A101.印象に残った料理

2015年1月19日 (月)

ショコラ・スペシャリテ 2014年12月に印象に残った料理

12月の印象に残った料理は、ショコラ・スペシャリテです。

実は最も印象に残ったのは、想いの木の続・大地の恵みカレー・南のかほりでしたが、想いの木はしばしば取り上げているので別の店にしました。
このコーナーで洋菓子は初じゃないでしょうか?

オーナーパティシエの北西大輔氏は、マンダリンオリエンタル東京出身。
部門は不明なのですが、過去にジャパン・ケーキ・ショー東京で優勝経験があるそうです。
ジャパン・ケーキ・ショー東京は、国内としては大きな大会です。

自分は番組を見ていませんが、2014年11月9日放送のモヤモヤさまぁ~ず2で、ジャパン・ケーキ・ショー東京で優勝のケーキとして、このショコラ・スペシャリテが紹介されました。

下にまるでダックワーズのような、薄目の固い生地があり、オレンジのような柑橘系風味があります。
その上には柔かいオレンジ・ムース生地、チョコレート・ムース生地、外側をチョコレートクリームでコーティングしています。
上には、オレンジ・ピールを煮たようなので飾っています。

チョコレートと柑橘類のフルーツは、昔から相性の良い食材として、組み合わされています。
個人的には、柑橘系よりベリー系の方が相性が良いと思います。
柑橘系の場合は、ベリー系ほどには味も香りも強くありませんので、あまり強いチョコレート風味は出せません。

ムース生地は味ばかりでなく、食感が大事ですが、まるでクリーム寸前のトロトロ感で、一般受けするでしょう。
オレンジムースは、しっかりオレンジ風味が利いています。
チョコレート・ムース生地、チョコレートクリームは、それほどカカオの香りは強くないのですが、味は良いです。
チョコレート・ムース生地、チョコレートクリーム共に、トロトロの食感です。

前述の通り、カカオを強く利かせない事で、オレンジ風味とのバランスを取った繊細な味わいです。

洋菓子として完成された味わいで、かつ1個としての分量も良いです。
恐らくこの味から、たくさん食べられないでしょう。
さらに美味くしようとすると難しいのですが、個々の食材の質を上げても、劇的に変化するようには思えません。
プラスαで、チョコレートもオレンジとも合う味が加わればさらに良いと思います。

足立区は、美味い洋菓子を出す店が少ないので、頑張ってほしいです。



PÂTISSERIE LA VIE UN RÊVE(パティスリー・ラ・ヴィ・アン・レーヴ)
東京都足立区梅島3-6-16
03-6887-2579

さて、かのサイトの食べ歩き日記休止に伴い、このコーナーも今回を最後とします。
2012年3月分から、お付き合い頂いてありがとうございました。

このブログでも、食べ歩き関連の記事はなくなりますが、別の企画を考えております。
御期待下さい。

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2014年12月29日 (月)

ダール・バット・セット 2014年11月に印象に残った料理

11月の印象に残った料理は、ダール・バット・セットです。

ダール・バット・・・言語、部族によって呼び名が異なるそうです。
この先、インターネットでポピュラーな、ダル・バートと言い換えます。

ネパール人が作るインド料理店で、食事をした人は多いんじゃないかと思いますが、日本ではまだまだネパール料理の認知度は低いです。
インド、ネパール料理店と看板を出しても、メインがカレーとナンのセットで、つまみの片隅にモモとかチキン・チリ、チョエラ等がある店が大部分。
たまにこの手の店でカレーとナンを食べ、本場の味とかコメントをしている人を見かけるくらいです(苦笑)。

自分は、インド人はめったにナンを食べないと繰り返し書いていますが、ネパール人は一生ナンを食べない人が多いです。
インド、ネパール料理店でカレーとナンを出すのは、客として来る多くの日本人が、インド料理とネパール料理の区別がつかず、カレーとナンを食べたがるからです。
ネパール人も、忸怩(じくじ)たる思いで、生活のためカレーとナンを出しているのではないでしょうか?

とは言え、ネットでネパール料理の事を調べると、スクティ、ウォー、チャタモリ、チョエラ等、理解して食べている人が増えて来ているように思います。
そしてネパール人が毎日食べる、ダル・バート。
ネパール人が経営している店で、関東近郊でダル・バートを出す店は50軒近くあるように思います。

ダル・バートとは、ダル=豆のスパイシー煮込み、バート=ごはん。
ここにタルカリと言う、ネパールの様々なおかずを添えて食べます。
日本に例えると、ダル=味噌汁と言う感じです。
さすがに、毎日同じダルでは飽きるので、豆の種類を変えたり、玉ネギやトマトを入れたり、スパイスアレンジを変えたりして、毎日異なる味付けにします。
正式名称は、ダル・バート・タルカリ。

大部分の店は、インド料理とネパール料理併用で出していますが、まれにネパール料理しか置いていない、志の高いネパール料理店があります。
新大久保のモモ、武蔵小杉のBARPIPAL(バルピパル)、そしてこの店です。

女ご主人のチャカ・デビ・プルジャ氏は、かつて池袋にあった味家(あじや)スクティの店主でした。
味家(あじや)スクティもネパール料理のみの店で、ネパール料理好きから高い評価を受けていました。
プルジャ氏は一時帰国して、味家(あじや)スクティは閉店。
帰国して新たな物件を捜し、2014年10月6日にこの店をオープンさせました。

この店の素晴らしいところは、出す料理全てがネパール料理で、プルジャ氏の手作りであるという事。
メニュー名を全て列挙すると、モモ、スクティ、スクティ・サデコ、チョエラ、フライド・マトン、ブトゥワ、チキン・チリ、パングラ、バトマス・サデコ、アル・ブデコ、アルコ・アチャール、ムラコ・アチャール、チキン・サデコ、ネパール・サラダ、カジャ・セット、チウラ、チキン・カレー、マトン・カレー、グンドゥルック・コジョル、ベジタブル・カレー、アル・ボディ・タマ・カレー、チャウミン、ロティ、ライス、ダール・バット・セット、ネパール・セット、チキン・カレー・セット、マス・チウラ・セット、マトン・カレー・セット、ディード・セット、ネパール・グンドゥルック・セット。

恐らく、呪文にしか思えない料理が多いのではないでしょうか?

ダル・バートは前述の通り、豆のスパイシー煮込みとごはん、そこにネパール料理のおかず・・・タルカリが付いたものです。
ちなみに上記メニューで言うネパール・セットは、ダール・バット・セットの豪華版で、これもダル・バートの一種です。

今回紹介するのは、この店のシンプルなダール・バット・セット。
定番の豆のスパイシー煮込み・・・ダルと、野菜をスパイシーに味付けしたタルカリ、大根のピクルス・・・ムラ・コ・アチャール、ごはんがついたものです。

このダルには、ネパールから持って来たシダラと言う、川の小魚を塩漬け、発酵させたものが入っていました。
自分は初めてシダラを食べました。
味も香りも異なりますが、イメージとしては、煮干しを入れて煮た感じです。
プルジャ氏によると、シダラと相性の良い豆、そうでない豆があるそうで、相性の良い豆を選んで煮ているのだとか。

この日食べたダルは、めちゃくちゃ美味かった。
ダルだけなら★★★★でした。

タルカリはヒヨコ豆、オクラ、豆もやし、ピーマン、キャベツをドライに、スパイシーに味付けしたもの。
火が通り過ぎなのか、もしかすると野菜類は日持ちのため、わざと干したかも知れません。

ムラ・コ・アチャールは、スパイシーに味付けしたゴマペーストをまとい、良く漬かって酸味も出て美味かったです。

ネパールではこれらを、一気にごはんにぶちまけて食べますが、レポートしなくちゃいけない自分は、最初は1品ずつ食べています。
インド料理もネパール料理も、料理を混ぜて食べる楽しさを知ると、美味さ倍増です。

上記の呪文のような料理も、食べてみて下さい。
大部分スパイシーな味付けですが、1つ1つ味わい分けると、スパイスアレンジが異なり、揚げる、炒める、和える、煮込むと、様々調理法が異なる事が分かります。
特に、ディードと言うそばがきのような食べ物、アル・ボディ・タマ・カレーと言う発酵タケノコを使ったスパイシーな煮込み料理、グンドゥルックと言う青菜を発酵させてスパイシーに煮込んだ料理を食べさせてくれるのは、日本でも珍しいです。




プルジャズ・ダイニング
東京都豊島区巣鴨1-36-6
03-6912-1867

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2014年12月14日 (日)

プレーンパンケーキ 2014年10月に印象に残った料理

10月の印象に残った料理は、プレーンパンケーキです。
2010年から始まるパンケーキのブームは、終焉を迎えつつあるのに・・・そんな事言わず、呼んで下さい。

ものには、流行り廃りがありますが、流行っているのは皆の関心が高いと言うだけです。
美味いかどうか・・・と言うのは、別の次元の話です。
むしろ経験上、流行っている時の方が、流行っていない時より味がもうひとつの事が、多い気がします。

2010年から始まるパンケーキのブームは、美味いパンケーキとは?と言う事から、外れていたように思います。
アメリカの有名店が、日本にオープンした事がきっかけのように思いますが、有名かどうかと、美味いかどうかに何の因果関係もありません。
アメリカの有名店は総じて、パンケーキの量が常識外れに多く、生クリームやフルーツ、ジャム、アイスクリームを大量に乗せたものが多いように思います。

パンケーキ生地の味がイマイチなのに、、生クリームやフルーツ、ジャム、アイスクリームを大量に乗せたものを美味いパンケーキと言って良いのでしょうか?

パンケーキは大別して、2種類あります。
1つはパンのようなフワフワした生地のもの、もう1つは牛乳をたっぷり使い加水率の高いツルンとした生地のもの。

いずれのタイプにも言える事ですが、パンケーキの美味さとは、パンケーキ生地自体が美味い事。
そしてその美味いパンケーキ生地を活かすなら、最小限の味付け、バターとメープルシロップのみのでプレーンパンケーキで十分でしょう。
そしてバターとメープルシロップ質が高い事も、重要なポイントとなります。

この店のパンケーキは、パンのようなフワフワした生地のもの。
店で生地を調合し、注文を受けてから焼きますので、注文して出て来るまで20分くらいかかります。
生地の味わいは、元々素晴らしかったです。

バターとメープルシロップは、ダメな質ではなく水準以上には良いのですが、このパンケーキ生地なら、もっと良い質のものを使って欲しいものです。

料理には時々、奇跡の一皿と言う場合がありますが、この時食べたパンケーキは、まさにそれでした。
テーブルを叩くと、フルフル揺れるような、空気をたっぷり含んだふわふわのパンケーキだったのです。

まさに絶品のパンケーキ生地。

これは、パンケーキ生地にタップリ空気を含ませて焼く事、そして焼き具合がちょうど良くなければ起こりえない事です。
この時、このパンケーキに、天使が舞い降りたかの如くでした。



自分はこの店に3回行きましたが、他の2回はこんなパンケーキ生地ではありませんでした。
読者の方の話も総合すると、毎回パンケーキ生地のコンディションが、大きく異なるようです。
ですのでこの記事を読んで、店に行っても、こんなフルフルのパンケーキ生地が出て来る可能性は、かなり薄いと思われます。

願わくば、あなたにも天使の幸あれ。

茶香(ちゃか)
東京都足立区千住1-24-8
03-3870-2626

ちなみにこの店、コーヒーもなかなか味が良いです。

自分はコーヒーも好きなのですが、外でコーヒーを飲んで、95%以上の店は、まともにコーヒーを淹れられていません。
こだわりのコーヒーを前面に出していても、その実美味かった試しがありません。
恐らく大部分の人は、コーヒーなんてこんなものと、思い込んでいるかも知れませんね。
残念な事です。

その意味でも、この店のドリンクは、コーヒー(アイスはNG)にして頂けたらと思います。
自分が美味いと言っているコーヒーは、濃く、苦味もあるので、苦手な人は別のドリンクにして下さい。
美味いコーヒーは、苦味の奥に甘味があるんもんですけどね。

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2014年11月27日 (木)

翡翠碗 2014年09月に印象に残った料理

9月の印象に残った料理は、モロヘイヤビーツのスープ、翡翠碗です。
先月に続き、スープチョイスですね。
まあ、スープが美味い店は料理も美味い・・・と言う事で。

この店中国料理店です。
中国料理に限らず、日本料理でも、フランス料理でも、イタリア料理でも、タイ料理でも、ついでに韓国料理でも、スープは重要です。
単に、スープ料理に限らず、様々な料理の旨味を出す役割で、ダシ汁が使われます。

決して定番中華ではありませんが、日本で最もポピュラーな中国料理メニュー、麻婆豆腐でもダシ汁を使います。
牛肉のオイスターソース炒め(蚝油牛肉)とか、青椒肉絲なんかにも、旨味を出すため少しだけダシ汁を使います。
中国料理で、ダシ汁を使わない料理の方が、ずっと少ないくらいです。

日本では、中国料理に化学調味料を使うのが普通になっちゃってます。
中には、化学調味料を使わず、手間暇かけて取ったダシを、物足りないと切り捨てる人も少なくありません。
これは、化学調味料の弊害です。

化学調味料は旨味成分を凝縮させたものですから、理論上ロクにダシを取らなくても、料理が美味くなります。
単純に化学的に、グルタミン酸量を計測したらなら、化学調味料入りの方が旨味が強い事になるでしょう。

自分も少量だけ化学調味料を使われたなら、判別する事は難しいです。
しかし一定量以上の化学調味料が入った料理は、咥内が痺れて来て不快です。

咥内を痺れるさせるのは、化学調味料が神経の働きに変調を来たすからではないかと、言われています。
中国料理の食べ過ぎで起こる、動悸、めまい等で体に変調を来たして病院に運ばれる症状に、チャイニーズ・レストラン・シンドロームがあります。
チャイニーズ・レストラン・シンドロームは都市伝説と言う話が多いですが、そんな事はありません。
自分はチャイニーズ・レストラン・シンドロームにかかったことがあります。
化学調味料は旨味を凝縮させた夢の調味料のはずが、料理を単調で平板な味にし、咥内を痺れさせるなど、不快感しか催しません。
それ以上に、不自然な旨味は不快であるだけでなく、不味いです。

今や化学調味料に頼らずダシを取るには、質の良い食材を使い、時間をかけて調理しなければなりません。
千円以下で食べられる安価な料理に、化学調味料が多く使われるのは、その手間とコストをかけたくないが故です。
人間は、刺激の強い方に流されて行くものです。
化学調味料には、常用性があると言われています。

それでもなお、特定食品メーカーを儲けさせたいですか?

化学調味料は無味のはずなのですが、その旨味の強さ故、使用している食材の旨味を目立たなくしてしまい、どんな料理も化学調味料の味わいで平板になります。
化学調味料に慣れている人は、本当に美味いと言うのがどんなものか知らないでしょう。
様々な食材から出た旨味は、それぞれ混じりあったり、個々に主張しあったりします。
そして旨味も、時間差で響いてきます。
それら味の結合、ハーモニー、時間差で旨味が出て来る事で、複雑玄妙な味となります。
しかしここに化学調味料を入れた途端、食材が持つ自然な旨味が引っ込み、単なる一本調子な旨味にしかなりません。
不味い上に、つまらない味になります。

さてこの店、化学調味料を使わずダシを取っています。
そしてこのダシは、凄く複雑玄妙な美味さです。
前述の、味の結合、ハーモニー、時間差で旨味が出て来ます。

中国料理のダシ・・・それも高級ダシに上湯(シャン・タン)があります。
上湯のレシピは様々ありますが、丸鶏、金華火腿、干し貝柱、干し椎茸、干しキノコ、大根、白菜、ニンジン等から煮出します。
下処理から始めると、かなりの時間がかかります。
上手に上湯が取れたなら、ほとんどのラーメンのスープが負けてしまうくらい、凄い複雑玄妙な味わいになります。

この店ではここに、鰹節、昆布の和風ダシを加えています。
漢方薬を利かせた、中国料理のダシは、人によってとっつきにくい味ですが、漢方薬を使わず和風ダシを加えている事で分かりやすく、深味のある味わいになっています。

そんな素晴しいダシ汁に、モロヘイヤのペースト、角切りのビーツを加えています。
モロヘイヤの翡翠色は、中国では平和、若々しさ、繁栄の意味があります。
ビーツの赤色は、中国では結婚、吉祥、魔除けの意味があり、これが日本に入って来て、例えば神社の鳥居が赤く塗られるのも、魔よけの意味があります。

つまりは緑色と赤色・・・デザインの上では補色関係にありますが・・・中国ではめでたい色です。

めでたいだけでなく、味も素晴しい!!
モロヘイヤの苦味は出さず、ペーストにしてスープに溶いている事で、ネバネバも出していません。
青臭さの残るモロヘイヤの香りを、上手に引き出しています。
ビーツも柔らかく煮られています。
そして何より素晴しいのが、この絶品ダシ・・・






ちなみにどの料理も外れなく、良く考えられてすばらしい味わいです。
この店、器にも凝っていて、盛り付けも美しいです。



の弥七(のやしち)
東京都新宿区荒木町8 木村ビル1F
03-3226-7055

しょっちゅうメニューが変わるようですので、食べに行っても同じメニューが食べられるか分かりません。

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2014年10月13日 (月)

玉ネギのブラン・マンジェとスナップエンドウのスープ 2014年08月に印象に残った料理

8月の印象に残った料理は、玉ネギのブラン・マンジェとスナップエンドウのスープです。

こしがやのラーメンは、一度このブログで紹介していますし、ビリヤニだと先月に続いてしまいます。
と言う事で、このメニューをチョイスしました。

ブラン・マンジェってデザートでしょう?って思うかも知れませんが、牛乳や生クリームにココナッツやアーモンドの風味を加え、ゼラチンでトロトロに固めた料理。
ココナッツやアーモンドの風味ではなく、他の風味を付け甘く味付けしなければ、このようなアントレの料理になります。

玉ネギのブラン・マンジェ・・・玉ネギ風味のブラン・マンジェですね。
適度に火を通して、甘味も出した玉ネギ風味があります。
舌触りに玉ネギは感じませんので、潰した後、丁寧に裏ごししているんだと思います。
玉ネギ、ミルクとも食材自身の甘味はありますが、味付けは塩味です。
上の写真にありますが、スチームミルクと、茹でたエンドウ豆が添えられています。

そこに、エンドウ豆を漉したポタージュを後がけしたのが、下の写真です。
後がけに意味があるとは思えませんが。

玉ネギは、クセがない割に、他の食材のクセを緩和する働きがあります。
そして、玉ネギ自身に旨味があります。
エンドウ豆と、エンドウ豆ポタージュには特有の青臭さがあります。
豆には、それ自身に旨味があります。

玉ネギとエンドウ豆が、合わない訳もなく・・・いやとても美味いですね。
ポタージュ自身、そしてもしかするとブラン・マンジェにダシでも使っているのだろうか?旨味が強いです。

たかがブラン・マンジェ、たかがスープと思うならば、この料理の美味さは分からないでしょう。






ちなみにこの店、奇抜な盛り付けがウリ。
中には、まるで絵画か、彫刻のような料理もあります。



Le jeu de l'assiette(ル・ジュー・ドゥ・ラシエット)
東京都渋谷区恵比寿西2-17-5 サンビレッジ代官山2F
03-6415-5100

どうでも良いですが、ミシュランTokyo2013年1つ星を獲得しています。
しょっちゅうメニューが変わるようですので、食べに行っても同じメニューが食べられるか分かりません。

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2014年9月 7日 (日)

ハイデラバディ・ダム・マトン・ビリヤニ 2014年07月に印象に残った料理

7月の印象に残った料理は、ハイデラバディ・ダム・マトン・ビリヤニです。

ハイデラバディと言う事は、ハイデラバード風のビリヤニ。
奇しくも、次回の魅惑の南インド料理はハイデラバード料理を取り上げます。
と言う事で、しょっちゅう食べていますが、この料理を取り上げます。

後で書く、魅惑の南インド料理のハイデラバード料理の記述とかぶりますが、ハイデラバード市の誕生の物語は面白いです。

16-17世紀のゴールコンダ王国5代目の王、ムハンマド・クリー・クトゥブ・シャーは、チチェラムと言う村のあたりが豊かな緑に覆われ、首都に適していると考えました。
王が寵愛する踊り子、バーグマティーにこの新たに建設した首都をプレゼントし、名前にちなんで当初はバーグナガルと名付けました。
これに驚いたバーグマティーは、王の宗教であるイスラム教に改宗し、名前もハイダルに変わりました。
そのため王は、街の名前をバーグナガルから、ハイダルの街と言う意味の、ハイデラバートに改名しました。

イギリスの植民地戦争の際は、当時インドの大部分を支配したムガール帝国の1地方政権でした。
いち早くイギリスに組し、ニザーム藩国と呼ばれ、ムガール帝国の意には沿いませんでした。
領内から良質の宝石、ダイヤモンド、サファイヤ、エメラルド、ルビーが取れ、当時ニザーム藩国のマハラジャは、世界一の大金持ちでした。
ニザーム家の女たちは、体中金銀宝石をまとっていたとか、280カラットのジャコブダイアモンドを文鎮にしていたとか、嘘のような伝説がいくつもあります。

ビリヤニとは、インド料理の炊き込みごはんです。

ビリヤニの歴史は浅く、古い記録記録は19世紀。
ビリヤニは、現ラクナウあたりで誕生したのではないかと考えられますが、良く分かっていません。
ハイデラバードでのビリヤニの古い記録は、20世紀初頭。
世界一の金持ちのマハラジャが、金にいとまを付けず作らせた贅沢な料理が、このハイデラバディ・ダム・ビリヤニです。
そのためか、インド料理のビリヤニとしては、とりわけ有名です。

ハイデラバディ・ダム・マトン・ビリヤニのレシピは、
①バスマティ・ライスを炊く
②カレーを作る
③骨付きマトンをスパイシーに味付けしたヨーグルトに漬け込む
④バスマティ・ライス半分にカレー、骨付きマトン、テージバッタ、シナモン、クローブ、カルダモン等のホールスパイスを混ぜて炊く
ビリヤニを作っているインドの写真では、下から炭で炊き、鍋の上にも炭を置いて炊き込んでいます
日本の限られた厨房施設では、この調理法は無理で、日本では良く鍋をタンドールに入れて蒸し焼きにしたりしています

⑤プレーンのバスマティ・ライスと混ぜる

見た目は、人によってはチャーハンと変わらないじゃんと、言うかも知れません。
炊き上がったビリヤニは、まるでスパイスの虹が出ているかのような、多彩なスパイスの香りです。
様々なスパイスの香りを吸い込んで、スパイス好きは肺が喜びます。

カップに入った白い方は、ライタと言うヨーグルトサラダです。
ビリヤニにかけて食べます。
ごはんにヨーグルトって気持ち悪いと思うでしょうか?
とてもビリヤニに良く合います。

カレーのようなものも添えられていますが、ビリヤニを炊き込むときに出た汁を元に作られる、ミルチ・カ・サランです。
しかしこの店では、鶏肉を加え旨味を補強しています。
これもビリヤニにかけ、味の変化とスパイシーさを楽しみます。

お好みでレモンを絞り、酸味を足します。
マトンの臭み消しにもなります。



Andhra Kitchen(アーンドラ・キッチン)
東京都台東区上野3-20-2 水野ビルB1F
03-5818-6564

ハイデラバディ・ダム・マトン・ビリヤニは土曜のみの、スペシャルメニューです。
土曜に、このメニューを目当てに来る人が多く、19時前には売り切れます。
予め電話で予約するか、早めの来店をオススメします。

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2014年8月 3日 (日)

メンチカツレツ 2014年06月に印象に残った料理

6月の印象に残った料理は、メンチカツレツです。

メンチカツは、弁当なんかに入っているものですし、とんかつ屋では廉価なメニューです。
同時に、洋食屋のメニューでもあります。

日本の洋食は、19世紀末のフランス料理が日本人向けに、ごはんと合うように姿を変えた、日本独自の料理スタイルです。
洋食は世界中のどこにもない、オリジナルの料理なんですが、これを日本料理とすると、多くの日本人は首をかしげるのでしょうね(笑)。
ウィキベディア英語版のJapanese Cisineの項目には、日本料理の1種として「Yōshoku - Foreign (Western) food, dishes」と言う項目があります。
要約すると「1886年の日本の開国以降、西洋から日本に料理が入って来た。現在は日本の家庭料理に不可欠な料理となっている。ごはんと味噌汁、箸で食べられる。」
洋食は、広義の日本料理(日本でのみ食べられている日本オリジナルの料理)の一部なのです。

例えばとんかつは、19世紀末のフランス料理がルーツですが、メンチカツはそこから派生したものです。
メンチカツのルーツの店は分かっていませんが、大正期の街場の肉屋がコロッケと共に、庶民のおかずとして作っていたと考えられています。
その後、多くの洋食屋が自店のメニューに、メンチカツを取り入れました。
これは、大衆料理が当時高級料理だった洋食に取り入れられた、稀有の例です。
ある意味、メンチカツが料理として優れていたからでしょう。

一般にメンチカツと言うと、高級メニューと言うイメージはないでしょう。
ハンバーグには2千円以上出していいと言う人でも、メンチカツだと何でそんなに高いの?と言う人が多いでしょう。
これ全て、肉屋のテイクアウトや弁当に入っているもの、そしていい加減に作るとんかつ屋が多い事から、メンチカツのイメージが悪い事に起因しています。

肉屋のメンチカツも、とんかつ屋のメンチカツも、大量に出る端肉の処分として作ります。
肉屋で揚げ立てを買ったところで、家に持って帰って食べたのでは、美味さは1/10です。
安く出すため、値段の安い質の悪い油を使い続けますので、風味は悪く、かつ古い油は体にも悪いです。

とんかつ屋は揚げ物のプロ・・・だなんて思ってはいけません。
自分の知る限り、9割以上のとんかつ屋も、上記肉屋と変わらず、質の悪い油を酸化して臭味が出るまで使い続けています。
その9割以上のとんかつ屋は、美味いとんかつを出す事が出来ません。
美味いとんかつとは何か・・・と考えた職人が、果たして何人いるでしょう?
何の考えもなく、漠然と衣をつけて揚げているのみです。

知る限り、そこそこ美味しいメンチカツを出せるとんかつ屋さえ稀で、大部分のとんかつ屋のメンチカツは不味いです。

さて洋食屋のメンチカツです。
多くの店では、メンチカツの種はハンバーグと同じ。
良く、メンチカツとハンバーグの値段が一緒なのを怒る人がいますが、それは上記から不当である事が分かるでしょう。
多くの洋食屋では、小判型に整形したメンチカツの種を、薄く小麦粉、溶き卵、そして振るったパン粉をつけて揚げます。

揚げ物の、パン粉の意味は肉汁の流出を防ぐためです。
カリカリさせるためではありません。
ましてやメンチカツもとんかつも、粗いパン粉をつけて、カリカリとした食感にするなど言語道断、本末転倒。
それでは、種の味わいより、衣の食感が目立つではありませんか。
ウルトラセブンより目立つカプセル怪獣ミクラス、モスラより目立つザ・ピーナッツ、水戸黄門より目立つうっかり八兵衛ってなもんです。

そして洋食屋である最大の武器、美味いデミグラスソースをかけて食べます。

恐らく多くの人は、メンチカツにとんかつソースをかけて食べているでしょうが、化学調味料、着色料、添加物満載のメーカー品のとんかつソースをかけても、メンチカツが不味くなるだけです。
例えばユニオンソースとか、サフランソースとか、良質のソースを作るメーカーもありますので、そのソースなら良いですが。

しかし19世紀フランス料理の万能ソース、ソース・デミ・グラスから派生した、日本の洋食屋のデミグラスソースには遠く及びません。
その辺のどうでも良い店で食べるデミグラスソースは、そんなに美味くないでしょう?
しかし、ごく一部の真面目に料理する洋食屋のデミグラスソースは、その辺のフランス料理店の追従を許さない、コクと深味のある絶品ソースです。



この店のメンチカツは、厚目の小判型に整形され、振るった細か目のパン粉を付けて揚げています。
肉汁溢れるものではないですが、メンチカツの種の味付け良く、美味いです。
良く街場の肉屋は、過剰にメンチカツの種に脂肪を混ぜて、肉汁が出ているように勘違いさせているのです。
この店では、そんなごまかしはしていません。
あたり前ですが、常に揚げ立てのメンチカツが出てきます。
これが重要なところです。
これは冷めても美味しいメニュではありません。
弁当で食べるなど、論外です。

丁寧に肉や野菜のダシ、赤ワインを煮詰めて、濾(こ)して作ったデミグラスソース。
この店では多くの洋食屋がするように、粉スープを使ったり、市販品のデミグラスソースを混ぜたりしていません。
昔ながらに丁寧に作っています。
またインパクトを出すために、牛脂を混ぜたりもしていません。

コクがあるのに、アッサリすっきりした味わいです。

弁当に入っているメンチカツやとんかつ屋のメンチカツとは、次元の違う味を是非味わって欲しいものです。



edoya(エドヤ)
東京都港区麻布十番2-12-8
03-3452-2922

この店では他に、ハヤシライスとビーフシチューを食べた事がありますが、いずれも美味かったです。
特にビーフシチューは、3,000円以上と高価(すいません、現在の価格よく分かりませんでした)ですが、至福の逸品です。


魅惑の南インド料理は、来週に更新予定です。
もしかすると、忙しくてごめんなさいする可能性もありますけど(笑)。

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2014年7月 6日 (日)

スクティ 2014年05月に印象に残った料理

5月の印象に残った料理は、スクティ。

かのサイトの読者ならいざ知らず、このブログしか見ない方は、スクティって何?でしょう。
一般的日本人が、ネパール料理に詳しくはないでしょうから、無理もありません。

都内でインド料理として営業している店で、厨房には多くのネパール人がいると言われています。
店によっては、インド料理、ネパール料理と名打っても、ネパール料理を知らない日本人客は、ナンとカレーを注文して、本格的ネパール料理とか言って食べています。

インド人はめったにナンを食べませんし、ネパール人に至っては、インド人以上にナンを食べません。
ネパールにもナンがないではありませんが、カトマンズのような都市で、外出時にいつもと違う食事として食べるそうです。
国土の大部分が山地で、交通インフラもそれほど整備されていないネパール。
国土の大部分が、いわゆる僻地です。
田舎で暮らす人は、もしかすると一生ナンは口にしないかも知れません。

インド料理、ネパール料理と名打っている店でも、ネパール料理があまりない(または全くない)店があります。
大部分はカレーとタンドールで焼いた焼き立てナン、セットメニューで作り置きのタンドリーチキンやシシカバブなんかのセットを安い値段で出していて、ネパールでも毎日ナンとカレーを食べていると勘違いされてもい、仕方ありません。

しかし都内では現在、本格的ネパール料理が食べられる店が、およそ50軒くらいあります。
何をもって本格的ネパール料理とするか・・・ネパール人が毎日朝晩食べる定食、ダル・バートがある店ですね。
ダル・バートとは何かについては、拙著を確認下さい。

ダル・バートに次いでポピュラー(であるべき)なネパール料理が小籠包のようなモモ、その次くらいがスクティでしょうか?

スクティはネパール料理の干し肉、または干し肉をスパイシーに味付けした料理です。
スクティは英語でマトンジャーキーと書かれますが、スクティはマトンばかりでなく、さまざまな肉、豚肉や牛肉、ネパールで使役に使われるヤクの肉なんかでも作られます。

物事の価値観は1つではありません。
価値観を歩み寄れば、新しい世界が見えて来ます

日本では、柔らかい肉が好まれますが、ネパールでは肉は固ければ固い程良いとされます。
スクティは、肉がかなり固くなるほど干されます。
都内のとあるネパール料理店では、スクティを注文したら、あまりに固いため包丁が通らず、金槌で叩いて出して来た事がありました(苦笑)。

恐らくスクティの市販品もあるとは思いますが、都内のスクティを出すネパール料理店では店で自作しています。
そしてこの店も、店でスクティを自作しています。
オープンキッチンの奥を覗くと、ロープに干したマトンがぶら下がっていて、これが食材としてのスクティ。

調理しているのは、マガル族の青年。
ネパール料理の名店、サンサールで修業したそうで、料理名人のウルミラさん(サンサール店主)仕込み。
味付けも、ウルミラさんの味にかなり近いです。

この店は真面目な店で、焼いて作り置く事が多いタンドリーチキン(タンドリーチキンはインド料理ですが)も、注文を受けてから、味付けしたなまの鶏を焼きます。
料理としての、スクティも注文を受けてから作ります。
当たり前と言えば、当たり前なのですが。

この料理としてのスクティは、玉ネギ、トマトを入れ、スパイシーに味付けして炒めています。
ネパールではスクティは、ビールを始めとする酒に合うとされています。



Himalaya Table(ヒマラヤ・テーブル)
東京都千代田区内神田3-5-5 大同ビル2F 
03-3525-4110

ちなみにサンサールの味に近いので、何を食べても外れなく美味いです。

下の写真の左上がチャタモリと言う、米粉のお好み焼きいのようなもの。
左下がウォーと言う豆粉のお好み焼きいのようなもの。
右上がチョエラと言う、鶏を焼いたのをスパイシーに味付けして炒めたもの。
右下が、ダル・バート。



この店のウリが、もうひとつ・・・
現在日本では、ドラフトビールブームです。
都内に、生のドラフトビールが飲める店は100軒以上。
瓶や缶のドラフトビールが飲める店なら、恐らく数百軒以上あります。
この店では、大メーカー品のものとはひと味違う、日本のメーカーの、複雑な味と香りがする美味い生のドラフトビールが楽しめます。

こちらは、ある日のラインナップ。



興味深いドラフトビールが飲める店は、料理がイマイチである事が多いですが、この店は料理も美味い、ビール好きにはたまらない店です。

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2014年5月31日 (土)

香り鶏の丸揚げ・皮パリパリ仕立て 2014年04月に印象に残った料理

4月の印象に残った料理は、香り鶏の丸揚げ・皮パリパリ仕立てです。

外国料理を理解するには、その国の言葉を理解する必要があります。
香り鶏の丸揚げ・皮パリパリ仕立て・・・では、どんな料理だか分かりません。
鶏のから揚げでしょう・・・と愚かな勘違いをしそうです。

この店のメニューに書かれた中国語料理名、當紅脆皮炸子香鶏。
しかしこの料理名を調べても、何も分かりませんでしたが、漢字にはいくつかのキーワードがあります。
脆皮は、表面をパリッと仕上げる調理法。
炸は、揚げる。
子香鶏・・・子鶏なら若鳥なんですけどね、香と入るのは、特別な育て方をした鶏と言う事でしょうか?

実はこの料理は、ポピュラーな広東料理。
一般的な呼び名は、脆皮炸子鶏(ツィー・ピー・ザー・ズー・ジー)。
福臨門酒家のスペシャリティで、福臨門酒家では脆皮炸子雞(ツィ・ピー・ザー・ズー・ジー)と書きます。

鶏肉に下味をつけ、1日陰干しした後、油をかけて表面をパリッとさせます。
最初は温度の低い油で鶏肉の中心に火を通し、徐々に油の温度を上げて、最後には鶏皮がきれいなキツネ色になり、パリッとします。
表面の鶏皮はパリパリに、鶏肉はしっとりジューシー。

自分はかつて、現在のミシュラン2つ星、香港の九龍にある香宮(シャン・パレス)で食べた事があります。

しかし手間と時間がかかる割に鶏肉と言う事もあり、残念ながら日本でこの料理を出してくれる店はなかなかないのです。

そしてこの料理、写真を見て頂ければ分かりますが、美しい仕上がりでしょう?
見ての通り、鶏の仕上がりは、表面の皮がパリパリ。
鶏への火の通し方は難しいのですが、それは残念ながら少し生っぽかったです。
個人的には、何も付けずに食べられる下味をつけて欲しかったですね。

予約しなければ食べられませんが、それでも日本でこの料理が食べられる日が来るとは・・・

鶏の胸肉は火が通りやすく、すぐにパサパサします。
この店では、薄葉餅に包んで、出してくれます。
これは、鶏の胸肉の難点をカバーした、うまいやり方だと思います。

當紅脆皮炸子香鶏自体には、あまり味がついていないので、塩胡椒、レモン塩、A1ソースをつけて食べます。

しかしこの店、本当のスペシャリティは、焼売。
たかが焼売でしょう?とナメてかかると、凄いのが出て来て驚かされますよ。



喜臨軒(キリンケン)
東京都世田谷区池尻3-2-5 コンフィアンス流来B1F
03-5787-6982

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2014年4月29日 (火)

猪のゼリー寄せ・シヴェ風・セロリのシャンティーとラール 2014年03月に印象に残った料理

3月も、思うように食べ歩きが出来ませんでしたが、その中から選んだのは、猪のゼリー寄せ・シヴェ風・セロリのシャンティーとラールです。

帝国ホテルのメインダイニング、レ・セゾン。
帝国ホテルは数々の名シェフを輩出しましたが、2005年にリニューアル、フランス北部、シャンパーニュ地方ランスの3つ星レストラン、Chateau Les Crayeres(シャトー・レ・クレイエール)のシェフ、ティエリー・ヴォワザンを料理長に迎えました。
そのせいかどうか、食べログは4.40の高評価、ミシュラン・トーキョー2008年度版から現在まで、1つ星を獲得しています。
そんな世評など、どうでも良いでしょう。

料理とは、食材を調理によって活かすもの。
ネームバリューで食べるものではありません。
しかしこの料理で、ティエリー・ヴォワザンの非凡さを感じました。

イノシシは、フランス料理秋の美食、野生の動物の料理、ジビエ料理の食材の1つです。
イノシシは雑食動物で、成獣は肉にかなりのクセがありますが、幼い頃にはクセが少なく好まれています。
この料理に使っているのは仔イノシシ・・・マルカッサンではないかと思われます。

ゼリー寄せ・・・ジュレは、イノシシのゼラチン質を活かしたのでしょう。

シヴェとは、ジビエ料理でポピュラーな調理法。
食材を赤ワインで煮込み、血を入れて煮汁をつなぐ調理法です。

血にビックリするかも知れませんが、フランス料理では血を珍重し、料理にも使います。
代表的なものとして、豚の血入りソーセージ、ブーダン・ノワールとか、元ミシュラン3つ星レストラン(現在は1つ星)、トゥールダルジャンの名物幼鴨のローストは、鴨の血をソースに入れます。

つまりこの料理名で、イノシシを赤ワイン煮込みして、ゼリー寄せしたものだと思います。
血が入っているかどうか、味からは分かりませんでしたけどね。

上の黄色いソースは、玉子、酢、油、マスタード、パセリと言ったところでしょうか?
玉子、酢、油・・・ようはソース・マヨネーズです。

ソース代わりに皿には、オリーブオイルを散らしています。

この料理は、パン・ド・カンパーニュが出され、これをパン・ド・カンパーニュに乗せて食べます。
イノシシとマスタード・マヨネーズ・・・つまり高級なサンドイッチ。

イノシシは柔らかく煮られ、ジュレも柔らかく、パン・ド・カンパーニュとよく合います。
単体で食べると、そんなに凄さを感じないのに。パン・ド・カンパーニュと合うのが不思議です。

セロリと書いているのは、セロリの近縁種で、根セロリ、セロリ・ラヴと言われるものです。
シャンンティは本来ホイップクリームの事ですが、この場合茹でて裏ごしした根セロリに生クリームを加え、ホイップしたのでしょう。
これまたパン・ド・てに乗せて食べると。よく合います。

薄くカットして揚げた根セロリ、カリカリに焼いたラール(本来は豚の脂肪だがここではバラ肉)が、食感のアクセントになっています。

料理とは、食材を調理によって活かすもの。
そしてこの料理は、まさにその通りの味でした。




Les Saisons(レ・セゾン)
東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル東京 本館 中2F
03-3539-8087

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