味付けした茹で鶏を思い出すと、よだれが出る」と書いたのが、この料理が口水鶏と言われるようになったきっかけです。

口水鶏は、成都料理に分類され、代表的な前菜の冷菜です。
もちろん、四川省の他の地域でも、食べられますけどね。

美味い口水鶏とは、鶏肉の品質が良く、味わい深く、タレの味が美味い事。
付け合せは、口水鶏の美味さを活かすものである事。

今回紹介する口水鶏は、料理に数種の漢方を使い、体に良く、料理の香りが良いです。
でも、漢方の香りが苦手な人には、厳しいかも知れませんけど。

辛く味付けする四川料理店は、ダシをしっかり取らず、化学調味料を多用する店が多いです。
しかしこの店は、ダシもしっかり取り、化学調味料不使用。
現在の中国料理は、中国本土でも化学調味料が蔓延していますが、昔の中国料理には化学調味料なんか使われていませんでした。
この店の料理は、口水鶏に関わらず、他の料理も本物の味が楽しめます。

使う調味料も、化学調味料や添加物が入った、市販の調味料は使わず、可能な限り手作りしています。
これは、料理の下ごしらえばかりでなく、調味料作りに多くの時間を割かねばならず、物凄く料理に手間ひまかかっています。

自分が食べた時には、口水鶏の底に、ヤーコンが沈んでいました。
果物?って思うほど、甘いヤーコンで、口水鶏の口直しになります。
この店の料理に使っている野菜は、シェフの早田哲也氏の祖母が、大分県で手塩にかけた有機野菜。
他の料理に使われた野菜も、甘味もあり、香りも良い、美味い野菜の数々でした。

そんな、めちゃくちゃ美味い口水鶏を出すのは、下記のレストランです。

仙ノ孫(センノマゴ)
東京都杉並区西荻北4-4-2
03-3390-4808

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2012年3月14日 (水)

ドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」

今深夜に、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の再放送をしているんですね。
自分は、このドラマ好きです。
今年の4月7日には、映画も公開されるとかで、映画誘導のための再放送ってところでしょう。

名は体を表す・・・ドラマのタイトルって、重要だと思うんですが、伝わらねぇ(笑)。

良い仕事は、人で決まります。
ビジネスマンなら、お分かりの事と思います。
十杷ひとからげの人材でも良いのなら、この世からヘッドハンティングなんて、なくなります。

かつてドラマのTBSと呼ばれていましたが、今は見る影もなく、ほとんどのドラマが惨敗。
いや、視聴率が高いから、良いドラマとは限らないんですけどね。
ここんところの、TBSのドラマのほとんどは、クールの事前検討で、ドラマのあらすじを見た途端、見る気をなくすものばかりです。
何が言いたいかと言うと、ほとんどのドラマの企画がダメ。
実際数少ないですが、見たドラマでも、10分で抹殺したものがほとんどで、脚本も演出もベタで時代遅れ。
元々、ドラマのTBSと呼ばれていた頃も、時代感覚から古臭い脚本と演出でしたから、いい加減老朽化に気付けよ!って感じです。
ああすいません!心ならず、辛口になってしまいました。
別にTBSに恨みはないんですよ。
むしろ真の意味で、ドラマ王国が復活して、時代を先取りして欲しいくらい。

しかしこのドラマは、TBSらしからぬ(笑)素晴らしさです。

監督・演出が堤幸彦です。
代表作、「ケイゾク」、「池袋ウエストゲートパーク」、「TRICKのシリーズ及び映画」、「世界の中心で、愛をさけぶ」等。
伝わらないドラマのタイトルですが、あらすじは多少興味を引き、その世界観が好きな堤幸彦と言う事もあり見ましたが、こいつが良かった。

視聴率は、10%前後で推移し、最高視聴率12.9%、最低視聴率8.2%、平均視聴率10.5%と、振るいませんでした。
賞を取ったから、面白いドラマと言う訳ではありませんが、第67回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で、主演女優賞、監督賞、脚本賞、ザテレビジョン特別賞と4冠に輝きました。
このドラマのDVDとBlu-ray Discは、東京放送ホールディングスの2010年度の年間売上第1位。
Gyao! ストアでの有料動画配信が上位を記録。

警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係・・・略して通称「未詳」は、警視庁公安部内のたった3名の部署です。
通常の警察官が手に負えない、特殊な事件を扱う部署。
このドラマでは、超常的事件が、「未詳」振られ、そこから徐々に真実が明らかになって行きます。

ドラマタイトルは、製作発表時、「ケイゾク2」としていたそうで、1999年の名作ドラマ、「ケイゾク」の世界観を持って来ています。
自分実は、「ケイゾク」は見ていないのですが、竜雷太扮する野々村光太郎は「ケイゾク」にも出ていたそうです。
他にも、「ケイゾク」と共通する出演者に、近藤昭男役の徳井優がいます。
しかし、ドラマがスタートする頃には、「ケイゾク2」のタイトルは外されました。
恐らく内容的にも、全く別のストーリーだろうなと思います。

「SPEC」とは、ぶっちゃけ超能力の事。
一般に超能力を、「SPEC」とは呼びませんので、このドラマのオリジナルの呼称です。
このドラマでは、超能力者を、「SPEC HOLDER」と言います。
もちろん、裏返したカードの絵を見ないで当てるとか、スプーン曲げるとか、そんな地味な能力程度ではありません。
超能力者が絡んだ、超常的事件なので、「未詳」の出番な訳ですね。
全10話に登場する、主な「SPEC HOLDER」の一覧です。

・一十一(にのまえじゅういち)年齢不詳 神木隆之介 自分または任意の対象の時間の流れを変化させる
・脇智宏(わきともひろ)43 上川隆也 常軌を逸した身体能力があり、あり得ないスピードでテニスボールを投げて人を骨折させたり、エイトマンのように高速で走る
・桂小次郎(かつらこじろう)36 山内圭哉 何キロも離れた先の人間の会話も聞き分けられる聴覚
・林実(はやしみのる)37 村杉蝉之介 他人へ憑依して、その人を操る
・古戸久子(ふるとひさこ)44 奥貫薫 念力
・海野亮太(うんのりょうた)35 安田顕 相手の体をスキャンして、弱っている部位に病を処方する
・星慧(ほしさとり)19 真野恵里菜 人の心を読む。「家族百景(同じく堤幸彦が手がけて現在放映中)」「七瀬ふたたび」の火田七瀬と同じ。
・EXILE NAOTO 病を治す
・役名不明 東野幸治郎 口から何かを放ち、相手の動きを封じる
・地居聖(ちいさとし)24 城田優 相手の頭に手を当て、記憶を書き換える
※その他、どんな「SPEC」の持ち主か分からない「SPEC HOLDER」も登場しますが、割愛します。

何と凄まじい、超能力。
1980年代の深夜番組、「グットモーニング」の超能力者の戦いなんて、メじゃありません!・・・って、この番組知っている人います(笑)?

堤幸彦作品全般に言える事ですが、登場人物のキャラクターが立っていますし、その登場人物によるストーリーも良いです。
台詞もセンスと遊び心があります。
画面の様々なところに遊びがあり、1度見て気がつかなくとも、あるシーンの背後にある文字とか品物とか・・・遊び心満載です。
遊び心は、ストーリー本編とは関係ありませんが、遊べるくらい余裕があるドラマなら、面白くない訳がありません。

当麻紗綾(とうまさや)警部補 24 戸田恵梨香
瀬文焚流(せぶみたける)警部補 36 加瀬亮
野々村光太郎(ののむらこうたろう)元警部現在嘱託 70 竜雷太

主演、当麻紗綾役の戸田恵梨香ですが、10代から可愛いルックスで、ずっと美少女路線でしたが、今回はとんでもない変人女を怪演しています。
いや快演かな?

演じる当麻紗綾の設定は、京都大学出身で、IQ210。
普通に考えれば、キャリア採用じゃないかと思うのですが、今だに警部補(確かキャリアは研修が終わると警部だったはず)。
人の十倍飯を食い、蜂蜜を毎日500mlぐらい飲み、餃子が大好きで、ニンニクMAXに入れる、極度の味覚音痴の大食い。
もしかすると「SPEC HOLDER」かも知れず、視覚が異常に発達し、例えば飛んで来る本に書いてある事を素早く読んだり出来ます。
事件の解決時には、半紙に筆で、事件のポイントを書き、細切れにして振りまく事により、事件を整理し、解決法を考えます。
脳を異常に使うので、人の十倍飯を食うのかも・・・です。
一十一(にのまえじゅういち)役の神木隆之介と、過去に因縁があり、左手を包帯で巻き、吊るしているのも、その因縁です。
とにかく、恐ろしく口が悪く、こんな顔するか?ってくらい不細工な表情を作り、奇妙な行動を取り、笑わせてくれます。
役では、美少女扱いなど、これっぽっちもありません。
でもこのドラマでは、主に事件を解決に導いて行きます。
自分は、過去に見た戸田恵梨香の役の中で、この役が最も好きです。

もう一人の主演、元SIT(特殊犯捜査係)隊長、瀬文焚流役の加瀬亮ですが、自分はこの役者、このドラマで知りました(笑)。
戸田恵梨香に筋肉○カとか言われるくらい、肉体派ですが、クールでカッコ良い。
お笑いで言うと、戸田恵梨香のボケに対し、ツッコミの役回りです。
たまにボケとツッコミが逆になったりしますが、それもまた可笑しかったりします。

野々村光太郎役の竜雷太は、ちゃんと仕事をしているシーンが少なく、それでいて「未詳」の係長。
あまり現場に出て行かないのは、管理職が故でしょうか?
通常3人しかいない部署なら、管理職もいち実務者となる気がしますが・・・そんなに真面目に突っ込まなくとも、ドラマが面白いから、まあいいか・・・と言う感じではあります。

「ケイゾク」でも、若い婦警と浮気をしていたそうですが、今回も婦警の正汽雅(まさき みやび)役の有村架純と浮気をしています。
有村架純は、短大新卒の設定ですが、いくら何でも若過ぎるだろうと思い、調べると、当時まだ17歳でした(笑)。

当初、超常的な事件を1つずつ解決して、話が進んで行きますが、話の中にちょっとした伏線があり、警察内(公安内)に「未詳」より前から「SPEC HOLDER」を調べていた組織がある事が分かり、また「SPEC HOLDER」を利用しようとする謎の組織の存在も明らかになって来ます。
このターニングポイントは、6-7話くらいからでしょうか?
ストーリーの方向性が変わって行きます。

超能力者を利用する組織と言うと、「七瀬ふたたび」を思い出しますね。
参考にしたのでは?と思うフシもありますが、ドラマは「七瀬ふたたび」のパクリではありません。

最終回は、謎だらけで、インターネットでも、最終回の終わり方が議論になったほどです。

戸田恵梨香が、「映画化しない」と台詞で言うのが、笑ってしまいますが、映画化の複線では?と言うのが大勢を占めました。
むしろ放送終了後の方がこのドラマの名声を高め、映画化される訳です(笑)。
ドラマ後半から、エンディングの戸田恵梨香が、「ゲッツ!」と言い、これが次第に「月9」なって行きます。
これは次のクールのフジテレビの月9のヒロインに、戸田恵梨香が決まっていて、そのドラマに関する発言です。
こんなところも、遊び心ですね。

あと、主題歌のTHE RiCECOOKERSの「NAMInoYUKUSAKI」のアレンジが、毎作異なります。
オリジナルは日本語歌詞なのですが、最初英語歌詞ですし、日本語歌詞バージョンも披露します。

強烈なキャラクターが立っていて、遊び心とボケ炸裂のストーリーと台詞、これが面白くない訳がありません。
ただひたすら、ボケには突っ込み、気軽に楽しんで下さい。
でも楽しめる人と、楽しめない人と、分かれるでしょうけど・・・

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2012年3月10日 (土)

隠蔽捜査2 果断 / 今野敏

まずは前作と重なりますが、今野敏の簡単な紹介を。

今野敏は、かなりの多作作家、ジャンルも、警察小説、テレビドラマで有名な安積班ものとか、空手・格闘技系の小説、SF、伝奇もの、超能力もの等々。

特に最近よく出版され、売れている警察小説も、ブームになる遥か前から手がけていました。
警察小説とは、警察組織、警察機構を背景に、警察官が事件に当たる小説の事です。
その内容は、勧善懲悪的な、単純なストーリーではなく、警察組織、警察機構の矛盾と戦いつつ、事件の解決に当たるストーリーがほとんどです。
ただ、今野敏の警察小説は、警察組織、警察機構の矛盾と戦いつつ・・・と言う点は、それほど強くありません。

今回は、前作の「隠蔽捜査」の後日談となります。

東大卒で警察庁長官官房、総務課長のだった竜崎伸也は、息子の起こした麻薬事件で息子を自首させ、覚悟の上大森警察署署長に降格された。
ある日、高輪署管内で消費者金融の強盗事件が発生し、逃走した3名の犯人確保のため、大森署にも緊急配備(キンパイ)指令が来た。
大森署の交通課長の手配に漏れがあり、気付いて配備させた時間差で、大森署管内からすり抜けた犯人が、碑文谷署管内で本庁機動隊に2名逮捕された。
逃走した1名の行方は、依然不明。
キンパイの最中に、大森署管内の小料理屋「磯菊」で喧嘩しているとの、通報が入った。

大森警察署の上位組織、第二方面本部の野間崎管理官が、キンパイの失態に、方面本部の面子が潰された、タルんでいると怒鳴り込んで来た。
野間崎管理官をあしらうため、同期で幼馴染の、第二方面本部の上位組織、刑事部長の伊丹に電話して口添えしてもらった。

竜崎は、大森署管内の「磯菊」の喧嘩の確認をするよう命じると、現場の警察官に向かって店内から発砲して来た。
単なる喧嘩の通報が、人質立てこもり事件となり、すぐに大森署に指揮本部が立ち上がった。
刑事部長の伊丹が、大森署到着し、指揮本部の本部長となる。
慣例では、所轄署署長が副本部長だが、本部に2人の指揮は不要と、竜崎は現場へ行った。
現場では捜査一課特殊班(以後SIT)いて、縄張り争いに興味のない竜崎は、大森署署員を専門家のSITの指揮下に入れた。

竜崎が到着して、1時間以上経過し、事件は膠着(こうちゃく)状態。現場に、対テロ、ハイジャックなどの突入の専門部隊、第六機動隊第七中隊(以後SAT)も到着した。
さらに2時間以上が経過し、立てこもり犯は発砲して来て、人質の安全も懸念されるため、SATは竜崎に突入の意見具申をした。
伊丹は、あくまで刑事部に所属するSITによる解決を主張したが、人質の安全確保、早期解決のため、竜崎はSATに突入を命じた。
SATは突入後して、人質は無事確保、犯人は射殺されて、発見された。

後で判明したのは、突入の際、犯人の銃は弾切れ。SATが丸腰の犯人を射殺したと、新聞で叩かれた。
警察内でも騒ぎ出し、立てこもり事件の指揮が適切だったか、警察庁の監察官が、事件の査問をする事となった。
査問の担当は、竜崎も知っている、優秀な官僚の小田切主席監察官。
警察官にとって、そもそも査問が不名誉であり、査問結果によっては懲戒、場合によってさらに地方に飛ばされかねない。
以前あしらった、野間崎管理官からは、竜崎に不利な報告が、監察官に上がっているように考えられた。

新聞社に、犯人の銃が弾切れだった事を漏らした警察官として、警察官としての態度が悪い、戸高部長刑事ではないかとのウワサがあった。
戸高をについて調べている過程で、戸高から、この立てこもり事件に、不審な点が多過ぎると指摘された。

良い小説家と、良い料理人は、似ていますね。
両者とも、どんな作品でも一定水準を超えると言う事です。
この作品は、一定水準を超えるどころか、前作に勝るとも劣らない名作ですけどね。

まず、前作「隠蔽捜査」での主人公、竜崎の設定は、東大卒、バリバリのエリート官僚、警察庁の長官官房総務課長。
しかし今回は、左遷により大森署署長として、事件に当たります。
現場捜査員ならともかく、捜査実務はしない警察署署長も、主人公にはしにくいですよね。

主人公の竜崎は、地位に汲々としている小役人なんかではなく、常に正しい原則に沿って行動する、いわば痛快な人物なんですね。
妻も、同期の伊丹も、そんな竜崎を変人扱いします。
前作同様、こんな強烈な主人公を考え出したら、小説としては半分成功したものでしょう。

今回は、前作とは違い、小説タイトルはありふれていて、ここからはストーリーは想定出来ません。
今回もストーリーは骨太で、シンプルなんですが、前作より凝っていて、どんでん返しもあります。

今回の事件では、事前に知りえた情報の範囲内で、竜崎の判断にミスはなかった。
しかしキンパイの犯人取り逃がし、その犯人による立てこもり、SAT突入、犯人の射殺、拳銃弾切れと、事態は悪い方へ進みます。
野間崎管理官との折り合いも悪く、窮地に立ちます。

今回のテーマは、戦う意義。
生きると言う事が、すでに戦っているようなものですが、一から十まで、何に対しても戦うことは不可能です。
しかし人は、本当に戦うべき時に、大人の判断と称して戦わなかったりしますね。
変人の竜崎は、己の信じるところに立ち向かい、戦います。
まあ、この強烈なキャラクターですから。

前作で、態度が悪い刑事として描かれていた戸高が、大活躍。
実は優秀な鬼刑事だったんですね。
興味のない事に無頓着になるのは、一芸に秀でた人に見られる傾向でもあります。

立てこもり犯が瀬島、人質が源田と来ると、太平洋戦争中の陸軍参謀本部作戦課の瀬島龍三と、海軍の航空畑の源田実をイメージしちゃいますね。
この辺からネーミングしたのかは、分かりませんが。

素晴しい登場人物に、素晴しいストーリー、これで面白くない訳がありません。

この作品も、前作同様、土曜ワイド劇場で映像化しています。
自分は再放送を見ました。
事件の発端が小説と異なり、どうしてなんだろうと思っていたら、ラストでお涙頂戴の演技にする、伏線でした。
ラストシーンは、土曜ワイド劇場お決まりの、断崖のシーン(笑)。
こう言う予定調和的なストーリーは、見飽きたし、いい加減白けるんですけどね。
キャスティングも疑問でした。
それ以外は、端折ってはいますが、ほぼ小説に忠実なストーリー・・・悪くはなかったんですが。

次作の、「隠蔽捜査3 疑心」も読了しました。その内、アップします。

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2012年3月 9日 (金)

トウケイニセイ物語

2012年3月6日トウケイニセイが、死亡したニュースが流れました。
特に、インターネットのニュースに大きく流れた事、公営もJRAも含めた競馬好きが、インターネットの様々なところに書き込みをしていました。
現役時代、他競馬場にめったに遠征せず、ずっと盛岡競馬場、水沢競馬場で走っていたのですが、それでもトウケイニセイが死亡した現在、多くの人に愛されていた事を改めて知りました。

トウケイニセイの父、トウケイフリートは、大井競馬場の東京大賞典(JRAの有馬記念に相当)等、南関東の重賞をいくつか勝ちましたが、負ける時には惨敗も多く、競争成績にムラがある馬でした。
7歳にJRAに移籍しましたが活躍せず、その後岩手競馬に移籍して、7歳、8歳と大きなレースにことごとく勝利し、岩手競馬のトップとなりました。

公営の競走馬は、よほどな事がないと種牡馬にはなれません。
しかし岩手で活躍したトウケイフリートは、種牡馬になれたものの、初年度種付けに集まった牝馬が、たった5頭。
初年度種付け後、急死しました。
トウケイニセイはその内の1頭、エリモグレースに受胎し、1987年5月21日に生まれました。

トウケイニセイの1年先輩には、後に岩手競馬の1つの伝説となる偉大な競走馬、スイフトセイダイとグレートホープがいます。

トウケイニセイのデビューは、2歳時の1989年9月30日で、鞍上菅原勲を迎え、D580mのレースを快勝します。
デビュー戦の貴重な映像がこちらです。

1989年 水沢競馬場 3歳G5 トウケイニセイ

レース後、屈腱炎となり、約1年半休養します。

この屈腱炎のため、条件戦をコツコツと戦う、裏街道路線となりますが、これは足元が弱いトウケイニセイには、むしろ良かったかも知れません。
その後、足元と相談しながらの競馬となります。

4歳と古馬になった1991年4月27日、復帰戦で3馬身差楽勝すると、条件戦をコツコツ勝利し、1992年10月10日まで18連勝の、当時連勝の日本記録を樹立します。
この頃のトウケイニセイは、オープン馬ではありませんでしたが、岩手競馬のトップホースと変わらないくらいの人気がありました。

当時、Nifty Serveと言う、日本最大のパソコン通信サービスで、「エクリプス伝説」と言うHNの岩手在住の方がおりました。
地方競馬板で、熱心に岩手競馬の情報をアップされてました。
「エクリプス伝説」さんと後にメールのやり取りをした時に、トウケイニセイの初の敗北(2着)となった1992年11月22日の19戦目は、明らかな調整不足だったと聞きました。
「エクリプス伝説」さんは、この19戦目のレースの事は、すごく悔しいと書いていました。
もしこのレースで負けなければ、その後11連勝しましたので、現在のドージマファイターの持つ日本記録、29連勝と並んでいたところで、先に達成したトウケイニセイの記録も残っていたはずです。
「エクリプス伝説」さんは現在、岩手競馬情報館で、今でも岩手競馬の情報発信をしておられます。

しかしそこから4連勝し、1993年8月1日、トウケイニセイの初重賞挑戦、岩手の天皇賞と言われる、盛岡競馬場のみちのく大賞典(D2000m)に出走します。

この時の、岩手競馬のオープンの状況は、1992年までは、スイフトセイダイとグレートホープがトップに君臨し、他馬を寄せ付けませんでした。
しかし1992年暮れの桐花賞(岩手競馬の有馬記念)に、グレートホープの2着したモリユウプリンスが翌年台頭し、桂樹杯、赤松杯、シアンモア記念とスイフトセイダイとグレートホープを破り、トップとなっていました。
モリユウプリンス1番人気、重賞初挑戦のトウケイニセイは、何と2番人気に推されます。

第21回 みちのく大賞典◆H05(1993/08/01)

ケイワンハートが逃げますが、そこにグレートホープが絡んで、ペースが速くなります。
3番手スイフトセイダイ、4番手トウケイニセイ、6番手の後方にモリユウプリンス。
4コーナー手前からトウケイニセイが仕掛けて、先頭に並びかけ、モリユウプリンスも後方から差を詰めます。
直線向いて、トウケイニセイとモリユウプリンスが、馬体を併せて追い比べとなりますが、トウケイニセイの脚色が勝り、2馬身1/2差をつけて快勝しました。

1993年9月15日の次走は、トウケイニセイの最初の他競馬場遠征しての重賞、新潟競馬場の東北サラブレッド大賞典(D1800m)に出走します。
東北サラブレッド大賞典は、東北の競馬場持ち回りの重賞競走で、この年は新潟競馬場で開催されました。
トウケイニセイのオーナーは、他競馬場に遠征するのは反対だったそうですが、調教師が説得して出走にこぎつけたと記憶しています。
岩手競馬の強豪ばかりでなく、公営新潟競馬、山形競馬のトップとも対戦します。
今度はトウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。

1993年 東北サラブレッド大賞典(新潟) トウケイニセイ

新潟のウイルライドオンが逃げ、トウケイニセイは3番手、モリユウプリンスは中団に付けます。
3-4コーナで各馬が仕掛け、モリユウプリンス外から上がって行きます。
トウケイニセイはワンテンポ遅らせ、直線向いてから追い出しますが、その間にスパートしたモリユウプリンスに引き離されます。
スピードに乗ると、トウケイニセイの脚色は違い、残り1F(200m)でモリユウプリンスを並ぶ間なしに交し、1馬身1/2差をつけて快勝しました。

1993年11月23日の次走は、まだ交流競走以前の水沢競馬場の重賞、北日本マイルチャンピオンシップ南部杯(D1600m)。
トウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。

第6回 南部杯◆H05(1993/11/23)

オーディンが逃げ、トウケイニセイは3番手追走、モリユウプリンスは中団。
3-4コーナーでトウケイニセイが上がって行き、沙汰にその後ろにモリユウプリンスがつけます。
逃げたオーディンの脚色鈍らず、トウケイニセイが首差交してゴール。
モリユウプリンスは、オーディンを交せず3着。

1993年12月30日の次走は、岩手競馬の総決算の重賞、水沢競馬場の桐花賞(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。

第19回 桐花賞◆H05(1993/12/30)

最初先頭はごちゃごちゃしますが、グレートホープが逃げ、トウケイニセイ3-4番手、モリユウプリンスは後方に付けます。
向こう正面で、後方にいたモリユウプリンスが仕掛け、先団に取り付き、それに伴いトウケイニセイも馬体を併せるように上がって行きます。
4コーナーで先頭に出ますが、モリユウプリンスが外に膨らみ、その間にトウケイニセイは先頭に立ちます。
トウケイニセイとモリユウプリンスの脚色変わらず、後方を引き離して、トウケイニセイが1馬身1/2差をつけて快勝しました。

トウケイニセイは、翌1994年5月8日のオープン戦、水沢競馬場の赤松杯(D1900m)に、モリユウプリンスを1馬身1/2差で退けます。
1994年6月5日の重賞、水沢競馬場のシアンモア記念(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。

第20回 シアンモア記念◆H06(1994/06/05)

アサクサハポネスが逃げ、トウケイニセイ3-4番手、モリユウプリンスはマークするように中団に付けます。
3-4コーナーでトウケイニセイが上がって行き、モリユウプリンスも一緒に上がって行きます。
4コーナー手前には、トウケイニセイとモリユウプリンスが、馬体を併せて先頭に立ち、後方を引き離してのマッチレースとなります。
トウケイニセイとモリユウプリンスの脚色変わらず、トウケイニセイが1/2差でモリユウプリンスを退けました。

1994年7月31日の重賞、盛岡競馬場のみちのく大賞典(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。

第22回 みちのく大賞典◆H06(1994/07/31)

アフケクショネットが逃げ、トウケイニセイ2番手、モリユウプリンスは5番手と先行。
3コーナー手前にはアフケクショネットが脱落し、押し出されるようにトウケイニセイ先頭、外からモリユウプリンスが並びかけます。
直線内にトウケイニセイ、並走していたトウホクグラス、その外にモリユウプリンスが追走します。
トウケイニセイは、トウホクグラスを交させませんが、外のモリユウプリンスの脚色良く、およそ2馬身差突き抜けて優勝しました。
モリユウプリンスは、初めてトウケイニセイを破りました。
レース後、トウケイニセイは、モリユウプリンスと馬体を併せたら、モリユウプリンスを抜かさせなかったんじゃないか?と言う話も出ました

1994年8月28日の重賞、水沢競馬場の東北サラブレッド大賞典(D2000m)に出走し、キクノホープに5馬身差をつけ優勝します。
これで東北サラブレッド大賞典2連覇。
モリユウプリンスは、このレースには出走しませんでした。

1994年9月25日の重賞、水沢競馬場の北日本マイルチャンピオンシップ南部杯(D1600m)。
モリユウプリンスはこのレースにも出走しませんでした。
トウケイニセイが1番人気。

第7回 南部杯◆H06(1994/09/25)

昨年同様、オーディンが逃げ、トウケイニセイは5-6番手。
3コーナー手前でトウケイニセイが上がって行き、4コーナー手前には先頭に立ちます。
直線はトウケイニセイの独走で、2着サクラグットオーに5馬身差優勝。
トウケイニセイは、これで南部杯連覇。

1994年11月6日の重賞、盛岡競馬場の重賞、北上川大賞典(D2500m)。
トウケイニセイ1番人気、休み明けのモリユウプリンスが4番人気となりました。

第17回 北上川大賞典◆H06(1994/11/06)

グレートホープが逃げ、トウケイニセイは外を回り3番手、モリユウプリンスは馬群の後、後方から2番手。
向こう正面で、グレートホープを交しトップクライマーが先頭、3コーナーから各馬仕掛け、トウケイニセイも上がって行きます。
4コーナーの団子状態から抜け出したのは、トウケイニセイ。
インコースからユウユウサンボーイも抜けて追走し、その後方からモリユウプリンスが追い込んで来ます。
トウケイニセイの脚色良く、ユウユウサンボーイを2馬身突き放して優勝。
モリユウプリンスは、ユウユウサンボーイを交せず、3着。

ちなみにユウユウサンボーイは、2歳時に川崎の全日本3歳優駿(当時の馬齢表記)で、公営2歳の頂点に立ちました。
その後、JRAに移籍しますが重賞を勝てず、岩手競馬に移籍し、オープン特別は勝つものの、重賞は勝てませんでした。
しかし9歳になった1997年11月24日の北上川大賞典で、生涯2度目の重賞を勝ちました。
これは現在も、最長間隔重賞勝利2522日と言う、日本記録となっています。

1994年12月5日の重賞、水沢競馬場のフレンドリーカップ(D2000m)。
重賞とは言え、岩手競馬の重賞の賞金で、記憶に間違えなければ優勝賞金1千万前後。
JRAも出走する事が出来、実際JRAから遠征して来ましたが、当時の条件クラス、900万下クラスの馬でした。
この賞金では、公営で最もレベルが高い、南関東公営からの出走もありませんでした。

1994,95年フレンドリーカップ・95年南部杯

00:00からが、1994年のフレンドリーカップ映像です。
JRAのラガーチャンスが逃げ、並走するようにネイビースター、スローペースで馬群は団子状となります。
向こう正面でユウユウサンボーイが先頭に立ち、3-4コーナーでトウケイニセイが上がって行き、同時にその後方からモリユウプリンスも上がって行きます。
直線向いてトウケイニセイが先頭に立ち、馬体を併せてモリユウプリンスが追走し、後方は千切れてマッチレース。
トウケイニセイはモリユウプリンスに1/2馬身差粘って優勝しました。

さすがに岩手競馬のオープンクラス相手では、JRAの900万下は通用しませんでした。
しかしこのレース、岩手競馬側の企画に問題があり、せめて優勝賞金に3千万以上出さなければ、JRAや南関東公営から良い馬は集まりません。

1994年12月30日の岩手競馬の総決算、水沢競馬場の桐花賞(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスは、このレースには出走しませんでした。

第20回 桐花賞◆H06(1994/12/30)

トップクライマーが押して先頭に立ち、トウケイニセイは中団。
向こう正面からグレートホープやミヤシロテュードオが仕掛け、それとともにトウケイニセイが上がって行きます。
3コーナーには逃げていた馬は脱落し、グレートホープ先頭、ミヤシロテュードオ2番手、すぐ後にトウケイニセイ3番手。
4コーナーで先頭を捉えると、楽々3馬身差をつけて優勝。
これで桐花賞連覇。
2着ミヤシロテュードオ、3着には8歳の古老、グレートホープ。

トウケイニセイは、翌1995年4月23日のオープン戦、水沢競馬場の赤松杯(D1800m)に出走し、ミヤシロテュードオを1馬身1/2差で退けます。

1994年5月21日の、水沢競馬場のシアンモア記念(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、休み明けのモリユウプリンスが2番人気となりました。

第21回 シアンモア記念◆H07(1995/05/21)

ミヤシロテュードオが逃げ、トウケイニセイ2番手、モリユウプリンスは3-4番手と先団に付けます。
ミヤシロテュードオは道中スローに落としますが、向こう正面からペースアップします。
3コーナー過ぎにトウケイニセイがミヤシロテュードオに並びかけ、モリユウプリンスが上がって行きます。
直線向いてトウケイニセイが先頭に立ち、モリユウプリンスが追いかけますが、1/2馬身差まで迫ったところがゴール。
トウケイニセイは、これでシアンモア記念連覇。

1994年6月25日の、上山競馬場の東北サラブレッド大賞典(D1800m)。
上山競馬場はかつて山形県上山市にあった競馬場で、山地にある競馬場自体が傾斜している、特殊なトラックでした。
競馬の累積赤字により、惜しくも2003年に競馬廃止します。
トウケイニセイ1番人気、理由は良く分かりませんが、デビュー以来ずっと手綱を取っていた菅原勲が、このレースだけ千田知幸に代わりました。
宿命のライバル、モリユウプリンスはJRAのレースに出走するため、このレースには出走しませんでした。

1995年 東北サラブレッド大賞典(上山) トウケイニセイ

スーパーポップスが先頭、トウケイニセイは3番手につけます。
向こう正面でトウケイニセイは2番手に進出、上山競馬でトップを張っていたタケデンマンゲツが、3コーナー手前で上がって行きます。
3コーナーでトウケイニセイが先頭に立ち、最初タケデンマンゲツは、馬体を併せますが、4コーナーまでには付いて行けなくなります。
直線はトウケイニセイの独走で、あまり追わず3馬身差で優勝します。
これで東北サラブレッド大賞典3連覇。
2着はJRAから上山に移籍した、パッシングルート。

1994年7月30日の、盛岡競馬場のみちのく大賞典(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、JRAの芝のレース、吾妻小富士オープンに惨敗したモリユウプリンスが2番人気となりました。

第23回 みちのく大賞典◆H07(1995/07/30)

逃げたのは、JRAから移籍したヘイセイシルバー、トウケイニセイ3番手、先団の後ろにモリユウプリンス。
向こう正面から、モリユウプリンスが上がって行き、3コーナーにはトウケイニセイに馬体を併せます。
3-4コーナーには馬体を併せたまま、トウケイニセイとモリユウプリンスが、ヘイセイシルバーを交して、先頭に立ちます。
トウケイニセイとモリユウプリンスが叩き合いをしますが、モリユウプリンスの方が脚色優勢で、ゴール前には3/4馬身差をつけて、モリユウプリンスが優勝しました。
モリユウプリンスは、みちのく大賞典連覇。
そしてトウケイニセイを生涯2度破った、唯一の馬となりました。

1994年9月11日の、水沢競馬場のフレンドリーカップ(D2000m)。
トウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。
JRAからも出走して来ましたが、昨年同様条件クラス、900万下クラスの馬。

1994,95年フレンドリーカップ・95年南部杯

02:30からが、1995年のフレンドリーカップ映像です。
最初珍しく、トウケイニセイが先頭に立ちますが、正面スタンド前ではリュコトブキが交して逃げます。
モリユウプリンスは最初後方に付けましたが、正面スタンド前で上がって行き、2コーナーでは4番手に付けます。
向こう上面で、モリユウプリンスを交して、内からヘイセイシルバー4番手。
3コーナーには早くもトウケイニセイが先頭、モリユウプリンスは追走して馬体を併せようとします。
直線向いて、トウケイニセイが独走します。
2番手は、モリユウプリンスよりヘイセイシルバーが脚色良く、並ぶ間なしに交して行きました。
トウケイニセイは5馬身差圧勝、2着にヘイセイシルバー、3着にモリユウプリンス。
トウケイニセイはフレンドリーカップ連覇。

1995年10月10日の、水沢競馬場のマイルチャンピオンシップ南部杯(D1600m)。
1995年は、交流元年とも言う年でした。
中央競馬と、公営競馬側で話し合い、地方全国指定交流競走となりました。
これは、中央競馬と、公営競馬で、統一グレード制を敷く、前段階だったのです。
これに伴い、南部杯の優勝賞金は、岩手競馬として破格の5千万円となりました。
この賞金だと、JRAを始め、公営競馬各地から、強豪が集まりました。

JRAから重賞5連勝中のライブリマウント、他トーヨーリファール、キョウエイボナンザ。
宇都宮競馬からイチノキング、笠松競馬からアメージングレイス、南関東公営からヨシノキング。
迎え撃つ地元勢は、総大将のトウケイニセイを始めとして、モリユウプリンス、ヘイセイシルバー、ユウユウサンボーイ。
さすがにここでは、ライブリマウント1番人気、トウケイニセイ2番人気、トーヨーリファール3番人気、ヨシノキング4番人気、モリユウプリンス5番人気。

第8回 南部杯◆H07(1995/10/10)

ヨシノキングが外から先頭に立ち、ライブリマウント2番手、トウケイニセイ3番手、モリユウプリンスは先団後方。
3コーナーからペースが上がり、ライブリマウントが仕掛け、遅れじとトウケイニセイも上がって行きますが、ライブリマウントについて行けません。
直線向いて、ヨシノキングが粘りますが、馬体を併せライブリマウントがねじ伏せに行きます。
ライブリマウントが1/2馬身出たところがゴール、2着ヨシノキング、その約2馬身1/2後方に、3着トウケイニセイ。

前述の「エクリプス伝説」さんは、優勝したライブリマウントに対し、トウケイニセイは8歳と高齢だが、これが全盛時でも勝てたかどうか・・・と賛辞を送りました。
この時のライブリマウントは当時、ダート日本最強だったでしょうね。

1995年12月31日の、岩手競馬の総決算、水沢競馬場の桐花賞(D2000m)。
このレースが、トウケイニセイの引退レースとなる事が、発表されていました。
記憶に間違えなければ、トウケイニセイはここまで、脚部不安か何かで、休んでいたはずです。
例によってトウケイニセイ1番人気、モリユウプリンスが2番人気となりました。
しかし、トウケイニセイの体調には、不安もささやかれていました。

第21回 桐花賞◆H07(1995/12/31)

デタントが逃げ、トウケイニセイは2-3番手、モリユウプリンスは最初後方でしたが、正面スタンド前にはトウケイニセイのすぐ後ろに付けます。
デタントは最初スローに落としますが、向こう正面からペースを上げ、後方に約5馬身差の大逃げとなります。
3コーナーから、ミヤシロテュードオとトウケイニセイが上がって行き、4コーナー手前には、トウケイニセイが先頭に立ちます。
後はトウケイニセイの独走でゴール。
2着に中団から差して来た、ヘイセイシルバー。
モリユウプリンスは、勝負所で置いて行かれ、7着の大敗。
トウケイニセイは、体調万全ではなかったそうですが、それをものともせず、桐花賞3連覇。

競争成績は、43戦39勝2着3回3着1回。
41戦連続連対は、未だに破られていない、日本記録です。

この馬を、岩手競馬史上最強馬と言う人は多いです。
8歳に、ライブリマウント、ヨシノキングに先着を許しましたが、1993年から1995年当時、日本有数のダートの強豪だったでしょう。
主戦ジョッキーの菅原勲は、1999年JRAのダートGⅠ、フェブラリーSに、岩手のメイセイオペラで優勝しました。
後に、トウケイニセイとメイセイオペラ、どちらが強かったか尋ねられたところ、トウケイニセイと答えています。

1995年の競争成績に対し、地方競馬の特別表彰馬となりました。
2000年からは、水沢競馬場で、D1600mの重賞競走、トウケイニセイ記念が、年初に開催されています。

競争成績が優秀でしたので、種牡馬にはなれましたが種付けの人気はなく、また少ない産駒もあまり活躍せず、2004年に種牡馬引退。
他馬なら屠殺される可能性もあったところですが、JRAのエリモの冠名で有名な、北海道えりも町のエクセルマネジメントに引き取られ、余生を送っていました。
2009年には、岩手県滝沢村の「馬っこパーク・いわて」に繋養され、東日本大震災後は、終生飼育を目的とした「トウケイニセイ基金」が有志によって立ち上げられたほどです。
死亡時25歳、人間なら約100歳というところでしょうか?

公営競走馬ながら、卓越した競争成績と人気、そして天寿を全うした生涯でした。

トウケイニセイ◆水沢競馬場に凱旋 (2009/01/12)

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2012年3月 7日 (水)

トウケイニセイ死亡

トウケイニセイは、1990年代、岩手競馬の中心だった、偉大な競争馬です。
JRAしか興味のない方なら、しょせん地方競馬・・・と思うでしょうか?

JRAに競馬のドラマがあるように、馬の走るところ、どこにだってドラマはあります。
岩手競馬は、公営の中でもレベルが高く、1つ年上に、東北の怪物と言われたスイフトセイダイがいました。
スイフトセイダイは、岩手競馬では一時手の付けられない強さで、積極的に他競馬場に遠征し、東京大賞典に2年連続2着、北海道のブリーダーズGCも2着と、勝てはしなかったものの、好成績でした。

トウケイニセイは、デビュー戦勝利後、屈腱炎となり、約1年半休養後、足元の調子を見ながら出走して、18連勝は、当時の日本の競馬の連勝記録。
19戦目に2着に敗れますが、これは調整不足でした。
年を増す毎に、足元が強くなり、6歳に重賞挑戦し、レコード勝ち。
その後も、岩手競馬の強豪相手を寄せ付ない強さで、8歳引退時までに43戦39勝2着3回3着1回の、優秀な成績をおさめます。
1995年公営競馬の年度代表馬となりました。

トウケイニセイのオーナーの方針で、他競馬場に遠征しない方針(1度だけ新潟に遠征)だったので、他馬との比較は難しいですが、8歳時に南部杯が交流GⅠとなり、その際にJRAライブリマウント1着、南関東のヨシノキング2着で、3着がトウケイニセイですから、相当なレベルだったと思われます。

トウケイニセイ鞍上の菅原勲は、1999年に岩手競馬のメイセイオペラで、JRAのGⅠ、フェブラリーSに優勝します。
しかし菅原勲は、メイセイオペラよりトウケイニセイの方が、強いのではないかと言っていました。

競争成績が優秀でしたので、種牡馬にはなれましたが種付けの人気はなく、また少ない産駒もあまり活躍せず、2004年に種牡馬引退。
他馬なら屠殺される可能性もあったところですが、JRAのエリモの冠名で有名な、北海道えりも町のエクセルマネジメントに引き取られ、余生を送っていました。
2009年には、岩手県滝沢村の「馬っこパーク・いわて」に繋養され、東日本大震災後は、終生飼育を目的とした「トウケイニセイ基金」が有志によって立ち上げられたほど、人気のある馬でした。
本日死亡時25歳、人間なら約100歳というところでしょうか?

現在、地方競馬は未曽有の危機です。
ここ10年、多くの地方の競馬場が廃業しました。
これでは、日本のサラブレッド生産のすそ野が狭くなって来ます。
サラブレッド生産数が少なくなると言う事は、優秀な競走馬が生まれる確率が低くなる事を意味し、ひいては日本競馬全体のレベルが下がると言う事です。
JRAしか興味のない方であっても、実は対岸の火事ではないのです。

この機会にもう一度、日本の競馬、地方競馬に心を馳せて頂けたらと思います。
近く、トウケイニセイの追悼の意味も含めまして、競走馬時代の記事をアップしたいと思います。

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2012年3月 5日 (月)

Happy Feelings / Maze featuring Frankie Beverly

メイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリーは、黒人のR&B、Soul、Funkが好きな人以外には、日本ではほとんど知られていないミュージシャンだと思います。

1970年頃は、ロウ・ソウルと言うバンド名で、小さなレコード会社とも契約しましたが、売れませんでした。
1971年に、マービン・ゲイと出会い、マービン・ゲイのツアーの前座に、一緒に回りました。

マービン・ゲイはこのバンドを見込んでいて、マービン・ゲイの伝記にも登場するほどでした。
マービン・ゲイは、ロウ・ソウルと言うバンド名から、メイズ(迷路とか迷宮と言う意味)と言うバンド名に変えるよう提案し、活動を続けるとバンドの知名度も高まり、1976年にキャピトルレコードと契約し、翌年メジャーデビューアルバム、「Maze Featuring Frankie Beverly(そのまんまや!)」をリリースすると、ゴールドディスクのヒットとなりました。
その後、1978年「Golden Time Of Day」、1979年「Inspiration」、1980年「Joy and Pain」、1983年「We Are One」、1985年「Can't Stop the Love」、1989年「Silky Soul」と、出したアルバムが全て、ゴールドディスクのヒットとなります。

こうしてアメリカでは、大成功を収め、ニューアルバムがリリースされていない現在でも、大きな会場を満員にするほどの人気があります。
しかし日本の知名度はほとんどなく、彼らの来日コンサートは、信じられないくらい小さなライブハウスで演奏しています。

「Happy Feelings」は、ファーストアルバム、「Maze Featuring Frankie Beverly」収録された、代表曲です。
自分は、1970年代の終わり頃に、アルバムバージョンを聞きましたが、そのままスルーしてしまいました。
アルバムバージョンも、YouTubeにありまして、これを聴くとスルーした理由が分かりますよ(笑)。

それから十年近く後、ベストアルバムに収録されたライブバージョンのこの曲を聴いたとき、やっとこの曲が素晴しい曲だと分かりました。
そしてここ1年以内に、YouTubeに、その音源のライブが映像毎公開されたのです。
映像は1980年に、ニューオリンズで行われたライブで、後にライブビデオがアメリカで発売されました。

曲は、演奏する時に、難易度が高いおそらくTMP80くらいのミドルテンポ。
演奏した事があれば分かりますが、このテンポでノリと雰囲気を出すのは、ボーカル、演奏とも難しいのです。

ベースのイントロから始まります。
0:30からのギターのメロディは、オクターブ奏法と言って、異なるオクターブの音を、不要な音はミューとして、カッティングのように弾いています。
ギターのバッキングは、シンプルながら、ノリも良く、好きですね。

リズムはシャッフルっぽい、ちょっとハネたような感じで、歌も演奏も、同様のハネた感じで、素晴しいノリです。
こう言うノリは、リズム感が良い人でないと、走ってしまいますね(つまりだんだん早くなってしまう)。

ドラムのスネアのビートを、わざと遅らせて叩いているようですが、個人的には、最初の内ちょっと気持ち悪かったです。
ベースの人が、ジャストのタイミングで弾いているので、リズムを見失ったりしないですけどね。
ベースのフレーズは素晴しいですね。
絶妙に休符を入れて来ます。
音を出さないのも、音楽の内です。

バッキングで、ローズピアノと、シンセサイザーと、2名のキーボードがいるはずです。
向かって右側に、キーボード1名が見えますが、もう一人がどこにいるか分かりません。

フランキー・ビヴァリーのソウルフルな歌声は、本当に素晴しいですね。
歌は時折、地声とファルセット(裏声)が交互に出たりして、単調さを感じさせません。
ノリも素晴しいですし、気持ちよく歌っていて、聴いているこちらも、気持ち良くなります。
このライブバージョンでは、コーラスの入れ方も良いですね。

3:18からの間奏のコード進行の仕方が、テンポこそ異なりますが、まるでマービン・ゲイの「What's Going On」の間奏みたいで、ちょっと笑ってしまいます。
この当時、「What's Going On」をリスペクトしたフレーズが、流行っていたんですよね。

特別に、スターのミュージシャンが、バックにいる訳ではありませんが、このテンポで、これだけ演れるのは水準以上の腕前です。
そして、フランキー・ビヴァリーの歌声に酔いしれ、癒されて下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=SBN_NCBhghI

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2012年3月 3日 (土)

3月に食べたい料理(2012/03)

3月に旬の料理は・・・実はこの時期、野菜が旬です。
3月は、冬野菜はシーズン終盤で、春野菜は出始めとなります。

今月ピックアップすのは、冬野菜の大根。
大根はシーズン終盤ですが、北の方とか、高地で栽培されるものは、まだまだ良いものがあります。
でも本当は、1月、2月の方が、良いものが出回りますけどね。

当たらない役者を大根役者と言いますが、これは大根が安価で、安全な食材であると言う事ですね。
土に埋まった野菜は、特に肉類との相性が良く、肉の臭みやクセを消し、旨味のみ引き出してくれます。
肉ばかりでなく、魚介類との相性も良く、例えば名作料理、ブリ大根なんかは、大根がブリの魚臭さを緩和し、さらにブリの旨味を自分自身に閉じ込めてしまうと言う料理です。

一方、誰が言ったか、世界3大珍味の1つ、フォワグラ。
ちなみに他の2つは、キャビア、トリュフです。

1980年代以降、革新的な日本料理の料理人や中国料理の料理人に取り入れられています。
フォワグラを取り入れた日本料理の職人で、有名な人は、料理の鉄人、道場六三郎ですね。

中国料理で、伝統食材にとらわれない、革新的な食材や調理法で人気となった料理人に、香港の周中氏がいます。
麒麟金閣、凱悦軒で総料理長となりましたが、フランス料理や日本料理のような繊細で美しい盛り付け、油の使用を控え、フランス料理や日本料理に止まらず、世界の様々な料理から食材、調理法を取り入れ、新たな中国料理の境地を切り開いて行きました。

1960年代、ちょうどフランス料理が、日本料理の繊細さを取り入れ、また他国の料理と融合させ、新フランス料理(ヌーベル・キュイジーヌ)と呼ばれました。
1980年代後半から、1990年代の周中氏の料理は、香港で他の料理人にも流行して、これを新中国料理(ヌーベル・シノワ)と呼ぶようになりました。

周中氏のスペシャリテに、フォアグラのソテー黒酢ラズベリーソースがあります。
中国語料理名は北京語で、黒醋香煎鵝肝(ヘイ・キュー・シャン・ジィアン・イー・ガン)と言います。
周中氏は、香港で活躍されたので、広東語で「ヘイ・チョー・ヘウン・ジン・ンゴ・ゴン」と言う方がポピュラーかも知れませんね。

フランス料理食材のフォアグラを、黒酢とラズベリーのソースで合わせました。
ヨーロッパの料理の考え方に、獣肉とフルーツの組み合わせがあり、獣肉臭さを消し、旨味を引き出します。
つまり、フォアグラと相性の良いラズベリーソースを使い、ヘルシーな黒酢ソースと組み合わせました。

合わせたのは、ダシ汁で煮た大根。
周中氏に確認していませんが、もしかすると日本料理とか、おでんなんかにインスピレーションを得たのでしょうか?
大根と獣肉の愛称は良く、もちろんフォアグラとの相性も良いです。
逆に、ダシ汁を吸った大根は、フォアグラの脂で、更に美味さを増します。

この組み合わせによって、ありそうでなかった、新たな中国料理が生まれたのです。

周中氏はすでに、料理人を引退していますが、周中氏の監修で、周中氏のレシピで料理を出す店があります。

周中菜房 白金亭
東京都港区白金台4-19-13 白金台TFビル2F 
03-3280-1237

周中氏の、もう1つのスペシャリテに、フカヒレ入りパパイヤの蒸しスープがありますが、これもこの店で食べられます。
また美味しい点心も食べられます。

さて、昨年4月から始めた旬の料理は、1年経った今回を持って終了しようと思います。
ネタ切れ?・・・いえいえ、やる気になれば、あと2~3年分はネタがあります。

今回執筆していて、果たして旬の料理とは何だろう?と考えさせられました。
食材の中には、もちろんその時期にか食べられないものもあります。
旬の食材とは、その食材がたくさん獲れる時期、または美味い食材に当たる可能性が高い時期。
魚で言えば天然ものですし、野菜で言えば露地ものの収穫期を言います。

しかしそれらは、あくまでも可能性の高さであり、旬を外しているのに、個体の質が良く美味い食材なんて、いくらでもあります。
この時期に、この食材が旬ですよ・・・なんて、余計なお世話かなと思った次第です。
また肉の旬は?・・・ジビエに旬はありますが、最も多く口にする家禽には旬はありませんからね。
あえて言うと、脂肪が減る暑い夏場以外。
扱う食材が偏るのも、書いていて不満の1つでした。

このプログも、扱う題材が広く、何のブログだか焦点がボケていますが(笑)、食ネタは今後も続けます。
出来れば、今月にでも第1弾を執筆したいですね。

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2012年3月 1日 (木)

効果はあるのか?食べログの「ステマ」対策

まず、このブログでは、あまり辛口な事を書かないつもりでした。
しかし「かのサイト」では、こんな事を書くようにしていなく、結局書くのはこのブログかな?って事で取り上げてみました。

「ステマ」対策は、言い換えると、やらせ対策とも言います。
2012年1月6日に、店からお金をもらって、食べログのポイントをアップさせる業者の存在を、食べログが発表しました。
業者は、食べログにニセの書き込みをして、食べログのポイントをアップさせていました。
それによって、閑古鳥が鳴いていた店が、急に客でいっぱいになると言うものです。
自分は以前から、「ステマ業者」の存在を聞いていました。

念のため「ステマ」とは・・・ステルスマーケティングの略です。
例えば、ツイッターなんかで、食通と思われていた人から、あるフランス料理店の「鴨のコンフィ」が、絶品と情報が発信されたとします。
食べ歩き好きのフォロワーが、それを鵜呑みにしてつぶやき、またはコメントして、あっという間にフランス料理店は、予約の取れない人気店なりました。
しかし、もしこれが、食通とフランス料理店の仕組んだ事だったら・・・
または、フランス料理店が食通のアカウントを不正入手して、勝手にツイッターでつぶやいたら・・・

本日ニュースで、食べログ(価格.com)が「ステマ」対策を発表しました。
ニュースでは、ごちゃごちゃ駄文を書いていて、分かりにくいんじゃないですか?
食べログ側の発表を、そのまま掲載しただけなのでしょう。
シンプルに言うとポイントは2つです。


1.認証強化

今までは、やろうと思えば、1人で食べログアカウントをいくつでも持てました。
店評価をした後、携帯にショートメールを飛ばして、認証させます。
何が嬉しいかと言うと、別々の食べログアカウントが、同じ携帯番号にショートメールが飛んだら、おかしいですよね?
食べログ側は、同じ携帯番号で、後から登録したアカウントを無効にしようと言う意図なのだと思います。


2.店評価ポイントのアルゴリズムの変更

念のため、アルゴリズムとは、算出方法の事を言います。
ぶっちゃけ、信頼できるレビュアーの評価を、今以上に重視するように、店評価ポイントアルゴリズムを変更するそうです。

信頼できるレビュアーとは?
食べログ側の発表では、「食通かどうか」、「本人の存在」と言っています。
想像するに、もっともらしい内容のレビューを、沢山書いていて、かつ店側とのもめごとの少ないレビュアーを、食べログ側がチョイスして、何らかの方法で連絡して、本人確認が取れたら、信頼できるレビュアーとして任命するというものでしょう。
更に進めて考えると、例えば、200レビューのレビュアーと、1000レビューのレビュアーの重要度が同じはおかしいですので、レビュアーでもランクを設定するかも知れませんね。

こんな事で、「ステマ」対策が取れるのでしょうか?
認証強化については、「ステマ業者」が業務用携帯を多数購入し、携帯1個について、1食べログアカウントを取ったら?
食べログでは、「ステマ業者」と「ガチ評価」の区別がつかないでしょう。

信頼できるレビュアーについても、上記の業務用携帯の食べログアカウントが、1000レビューしちゃったらVIP扱いするんじゃないですかね。

店側とのもめごとの少ないレビュアー・・・と思わせぶりに書きましたが、食べログも、店から宣伝費をもらうビジネスモデルです。
宣伝費を払っている店から(宣伝費を払っていない店からでもだそうですけど)、的確な辛口コメントがけしからんと怒られると、そのコメントを消しているそうです。
宣伝費をもらっているのに、評価サイトとは、変な話じゃないですか?

自分と食べ歩きをした事のある、食べログレビュアーは、食べログ評価の高かった店の料理がイマイチだったため、正直に書いたら、レビューを削除されたそうです。
信頼できるレビュアーって、一体何なのでしょう?

食べログの認める、信頼できるレビュアーが、全ての飲食店をカバーできるとは、到底考えられません。
「ステマ」を必要としている店とは・・・レビューが少なく、評価も芳しくない店。
果たしてそんな店に、たまたま運良く信頼できるレビュアーが行って、評価してるケースが、どれだけあるでしょうか?
「ステマ」を必要としている店には、食べログの認める、信頼できるレビュアー以外・・・悪い言い方をすると、100グラムいくらの凡レビュアーの口コミしか集まらないでしょう。

結局アルゴリズムの変更によって、ごく一部の勝ち組の店と、その他大勢に分かれる事が予想されます。
もっと恐いのは、評価が良く反映されない凡レビュアーが、頭に来て大量離脱して、食べログが衰退する事ですね。
こう言う事について、検討したでしょうか?

ごちゃごちゃと、分かりにくい文章にて発表したのは、「ステマ」対策は出来ないが、何か対策したと言うポーズ・・・それ以上でも以下でもないでしょう。
こんな、さほど意味のない対策で、幕引きをしようとしているのでしょうか?
心ある、多くの読者なら、食べログ側の対策が、何の意味もない事は、一目瞭然じゃないですか?
穴があると分かっているのに、次に新たな「ステマ」利用をされてしまったら、どうするつもりなのでしょう?

食べログは、世間への影響度が大きいです。
今一度、実のある「ステマ」対策を再考願いたいものです。

そもそも論として、信頼出来る口コミグルメサイトなど、あり得ないのです。
皆が美味いと言っている店で食べて、イマイチだった経験なんて、誰にでもあるでしょう?

「ステマ」に利用されるのは、食べログ側だけの問題じゃありません。
例えば、食べログのポイントを盲信する人が多かったのも、1つの要因です。

食べログより先、一般人が店評価をしていたのは、旧東京グルメ、現Livedoorグルメや、AskU等があります。
しかしLivedoorグルメは赤字体質だったのでしょうね。
店広告に、ビジネスモデルの舵を切り、辛口評価を閉め出したら、たちまち衰退しました。
AskUは、今でも辛口評価はありますが、インターフェースが使いにくいからでしょうか?流行しませんでした。
ほかにはYahooグルメもありますが、口コミが少なく、○鹿のような、高評価な店ばかり・・・
その他、クーポン系口コミサイト、地域系の口コミサイトなんかありますが、投稿者が少なく、寂しい限りです。
つまりは、食べログの1人勝状態。

他の口コミサイトは、何やってんだって話ですよね。
食べログに匹敵するサイトがないから、食べログが盲信されるのです。
逆に言うと、そこにビジネスのネタがあると思います。
恐らく各口コミサイトとも、事業単体収益は芳しくなく、細々サイトを維持しているのみと言う事なんでしょうか?

食べると言う行為は、誰でも自然に行っていますが、本当に料理が美味いか理解しているでしょうか?
本当に、自分が感じた通り、正しく料理の評価をしていますか?
大多数が美味いと言っている店に対し、自信を持って酷評が出来ますか?
食べログのポイントを盲信して、ポイントの高い店に行き、はたまたブログや食べログに都合の良い書き込みをするからこそ、「ステマ」に利用されるのです。

自分は、食べログを否定するつもりはありません。
何と言ってもレストランの住所や電話番号、営業時間等、情報量では群を抜くので、大いに利用させてもらっています。
「かのサイト」では、ネタ元としても、大いに利用させてもらっています。
食べログが、無くなってもらっては困ります・・・反面教師的な意味合いも含めてですけど(笑)。

今回は、少々辛口気味でしたね。
その内、魔醍醐とか、改名しちゃったりして(笑)。
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その後、食べログを見ると、もうアルゴリズム評価を変えちゃったみたいですね。
新たな食べログポイント、ランキングは疑問だらけ・・・まあ、この辺は当てにしていないんで良いんですけどね。
昨日の今日なのに、こんなんで「信頼できるレビュアー」の位置づけを、信頼して良いものでしょうか?
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その後、食べログを調べてみると、「信頼できるレビュアー」とは、現段階では信頼度の高いレビュアーにしたようですね。
信頼度の高いレビュアーって、あまり店を酷評しないレビュアーじゃないんですかね?
これって、ちゃんとした店評価と言えるのでしょうか?

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