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2013年1月の記事

2013年1月20日 (日)

「ドダン・ブーファンのポトフ」にアクセス出来ない件について

2013/01/21 昨夕復旧しています、ご心配をおかけしました。

現在ドダン・ブーファンのポトフへのアクセスが出来なくなっています。
調べまして、恐らくアクセスルータの障害、または回線障害と思われます。

復旧まで、多少時間がかかるのではないかと予想します。
しばしお待ちください。

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庄内産三元豚リブロースとんかつ 2012年12月に印象に残った料理

12月に印象に残った料理は、庄内産三元豚リブロースとんかつです。
ビリヤニも美味かったですが、ここんとこ、しょっちゅう食べてますし、そばも美味かった、そして大根も美味かった。
しかしあえて、とんかつにしようかな・・・と。

一般にとんかつって、どんなイメージですかね?
大衆的な料理で、リーズナブルにガッツリ肉を食う感じ?

世の中には、黒豚とか、三元豚とか、高価な豚肉を使ったとんかつもありますが、食べて美味かったですか?
健康を気遣う人は、カロリーを気にして、とんかつは食べませんよね。
人によっては、とんかつをジャンキーな食べ物と思っているかも知れません。

恐らく、とんかつを食べた事がない人はいないでしょうが、本当に美味いとんかつを食べた事がある人は、少ないんじゃないでしょうか?
そんな事はない、美味しいとんかつを食べたことがあると言いますか?

世の99%以上のとんかつは、冷凍豚肉を使い、肉の熟成もせず、何も考えず180度くらいの高温で、とんかつを揚げます。
よしんば、こんなとんかつ屋で、ブランド豚肉のとんかつを食べたとして、大して美味くはありません。
むしろ、死んだブランド豚肉が、浮かばれません。

ひどい店は、長期間油を替えないため、油が酸化して臭いです。
酸化した油は、発がん性物質です。
自分の見る限り、世の大部分のとんかつ屋は、油が古いです。

そして油の質・・・大量に油を消費するとんかつ屋では、安い油にした方が利益率は高くなりますが、不味いとんかつしか出来ません。

とんかつとは何か?
それは、豚肉を美味く食べさせる料理法です。
では、豚肉が美味いとは?


豚肉の冷凍について

冷凍豚肉は論外。
世に未だに、冷凍しても味が変わらないと思い込んでいる人がいるのは、残念な事です。

冷凍すると、食材の細胞壁が弱くなります。
細胞壁中の水分は、いわゆる食材の旨味です。
水分は、解凍の際、温度が高かれば高いほど、大きく膨張します。
膨張した水分が弱った細胞壁を破り、外に流出します。
肉を解凍する際に出る肉汁は、このためです。

氷水に付けて、氷温解凍すると、水分の膨張が少なく、肉汁の流出は防げますが、弱った細胞壁はどうしようもありません。
多かれ少なかれ、肉汁は流出します。


豚肉の熟成について

肉は、熟成させなければ旨味がありません。
しかし多くのとんかつ屋が、肉を熟成させていないのは、残念な事です。
よしんば熟成させたとして、豚肉を購入して、1晩冷蔵庫に置いておく程度。

最高の、豚肉の熟成方法は、熟成の際雑菌が発生しないよう真空パックして、1週間から2週間置く事。
豚肉の赤身が熟成して、旨味が最大限引き出されます。
そんな凄い事をしているとんかつ屋は、世にほとんどありません。
この熟成方法を、ウエットエイジングと言います。


とんかつの揚げ温度について

赤身肉のタンパク質は、理論上は48度から固まり出しますが、赤身肉が白く変色し出すのは60度。
本格的に固まり出すのは、60度以降。
世のほとんどのとんかつ屋は、何も考えず180度くらいの油で揚げますが、赤身肉に高温で揚げれば揚げる程、赤身肉が固く、肉汁が蒸発してパサパサします。

逆な言い方をすると、油の揚げ温度を低くする事によって、赤身肉の肉汁の蒸発を最低限に、タンパク質が固くなるのを押さえるべきです。


豚肉の脂肪について

豚の脂肪が気になりますか?
確かにその辺のスーパーで、豚肉買って食べると、脂身を摂取し過ぎると太るし、体にも良くありませんよね。
豚は、ストレスを感じて育つと、脂身は融点高く、ベトッとしてクドいです。
この脂身は、いわゆる体に良くない脂肪です。

しかしストレスを感じさせず、自然に近い餌を食べ、野を走り回って育った豚は、融点低く、サラリとしてクドさがありません。
この店には、イベリコ豚のとんかつがあります。
実はイベリコ豚の脂肪は、融点低く食べて健康になる、オリーブオイルに近い成分なのです。
そしてオリーブオイルは、脂肪燃焼効果があります。
イベリコ豚ばかりでなく、餌にも生育状態にも気遣った豚肉は、融点低く、サラリとしてクドさがありません。

庄内産三元豚は、庄内産三元豚は、ヨークシャー種、ランドレース種、デュロック種の三元交配豚です。
いわゆる、白っぽい毛色の豚なのでしょうが、脂身の質は良く、サラリとしてクドさがありません。


とんかつの調味料について

とんかつには、とんかつソースですか?
とんかつソースは、化学調味料、着色料など、添加物宝庫です。
とんかつソースが好きな人もいるかも知れませんが、一度考え直してみませんか?
本当に美味いとんかつを食べると、とんかつソースで食べるのがもったいなくなります。

美味いとんかつは、塩で食べても美味いです。
例えば、白醤油ダレに、おろし生姜、大根おろしを入れて、付けて食べてみては?
白醤油ダレ、おろし生姜、大根おろしのサッパリした味で、いくらでもとんかつが食べられます。
ポン酢に大根おろしも、サッパリして美味いですよ。
そもそも、とんかつにとんかつソースと思うのが、単なる先入観です。


とんかつのまとめ

そして、これらすべての事を実施しているとんかつ屋があります。
・冷凍肉を使わない
・1週間から2週間のウエットエイジング
・140度の油で20分かけてとんかつを揚げる
・高品質な脂肪の豚肉(サラリと溶ける脂肪)を出す
・とんかつの調味料に塩や白醤油ダレ、ポン酢がある

もはやこれは、大衆的な料理の枠を超えています。



まるで刺身のように、豚赤身はジューシーで、旨味のある肉汁をたたえています。
そんなとんかつを食べた事がありますか?
恐らく食べたら、今まで食べたとんかつは、何だったのだろう?と思でしょう。

しかもこの店、油をこまめに取り換え、油の臭みを感じた事はありません。

この店、とんかつばかりでなく、カキフライとか杏仁豆腐も美味いです。
特に杏仁豆腐は、ほとんどの中国料理店がかなわないほど、美味いです。
でも先月食べた時には、残念ながらコンディションが悪かったですけどね。

喝(かつ)
東京都葛飾区東金町1-11-3 伴ビル2F
03-3608-7141

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2013年1月14日 (月)

ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」

東京だと、本日からフジテレビで、毎週月曜21時(通称月9)に放送するドラマです。
かつてはキラ星の如く高視聴率ドラマが出た黄金の枠ですが、ここんところフジの月9の凋落は激しいですね。

このドラマは、つい前回書評をアップした、ビブリア古書堂の事件手帖の実写版です。
キャストは、以下の感じです。

篠川栞子 - 剛力彩芽
五浦大輔 - AKIRA
笠井菊哉 - 田中圭
藤波明生 - 鈴木浩介
横田奈津美 - 北川弘美
篠川文也 - ジェシー
小菅奈緒 - 水野絵梨奈
佐々木亜弥 - トリンドル玲奈
橋本さやか - 内藤理沙
五浦恵理 - 松坂慶子
志田肇 - 高橋克実

記憶に間違えなければ、剛力彩芽のゴールデンタイム初主演作ではないでしょうか?

原作を読んだ自分にとって、キャスティングを見ただけで、原作と大きく変えるんだろうな・・・と言う事が分かります。

篠川栞子は、20代半ばくらい。剛力彩芽では若過ぎますね。
剛力彩芽は、透き通るような色白ではありますが、巨乳ではないですね。
ちなみに自分は、貧乳好みです(笑)。

五浦大輔は原作では、大学を卒業したばかりの就職浪人ですが、AKIRAだと年を取り過ぎています。
ホームレスのせどり屋、志田肇役、高橋克実が前宣でフューチャーされているので、このドラマの演技担当として抜擢なのでしょう。
恐らく原作より登場回数が多いのだと思います。

近年、オリジナル脚本ドラマが極端に減りましたが、それは置いとくとして、小説原作とか、漫画原作のドラマが多いです。
そしてかなり多いパーセンテージで、原作と違う内容であることが多いです。

ドラマ「のだめカンタービレ」が大当たりしたのは、限りなく原作に近い路線で、実写化してくれたからでした。
漫画が好きな人も、多くはドラマ「のだめカンタービレ」も好きな事でしょう。

テレビ局の財務が厳しく、なかなかリスクを冒してオリジナル脚本ドラマの企画が通りにくい事情は、自分は知っちゃこっちゃないですが、理解出来ないではありません。
小説原作とか、漫画原作のドラマは、そのファンを取り込む事が出来るメリットがありますので、企画が通りやすいでしょう。
でも、どうして原作と違う内容にしちゃうのでしょう?

出演者のプロダクションの意向・・・なんてものあるみたいですね。
ドラマ「のだめカンタービレ」は当初、TBSでドラマ化予定だったのですが、主演予定だった某大手事務所の横やりで、原作から大きくかけ離れ、漫画原作者が怒り、ドラマ化を許可しなかったという話があります。

原作に忠実に描くより、形を変えて当たれば、企画者の功績大・・・と言うのもあるかも知れませんね。
そしてそれら様々な利害が、入り組んでいるのかも知れません。

近年見た中で、原作と大きく違いますが、傑作だなぁと思ったのは、視聴率は全然ダメでしたが、ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」でしたね。
自分は原作漫画も読んでいます。
原作漫画のファンからは、あまりの内容の改変ぶりに、非難轟々(ひなんごうごう)でした。
脚本は、メインの脚本担当だったのが、ドラマ「野ブタ。をプロデュース」を大ヒットさせた木皿泉
自分が思うに、キャスティングの妙と、メッセージ性のある独特の木皿泉ワールドがハマった大傑作でした。
視聴率が悪くとも、確か賞を取っていたような。

つまりは、原作と違えていても、脚本が良ければ、違った魅力の面白いドラマにはなり得ます。

さてこの作品の脚本は、美人女優でもある異色の経歴の相沢友子
近年では、ドラマ「鹿男あをによし」ドラマ「鍵のかかった部屋」、いずれも数字を取っています。

自分は、原作と全く一緒でなければ・・・とは思いませんので、良い作品である事を祈ります。
見終えた後、ドラマ感想をこのページに追記します。

主題歌が、ネバーエンディングストーリーなのは、いずれも本がきっかけの物語だから?
これって、若い人は分からないんじゃないですかね(苦笑)?

2013/01/14 18:30
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ドラマのストーリーは、原作の「夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)」を踏襲したものでした。
となると、原作との違いは?
登場人物のキャラクターの違いのみとなります。
比較する気はありませんでしたが、こうなると比較せざるを得ないですね。

原作の篠川栞子は、誰もが認める美女で、透き通るような白い肌の、清純にして巨乳のセクシーさも併せ持ちます。
そして、自分のセクシーさを理解していません。
極端な人見知りで、普段は人とまともに会話出来ないほどなのですが、本の事になると一変、すらすらと語り出します。

ドラマの篠川栞子役、剛力彩芽は美女で清純さもありますが、まだ若く色気の点では全然及ばず。
巨乳もセクシーさの象徴ですが、まあそこは問わないとしましょう。
演技で、ちょっと人見知りのような素振りはあったものの、そんな設定ではありませんでしたね。
剛力彩芽の演技云々の前に、脚本上の篠川栞子の性格が、面白味のある人物には描けていないように思います。

五浦大輔役のAKIRAは、結局、平凡な性格の篠川栞子に付き合ってしまったようで、これまたパッとしませんでした。
思うに、実はこのドラマで一番難しい役柄のように思うのですが、キャスティングがAKIRAでよかったんでしょうか?
今さら言っても遅いですけどね。
EXILEファンで、多少は視聴率を稼ごうと言う、姑息な意図にしか見えません。

結局、なんだかパッとしない2人が中心となってのストーリーでした。
もしかしたら、自分が原作に思い入れがなければ、10分で見なくなっているドラマだったかも知れません。
来週も見ますが、良い方に激変は考えられず、この調子だと、何週でリタイアかなぁ・・・なんて思ってしまいます。

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2013年1月 8日 (火)

ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~ / 三上延

久々の書評となりますね。この間も、本は読んでいましたし、良い作品にも出会っていました。
越智春海の「ニューギニア決戦記」の書評が、大作過ぎて、終盤まで進んでいますが、そこで詰まっています(苦笑)。

さて、この本、「ビブリア古書堂の事件手帖」は、本屋で何度の手に取りましたが、結局購入したのは、1年以上経ってからです。
本との出会いは、人との出合いに似ていて、タイミングが合わないと、購入して読むに至りません。

昨年から今年にかけては、東直己のススキノ便利屋探偵シリーズと、その他の作品に熱中していたのも1つの原因です。
出版社がアスキー・メディアワークスで、そこから刊行されている小説に、良い印象がない事。
カバーはどう見てもミーハーだよな(絵自体は好きですけどね)って事で、敬遠していました。

何より一番の敬遠していた理由は、事件手帖となっていながら、殺人事件を始めとする、法に触れる事件を扱った小説ではありません。
逆に殺人の起こらない、地味なミステリーなのに評判を呼ぶというのは、逆に言うと、相当に卓越した作品なんだろうなと想像しました。

古書と、それにまつわる人間が起こした出来事について、書かれているものです。
自分は、本は好きな方ですが、本の中身が好きなのであって、古書としての価値とかには、興味がありません。
古書についてマニアックに書かれていたら、読めないだろうな・・・と思いました。

読んでみると、それはいずれも杞憂で、アスキー・メディアワークス系の軽快さに、古書の情報で味付けされた人間ドラマ・・・そんな内容です。
出版されて評判を呼び、2012年本屋大賞(書店員の投票で決まる)にノミネートされましたが、残念ながら大賞には輝きませんでした。

主人公は、内定をもらっていた会社が倒産し、大学卒業後も就職浪人として、求職活動をしている五浦大輔。
本にまつわる話なのに、この五浦大輔、活字を見ると気持ち悪くなり、本が読めない体質です。
それでいて本には興味があり、自ら望んで図書委員をしていたと言う、変わった人物。

ヒロインの、ビブリア古書堂の若き、美しき女主人、篠川栞子。
透き通るような美白の肌で、巨乳。
普段は知らない人と話が出来ないくらい、対人恐怖症に近い人見知りなのですが、本の話になると、スイッチが入り饒舌なります。
篠川栞子が、取り巻く人の起こした出来事を、本を通してプロファイリングして、見通して(推理して)行きます。

五浦大輔が、本が読めない体質と言うのは、よく考えましたね。
小説内では、卓越した本の知識を持つ篠川栞子が、五浦大輔に話して聞かせると言う手法で、さりげなくどんな古書なのかと言う情報を語らせています。
さりげなく、ストーリーの中で、篠川栞子に古書を語らせると言うのが重要なポイントで、ともすれば難しくなりがちな古書の情報が、いとも必然的に流れますので、容易に頭の中に入って行きます。

考えてみると、シャーロック・ホームズのシリーズは、実は語り手は友人のワトソン博士(医師)。
語り手の道化回しは五浦大輔(ワトソン博士)、謎解きは篠川栞子(シャーロック・ホームズ)とも比定出来ます。
ワトソン博士は、PCの調子が悪くなったら、出て来る人じゃないですよ(笑)。

そして見事な解決で、誰しも納得出来そうな大岡裁き・・・みたいな。

一方、五浦大輔の1人称で話が進み、時にはほろ苦い結末(意外にハッピーエンドですけど)に、ハードボイルドを感じてしまいます。

短編なのに、結構凝った複雑なストーリー、そして古書の知識を交えて、軽快に捌いて行きます。
もしかすると作者の三上延は、プロットの天才かも。

もうひとつ、五浦大輔と篠川栞子のラブストーリー(?)でもありますが、そっちはどうでも良い(いやよくないw)です。
ちなみに、ビブリアとは、ギリシャ語で本と言う意味・・・結構ベタです。



夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)

俺・・・五浦大輔(ごうら だいすけ)は幼少の頃、自分を名付けた祖母の大事にしている本棚で、唯一ひらがなで書かれたタイトルの本、夏目漱石「それから」を手に取った。
そこを祖母に見つかって、正直に謝ろうとした矢先、頬を張られ、「もう一度同じ事をやったら、うちの子じゃなくなるからね。」と言われた。
俺はそれ以来、このことが原因かどうか分からないが、本を読みたいのに、たくさんの活字を読むと気持ち悪くなるようになった。

月日が流れ、俺は大学卒業後、内定をもらっていた企業が潰れ、就職浪人となってしまった。
その後祖母が亡くなる際、それ以来初めてこの事に触れ、やり過ぎだったと謝罪した。

しばらくして、祖母がなくなり、この時の本、「漱石全集」を処分する段になり、「それから」に夏目漱石から田中嘉雄様へのサインがあった。
処分するよう言った母も、この本の署名が本物なのか、いくらぐらいの価値があるのか、知りたがっている。
この本を購入したのが、北鎌倉のビブリア古書堂。

それは高校時代のある日、ノースリーブの白いブラウス、紺のロングスカートの地味な服装の、長い黒髪の透き通るような色白の美女が、ビブリア古書堂で働いているのに、強い印象を受けた。
購入したビブリア古書堂に、鑑定をしてもらうために、持って行った。

ビブリア古書堂の店にいたのは、自分があの日見た女性ではなく、色の浅黒いショートカットの若い娘。
長い黒髪の美女は、ビブリア古書堂の店長で、怪我して病院に入院していた。
若い娘は妹で、姉にメールしたので、病院に鑑定してもらいに行けと言われた。

病院のベッドにいたのは、高校の頃見かけた長い黒髪の美女、篠川栞子(しのかわ しおりこ)。
極度の人見知りなのか、蚊の鳴くような小声でしどろもどろ。
ところが、話題が本の事になると、一変して立て板に水の如く、話し始めた。

俺が本を読めなくなった原因も、祖母に本を見て叱られたせいだと、いきなり見抜く慧眼(けいがん)。
サインは、夏目漱石の本物ではなく、祖母の手によるもの。
そこには、祖母なりの深い事情があった。

祈念すべき第1作ですし、主人公の五浦大輔についての説明、ヒロインの篠川栞子の説明を書きつつ、面白いストーリー、そして連作なので、今後につながるストーリーと考えると、難しいものです。
実は、あらすじを書くのに苦労しました。
80ページ弱の短編小説ながら、さまざまなものが詰まっていて、しかもストーリーや人間関係がその割に複雑と来ています。
それなのに、読んでいて不自然さはまるでなく、するする読めてしまいます。

あえて言うと、最終的に五浦大輔がビブリア古書堂に就職するようになるのですが、そこがちょっと強引かも。
まあ、そうならないと次の話しにつながらないので・・・

篠川栞子の本からの、プロファイリング能力は、凄まじいですよ。
シャーロック・ホームズも顔負けなぐらい。
出だしの話としては、秀逸じゃないかと思います。



小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)

俺・・・五浦大輔が、ビブリア古書堂で働き始め3日経った。
この店の番をしていた栞子の妹、文香(あやか)は、古書については何も知らないらしく、レジの打ち方しか教えてもらえなかった。
店に50代後半と思われる、ユニオンジャック(イギリス国旗)がプリントされたTシャツを着た男が、店にいた老婦人の万引きを捕まえた。

男の名は、志田肇(しだ はじめ)。この店の常連で、本には異常に詳しい「せどり屋」。
「せどり屋」とは、本を漁り、購入して転売して、利さやを稼ぐ商売の事。
志田から、本の鑑定と共に、本にまつわる相談を受けた。
小山清「落穂拾ひ・聖アンデルセン」の初版本を盗難に遭ったので、相談に乗って欲しいと言うものだ。

ねぐらの橋の下で、同業者と在庫を見せ合おうとした際、自転車のカゴの中の何冊かの本の中に「落穂拾ひ・聖アンデルセン」があった。
コンビニにトイレを借りに行こうとしたら、背後で音がして、ボーイッシュな女の子が、自転車と衝突して転んでいた。
声をかけたが、何かを拾い上げて、駆けて行った。
用を足して戻ると、同業者が散らばった本を拾い上げていた。
同業者によると、女の子は、向こうの道路を渡って、バス停に行ったそうだ。
志田は、この女の子が本を盗んだと見て、警察には届けたくないが、本を取り戻したいと言うのだ。

栞子に相談すると、女の子は、本の価値を知って、転売目的で盗んだのではないと見抜いた。
そして消えた「落穂拾ひ・聖アンデルセン」を読む目的でもないと。
自分たちが、女の子を捜そうと提案された。
俺は賛成した。

価値のある本だから、盗難・・・と言う、誰でも思いつきそうなところが、最初に否定されます。
物語はそこから始まると言っても良いですね。
少ない情報から、推理が意外な方向に向かって行きます。

1つ重要なヒントを書きますが、女の子が転んだ後、拾い上げたのは、保冷剤です。



ヴィノグラードフ、クジミン共著『論理学入門』(青木文庫)

俺・・・五浦大輔が、店に来た50代後半のスーツを着た紳士、坂口昌志に、「論理学入門」本の買取を依頼された。
値段がつかない世なら、売らないとも言われ。
ところがその後、妻から買い取らないでと電話が入った。

病院で栞子さんに持って行って、この件を相談した。
どうして夫は本を売りたがり、妻は売るのを阻止したがるのか?
「論理学入門」の最後のページには、私本閲覧許可証と印刷された紙のラベルが貼られていた。
最後の日付は昭和47年・・・40年以上前。

栞子さんが、インターネットで坂口昌志の名前を検索すると、昭和46年の銀行強盗の記事が出て来て、容疑者の名前として坂口昌志の名前が書かれていた。
つまりこれは、坂口昌志が犯罪を冒し、服役していた時に読んだ本。

突然、坂口昌志の妻、しのぶが病室を訪れ、本を返して欲しいと言った。
栞子さんは、本は夫のものなので、夫の許可なく返すことが出来ないと突っぱねた。
続いて昌志も病室にやって来た。

私本閲覧許可証・・・そして刑務所に服役、それを隠すために本を売る・・・と言うシンプルなストーリーは、このビブリア堂には、通用しませんよ。
事前に、色々伏線を散らしていますが、最後に1つにつながり、これまた見事な推理、見事なエンディングです。
自分はこの本で、1番好きな作品ですね。

坂口昌志、しのぶ夫妻は、良いキャラクターだな・・・と思ったら、後の作品でも活躍します・
この作品の最後に、栞子さんが、怪我をした原因を告白します。
350万と高価な太宰治の署名入りアンカット「晩年」を巡って、手に入れようとする見ず知らずの粘着的な愛好家、大庭葉蔵(おおば ようぞう)に、階段から突き落とされたんだそうです。
五浦大輔に、犯人との対決を手伝ってくれるよう、栞子がお願いします。



太宰治『晩年』(砂子屋書房)

栞子さんは、太宰治生誕百年記念で、展覧会に請われ、「晩年」を貸し出した。
その後、大庭葉蔵から「晩年」を売って欲しいと電話があって、栞子さんが「大事な本で売り物ではない」と断った。
ある日、栞子さんが石段の上から、大庭葉蔵に突き落とされた。
大庭葉蔵から、「この事を言うな、言うと店に火をつける」と言われた。
栞子さんは、骨折ばかりでなく、腰椎の神経もやられ、元通り歩けるかどうかも分からない体になってしまった。

俺・・・五浦大輔は、栞子さんを階段から突き落とした犯人を捜す・・・おびき寄せるため、オトリの太宰治「晩年」を店に出した。
インターネットにも、「晩年」を売ると広告した。
本物の高価な「晩年」は、栞子さんの病室の金庫の中にある。
もし、偽名の大庭葉蔵以外が「晩年」を求めた場合は、売薬済みと説明するようにする。

しかし常連の志田肇に、一見して本物じゃないと見破られた。

店の外から、店内を伺う男が、度々目撃された。
そしてついに、看板にガソリンがかけられた。
俺は、栞子さんに電話して、警察に相談した方が良いと意見した。
その最中、ついに店の看板が炎上しだした。

この巻のクライマックスの話で、今までの話は、犯罪とは遠いところの話しでしたが、この話は犯罪との対決であり、その意味では一番スリリングです。
果たして大庭葉蔵とは、何者なのか?
オトリで引き寄せた後、どうやって大庭葉蔵と対決するのか?

面白いネタバレを書くと、この対決の後、気に食わなくて五浦大輔は、ビブリア古書堂を辞めてしまいます。
しかしそれでは、この後続く2-3巻は書けません。
栞子は、五浦大輔をどうやって引き戻すのでしょうか?

自分は、2巻、3巻とも読了していますので、近い内に機会を見て、レビューをアップしたいと思います。

実は1月14日から、ドラマがスタートします。
それより先に、ドラマの予想が先にアップされるかもです。

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2013年1月 6日 (日)

2013年 中山金杯:結果

1月5日は、1歳以上ハンデGⅢレース、中山金杯(中山芝2000m)が行われました。

①タッチミーノット 1:59.5
②アドマイヤタイシ 1 3/4
③ジャスタウェイ 1/2

逃げたのはドリームセーリングと予想通り。
ペースも想定通りやや遅めでした。
そしてかなりいいところまで粘りましたが、最後はジャスタウェイに差されてしまいましたね。

アドマイヤタイシは好位をスムーズに追走して、直線向いて先頭に立ちましたが、すぐ後ろから進出して来たタッチミーノットに差されてしまいました。
金杯は、それほど荒れなくとも、訳の分からない馬が来る印象ですが、今年は常識にかなった馬の組み合わせで決まりました。

ジャスタウェイは、どうして3-4コーナーで最後方まで下がってしまったのでしょう?
あれがなければ、勝っていたかも知れません。

まあ、ハンデ戦は難しいですね。

現在の収支:-1,491,000

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2013年1月 5日 (土)

2013年 中山金杯

喪中のため年始の挨拶は欠礼させていただきます。
醍醐の好き勝手に書きなぐるブログ、本年もよろしくお願いいたします。

1月5日は、1歳以上ハンデGⅢレース、中山金杯(中山芝2000m)が行われます。

1-1 ニシノメイゲツ (牡6 53.0 村田一誠)
1-2 タガノエルシコ (牡8 55.0 石橋脩)
2-3 キョウエイストーム (牡8 55.0 吉田隼人)
2-4 ドリームセーリング (牡6 54.0 吉田豊)
3-5 シンゲン (牡10 57.0 三浦皇成)
3-6 タッチミーノット (牡7 57.0 横山典弘)
4-7 セイクリッドバレー (牡7 56.0 丸山元気)
4-8 コスモオオゾラ (牡4 56.0 柴田大知)
5-9 ジャスタウェイ (牡4 56.5 内田博幸)
5-10 ダイワマッジョーレ (牡4 55.0 丸田恭介)
6-11 アドマイヤタイシ (牡6 55.0 ベリー)
6-12 テイエムアンコール (牡9 56.0 柴田善臣)
7-13 ダンツホウテイ (牡8 56.0 木幡初広)
7-14 トップカミング (せん7 54.0 岩部純二)
8-15 ヒットザターゲット (牡5 57.0 蛯名正義)
8-16 イケドラゴン (牡8 50.0 江田照男)

データに行きたいところですが、金杯は毎年難解なレースです。
狙い馬を絞るようなデータは、ありません。
って事で、好きな馬を買う事にします。

逃げるのはドリームセーリングでしょうね。
競る馬も見当たらず、メンバーを見渡すと面白いなと思いました。

近走の成績と、斤量を考えると、ダイワマッジョーレ、アドマイヤタイシが魅力的ですね。
逆にジャスタウェイは、斤量を見込まれた気がします。

この中から、中山好走経験があるダイワマッジョーレ。

出走メンバーから、穴をあけるとしたらと言う目で見て、前走休み明けで上々の結果だったニシノメイゲツ。

3連複 1-4-10 10,000

自信は、あまりないです。
ジャブ程度と思って下さい。当たれば、デカいけど・・・

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2013年1月 2日 (水)

魅惑の中国料理 - 第十回 中国語料理名攻略(8)

 以前も書いたことがありますが、自分は厨房に1、2名・・・せいぜいでも3名くらいしかいない時に、料理人の出身地を聞きますね。
 そして、料理人の出身地を料理をオーダーすると、アタリの料理を引く事が多いです。

 先日逆のパターンがありました。
 接客をしていた中国人青年は、日本語コミュニケーションがかなり怪しく、事前には料理人の出身地は聞けませんでした。
 メニューから、料理人は中国東北地方の出身と判断しました。

 ところが、中国東北地方の料理にあり得べからざる、濃い口醤油の甘辛い味付けでした。
 もちろん美味くなかった。

 会計の時に、日本語が達者な人に聞いたら、料理人は上海の出身だったのです。
 上海料理では、濃い口醤油を良く使い、甘目な味付けが多いのです。
 知っていたら、上海料理を頼んだのに・・・

 毎回のおさらいになりますが、自分が何となく中国語料理名を見ていて、以下のような分類が出来るような気がします。
 この分類法は、醍醐オリジナルです、ご注意を。
 ①調理法+使用食材型
 ②調味料+使用食材型
 ③調味料+調理法+使用食材型
 ④使用食材+使用食材型
 ⑤使用食材+調理法+使用食材型
 ⑥料理のエピソード型
 ⑦その他型

 今回も、⑥料理のエピソード型ついて書きます。

 料理のエピソード型とは?
 あるエピソードから誕生して、料理名となったものです。
 つまり、料理名だけ見ても(例え中国語が分かっても)何のこっちゃ・・・と言う料理名を差します。
 料理が有名になるにつれ、エピソードから発生したものが、まるで調理法を指すかのような、呼び名となってしまったものもあります。

 なお今月(2013/02)から、その料理の珍しさ(日本で食べられる確率)をアイコンで表現します。

 ・・・ほとんど幻
 ・・・特注すればあるいは
 ・・・専門店でもめったにない
 ・・・専門店のメニューなら
 ・・・たまに見かける
 ・・・ポピュラー



道口焼鶏(ダオ・コウ・シャオ・ジー)

 焼鶏(シャオ・ジー)・・・鶏肉の醤油煮込み・・・または醤油ダレに漬け込んで焼いた料理は、中国各地にあります。
 道口焼鶏の道口は、地名です。
 って事で、特別変わった名前ではありませんが、この料理にはエピソードがあります。

 発祥の地は、河南省安陽市滑県道口鎮。
 順治18年(1661年)、鶏料理名人と名高い、張炳(ツャン・ビン)。
 清朝の嘉慶年間(1796年~1820年)の、嘉慶帝の行幸の際に、道口焼鶏の製造の香りを美味そうだと気に留め、そこで道口焼鶏を嘉慶帝に献上しました。
 その後の時の清朝にも献上され、1981年には、中国の全国名特優産品に指定さました。

 道口焼鶏(ダオ・コウ・シャオ・ジー)・・・



地三鮮(ディー・サン・シエン)

 東北料理の名物家庭料理。
 中国東北地方名産のジャガイモ、ナス、ピーマンんぼ3つを地三鮮(ディー・サン・シエン)と称し、甘辛醤油味で炒めたもの。
 
 実はエピソード型と言いつつ、この料理の由来とか、調べても良く分かりませんでした。
 しかし中国東北地方では、ポピュラーな料理で、2006年にこの料理の歌が作られ、発売されました。

 地三鮮(ディー・サン・シァン)・・・



蝦餃(シア・ジィァオ)

 日本でもポピュラーな海老蒸し餃子。
 中国語料理名は、蝦餃(シア・ジィァオ)・・・そのまんまではありますが、この料理の誕生にはエピソードがあります。

 20世紀初めの広州市郊外、伍村の川沿いの小さな酒楼(旅館のレストラン)。
 客を呼ぶため、船で売りに来る新鮮なエビを購入して、豚挽肉の餡を作り、浮粉を使ったつややかで透明な薄い皮に包んで、蒸し上げて出しました。
 見た目に美しい蝦餃のおかげで、酒楼は繁盛しました。

 蝦餃(シア・ジィァオ)・・・



粉蒸肉(フェン・チェン・ロー)

 豚バラ肉に下味を付け、上新粉(米粉)やもち米粉を付着させ、蒸した料理です。

 明朝最後の皇帝、崇禎帝(スウテイテイ)の南巡(北京南方地域への行幸)の際、鄭韓(現在の新鄭市)に寄りました。
 まだ宿泊地から遠い場所で、皇帝が空腹を覚えたため、身分を隠し、付近の農家、丁家の旅籠に宿泊しました。
 丁氏がこの時に、崇禎帝一行に出したのが、粉蒸肉だったそうです。

 崇禎帝も后妃も、この料理が甘辛く、コクがあるのに脂っぽくないので、たいそう気に入りましたた。
 丁氏は、崇禎帝の料理人となりました。

 粉蒸肉(フェン・チェン・ロー)・・・



糊辣湯(フー・ラー・タン)

 河南省がルーツのスープ料理。
 肉やキクラゲ、タロイモ、金針菜、春雨等を茴香(ういきょう)、塩、胡椒、酢で味付けして煮たもの。
 そのまま飲んだり、小麦粉を練って焼いたパンを浸して食べる。

 伝説によると、周代とも三国時代の曹操と言うのがありますが、中国に胡椒が伝わったのは、400年以上後の唐代。
 それは、単なるお話と思われます。

 伝説によると明代の嘉靖年間(1522年~1566年)に、閣僚を補佐する厳(ヤン)閣老が道士から製法を伝授され、料理を朝廷に献上したのだそう。
 明朝の滅亡の際(最後の皇帝は崇禎帝です)、宮廷料理人の趙杞が、河南の逍遥镇(シァォ・イャォ・ヂェン)に逃げて、糊(フー)氏に世話になりました。
 趙杞がお礼に、糊氏に御湯の製法を伝え、それが河南省周口市の名物、逍遥镇糊辣湯(シァォ・イャォ・ヂェン・フー・ラー・タン)となりました。

 糊辣湯(フー・ラー・タン)・・・


 次回も、中国語メニューの攻略法について書きます。
 次回も引き続き、料理のエピソード型をやります。

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