A105.魅惑のコーヒー

2015年3月 7日 (土)

魅惑のコーヒー

 今月は予定を変えて、今ブームと言われているコーヒーを取り上げたいと思います。

 自分は1970年代終わり頃、高校時代にコーヒーに目覚めて以来、自分でもカリタを購入して、ほぼ毎日数杯飲んでいた事もありました。
 1980年代から、1990年代にかけ、都内のコーヒーが美味いと言う店巡りをした事もありましたね。

 かのサイトでも、コーヒーのコメントを書く事がありますが、星がつく事が珍しいと言うのは、気付かれてましたでしょうか?

 コーヒーを飲んだ事がない人はいないでしょうが、良くコーヒーの違いが分からないと言うのを聞きます。
 その理由は簡単で、コーヒーの違いが良く出るように、上手に淹れたコーヒーを飲んだ事がない・・・つまり美味いコーヒーを飲んだ事がないからです。

 缶コーヒーは言うに及ばず、マクドナルド、ドトール、ヴェローチェ、カフェ・ド・クリエ、セブンイレブン、ロッテリア、モスバーガー、バーガーキング、ルノアール等、どれも美味いコーヒーなんて出て来ません。

 かつての会社の同僚で、いつもスターバックスのコーヒーをテイクアウトして、自分はコーヒーにはうるさいと豪語している人がいました。
 あり得ませんね。
 スターバックスはコーヒーチェーンの中では、まだマシな方ですが、それでもコンディションが良くとも美味いコーヒーは淹れられません。
 ましてや、すぐに味や香りが劣化するコーヒー、テイクアウトして時間をかけて飲んで、どこがコーヒーにこだわっているのでしょうか?

 恐らく7-8割の方は、美味いコーヒーを飲んだ事がないんじゃないかと思います。

 以下、長い文章になりますが、コーヒーの魅力についてポイントを書きました。
 世の中、美味けりゃいいんだよ!・・・と言う人は良くいますが、美味いか不味いかは、何かを基準にして判断する事です。
 コーヒーの事を何も知らないで、美味いか不味いか判断出来る訳がありません。
 これはコーヒーに限らず、料理にも言える事ですけどね。



コーヒー第3の波について

 これはアメリカの視点ではありますが、現在コーヒー第3の波が来ていると言われています。

 第1の波(19世紀後半~1960年代初頭)

  コーヒー豆の大量生産
  包装技術の進化による流通の革新
  店舗ばかりでなく家庭で手軽にコーヒーを淹れられるようになった

 第2の波(1960年代初頭~1990年代)

  大手コーヒーチェーンのグローバル化
  マシンによる作業の合理化(コーヒーの質の均一、熟練不要)
  カフェラテ、カプチーノ等の嗜好の多様化に対応

 第3の波(2002年~)

  コーヒー産地の品質向上
  コーヒー産地と直接取引
  小規模焙煎(マイクロ・ロースティング)
  ネルドリップ、またはペーパードリップ等手動で抽出(ドリップの熟練が必要)
  ストレートで飲む

 最近話題のブルーボトルコーヒーが、第3の波の旗手の1つです。



コーヒーの代表的な淹れ方

 一説によると100種類以上あるとの話しもありますが、日本で飲むのが可能な、代表的方式を例として挙げます。

 ・パーコレータ
 ・ネルドリップ
 ・ペーパードリップ
 ・サイフォン
 ・ウォータードリップ(水出し)
 ・エスプレッソマシン
 ・マキネッタ
 ・ジェズヴェ
 ・ボイル
 ・コーヒープレス



コーヒーの淹れ方比較

 もし美味いコーヒーが飲みたいなら、ネルドリップかペーパードリップの店に行くべきです。
 他の淹れ方では、どんなに上手に淹れても、ネルドリップかペーパードリップには敵(かな)いません。

 コーヒーの味と香りを左右するのは、蒸らし・・・コーヒー豆を湯で湿らせ、味と香りを凝縮させる行為です。
 完璧な蒸らしを出来るのが、ネルドリップかペーパードリップと言う訳です。

 コーヒーは淹れると、時間と共に味、香りが劣化して行きますので、缶コーヒーが美味いはずはありません。
 スターバックス、マクドナルド、ドトール、ヴェローチェ、カフェ・ド・クリエ、セブンイレブン、ロッテリア、モスバーガー、バーガーキング等、コーヒーを淹れるマシンでは、今のところ美味いコーヒーにはなりません。
 ルノアールや上島珈琲では、ドリップしている事もあるようですが、奇妙な事に美味いコーヒーに出合った事がありません。

 コーヒーは人間が淹れた場合、コーヒー豆のコンディションによって、湯の量をコントロールしながら淹れられます。
 たまに判断をミスると、満足の行くコーヒーとはなりませんが、どんなコンディションでも一様にしか淹れられないマシンに比べれば、高い確率で美味いコーヒーが飲める確率が高くなります。
 マシンの場合、淹れてすぐに飲めれば多少は良いのですが、味と香りがすぐに劣化するので、保温して5分以上立ったら、もうただの苦いお湯に過ぎません。
 購入してから1週間も経つと、挽いたコーヒー豆はかなり劣化します。

 コーヒーを淹れるのが下手(それとも理にかなっていない淹れ方をする)人なら、上記の店より劣るネルドリップやペーパードリップをするかも知れませんけどね(笑)。

 以前、サイフォンで淹れるこだわりのコーヒーをウリにする店がありましたが、サイフォンは淹れたコーヒーが落ちて、アルコールランプで再加熱されるため、味も香りも飛んでしまいます。
 サイフォンで、こだわりのコーヒーなどあり得ません。

 コーヒープレスは、コーヒー第3の波と共に広まった淹れ方ですね。
 東京でも、たまにコーヒープレスで出す店があります。
 コーヒーのもつ風味、特にコーヒーオイルが出るのが良い点とされていますが、アクや不純物、エグミが出、濃く淹れると粉っぽくなりやすいです。
 店で飲むと、粉っぽさを嫌うためか、薄く入れる事が多いですね。
 コーヒー本来の味を味わい分けたいなら、ある程度濃く淹れる必要がありますので、薄く淹れるなんて本末転倒です。
 また自分の感覚的なところですが、不純物のせいなのか、同じ豆で、同量使用した場合だと、ネルドリップやペーパードリップと比べ味が悪いように感じます。

 コーヒーの淹れ方をメガネでものを見るのに例えると、ネルドリップやペーパードリップは自分に最も合うレンズ、コーヒープレスはレンズにドナルドダックの絵を書いたもの、サイフォンやコーヒーを淹れるマシンははレンズがすりガラス、缶コーヒーはアイマスクをした状態・・・と言う感じでしょうか?

 ウォータードリップとかエスプレッソコーヒーは、ネルドリップやペーパードリップと、淹れ方(コーヒーのコンセプト)が全く異なるため、比較から除外します。



コーヒーの挽き方比較

 大まかに、以下の5段階分類されています。
 ほとんどのミルは、挽き方をもっと細かく設定することが可能です。

 極細挽き エスプレッソ
 細挽き  サイフォン、エスプレッソ
 中挽き  ペーパードリップ、コーヒーメーカー
 荒挽き  コーヒーメーカー、ネルドリップ、コーヒープレス
 極荒挽き ウォータードリップ、パーコレータ、コーヒープレス



美味いコーヒーの淹れ方

 ネルドリップ、ペーパードリップの美味い淹れ方を以下に記します。
 ちなみに自分、ネルドリップでは淹れた事がありませんが、毎回の洗濯が面倒と言う事以外、淹れ方はペーパードリップと一緒だと聞いています。

 中程度に挽いたコーヒーをフィルタに入れる。
 1回目のお湯は、コーヒーに湯の注ぎ口を近づけ、コーヒーが湿る程度の量、「の」の字を書いて湯を注いで30秒待つ(蒸らし)。
 「の」の字を書いて、フィルタ全体に行き渡るよう、何回かに分け湯を注ぐ。
 コーヒー豆がフレッシュで、コーヒーの蒸らしが上手に行くと、湯を注いだ時にコーヒーに二酸化炭素が発生して膨らむ。
 湯はコーヒーの雑味を出さないため、コーヒーが半分くらい落ちたタイミングで継ぎ足す。
 最後はコーヒーの雑味を出さないため、湯が2割くらい残ったところで、ドリッパーを外す。

 どんなにコーヒーを淹れる技術が優れていても、コーヒー豆がダメなら、美味いコーヒーにはなりません。
 逆な言い方をすると、コーヒーを淹れる名人が、質の高いコーヒー豆を使ったなら、とんでもなく美味いコーヒーになります。



スペシャルティ・コーヒーとは?

 1978年、アメリカのクヌッセン・コーヒーのエルナ・クヌッセン女史が、フランスでのコーヒー国際会議で「特別な気象・地理的条件がユニークな(特別な)香気を有するコーヒーを生む」と言い、それをスペシャルティ・コーヒーと呼んだのが始まりとされています。
 スペシャルティ・コーヒーの国際的な定義は、未だありませんが、大まかには以下のことが言えます。

 生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない事。
 (日本スペシャルティコーヒー協会より引用)
 結果として産地の生豆の性格、製造方法がより素直にコーヒーに出ます。

 上記の定義からすると、スペシャルティ・コーヒーはブレンドでも良い訳ですが、産地の生豆の性格、製造方法の違いをコーヒーで味わうには、産地(特に農場)単一品種のストレートコーヒーの方が、分かりやすいです。

 コーヒーの種から生育を通し、栽培、収穫、生産、流通、保管、(焙煎)までの、プロセスの3原則と言うのがあります。

 ・品質 … 地理、気候の自然条件、栽培、収穫、生産が優れている
 ・情報 … 生産履歴情報の追跡(トレーサビリティ)が可能である事
 ・持続可能性 … 環境、社会、経済において、上記の事が持続して守られる事

 これによって、高品質コーヒーであると信頼出来るのです。



コーヒーの味と香りの特徴

 上手にコーヒーが淹れられたら、それはもう虹色の様々なフレーバーがします。

 代表的な要素として、以下のポイントがあります。

 ・苦味
 ・酸味
 ・甘味
 ・コク
 ・キレ(風味)

 しかし良くコーヒーの表現として、一例として以下の表現が使われます。

 リンゴ、アンズ、バスマティ・ライス、クロスグリ、バター、キャラメル、針葉樹、クローブ、コーヒーの花(自分は嗅いだ事がない!)、コーヒー果実の外皮(知らんわ!)、焼いた牛肉、コリアンダー・シード、キュウリ、チョコレート、土、グリーン・ピース、ハチミツ、なめし皮、レモン、麦芽、メープル・シロップ、消毒液、胡椒、煙草、ジャガイモ、生ゴム、アーモンド、ロースト香、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、煙、麦わら、トースト、ヴァニラ、クルミ、ネギ、獣臭、ジャコウ、灰、麻、藁、ブラウン・シュガー、ブラック・ベリー、ラズベリー、イチゴ、酢酸、木材、シナモン、シトラス、ライム、レモン、エタノール、紙、干し草、馬、山羊、腐葉土、灯油、マッシュルーム、、松脂、タール、ワイン、イースト等

 ワインのテイスティングを学んだ人なら分かりますが、ほぼ同様の表現です。



代表的コーヒー品種

 コーヒーの3大原種と言うのがあり、アラビカ、ロブスタ、リベリカと言うコーヒーの木です。
 各々の木から突然変異や品種改良で、様々に品種が分かれています。
 一説によると、150品種くらいあるそうですが、その半分も流通していないのではないでしょうか?
 コーヒー銘柄名との混同を避けるため、くどいですが品種名には「種」を付けます。

 ■アラビカ種
 原種は、エチオピア中部から西部の標高1000mから2500mの山岳地帯に自生する品種。
 18世紀頃に発見され、紅海対岸のイエメンに持ち込まれた際、アラビカと名付けた。
 商用ベースで流通するアラビカ種は、野生種ではなく、栽培種。
 3大原種の中で、酸味や甘味、コクが優れて味も香りも良いため、世界の流通量の80%前後。
 質の高さから、高級コーヒーは、アラビカ種と、派生型、変異型のコーヒーの木からのみです。
 ・ティピカ種
 アラビカ2大品種の1つ。
 中南米で変異したと考えられます。
 香り良く、適度な酸味と甘みがあり品質が高い反面、害虫や病気に弱く、栽培が難しいです。
 ブラジルで発見されたが、コロンビアの土壌の方が相性が良く、現在のコロンビアの高級コーヒーの主力品種。
 ・モカ種
 アラビカ種起源と考えられているが、イエメンとエチオピの紅海両岸で生産されるコーヒー。
 現地自生のコーヒーの木との交配種と考えられ、正しく品種名としてのモカ種は存在しないが、便宜上モカとして流通しているのをモカ種と呼んでいます。
 そのため、生産地によって味が異なります。
 苦味より、酸味が強く、甘味もある繊細な味と香りがします。
 ・ブルーマウンテン種
 ジャマイカに持ち込まれて変化したアラビカ種。
 主にブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの限られた地域で栽培されますが、自分の知る限りこの品種は、ニューギニアでも栽培されていたはず。
 香り良く、コク、旨味、苦味、酸味、甘味とバランスがが良いそうです。
 日本のブルーマウンテンブレンドの流通量は、ジャマイカの10倍以上という時期がありました。
 ブルーマウンテンブレンドに、5%もブルーマウンテンが含まれていたのかどうか・・・
 ブルーマウンテンブレンドしか飲んだ事のない自分は、語る資格がないと思います。
 ・コナ種
 ハワイ島の西側のコナ地区に持ち込まれたアラビカ種。
 人工的に香りを付ける前のコナ種は、爽やかな酸味とバランスの取れた甘味、コクがあるそうですが、人工的に香りを付けたものしか自分は飲んだ事がありません。
 ハワイでのコナ種の生産が減少しているため、近年は高価だそうです。
 ・ケント種
 インドのカルナータカ州の品種で、1920年ケント氏が発見しました。
 ティピカ種と他の品種の雑種と言われています。
 サビ病への耐性が強く、生産性が高いと言われています。
 自分は飲んだ事がありません。
 ・マラゴジッペ種
 1870年にブラジル・バイーア州マラゴジッペ市で発見された、ティピカ種の突然変異品種。
 非常に大粒の果実・種子ですが、樹一本あたりでは、生産性が低いそうです。
 ティピカ種やブルボン種より大味で質が劣ると考えられています。
 自分は飲んだのは、フルーティでスパイシーさもあり、そんなに劣るとは思いませんでした。
 ・パカマラ種
 エルサルバドルにて栽培されている、マラゴジッペ種の変異種で、一説によるとブルボン種の突然変異種、パカス種と掛け合わせたものだとか。
 マラゴジッペ種同様、1本の木からの収量は多くありません
 酸味、甘味、コクもあり、バランスが取れた味です。
 ・スマトラ種
 インドネシアのスマトラ島で栽培される、生産量は少ないが高品質なアラビカ種。
 代表品種マンデリン。
 苦味とコクがあり、酸味は少なく、甘味は穏やかで、酸味が苦手な人には良い品種ですね。
 ・ブルボン種
 アラビカ2大品種の1つ。
 アフリカで誕生したアラビカ種が、イエメンを経てマダカスカル近くのインド洋のブルボン島で栽培され、変化した種です。
 ティピカ種の変異種との説もありますが、上図の通り、自分的にはティピカ種の変異種ではない説を採用しています。
 病気や自然環境に弱い上、隔年しか良いコーヒーを収穫できない、非常に生産性が低い品種ですが、反面高品質です。
 ブラジルを始めとする南米、中米でスペシャルティ・コーヒーとして栽培されています。
 コクがあり、苦味、酸味、甘味のバランス良く、香りも高いです。
 ・カトゥーラ種
 1915年ごろブラジルのミナスジェライス州で発見された、ブルボン種の変異種。
 ブルボン種と同様、隔年しか良いコーヒーを収穫できませんが、ブルボン種より直射日光やさび病に強く、木も小型で収穫性はより高いです。
 ブラジルには合いませんでしたが、中南米の気候には合い、品質が高く、収量も多いため、スペシャルティ・コーヒーとして栽培されています。
 一般論として、ブルボン種に比べ、苦味が強く大味とされますが、自分が飲んだ感じではそれほどの違いは感じませんね。
 ・ムンド・ノーボ種
 1943年にブラジルのサンパウロ州(旧ノーボ・ムンド)で発見された、ブルボン種とスマトラ種が自然交雑した品種。
 害虫や病気に強く、樹高はあるものの生産性は高いんだそうです。
 ブルボン種より渋みが強いと言われていますが、苦味、コク、酸味、甘味のバランス良く、飲んでみる価値があります。
 ・カツアイ種
 ムンド・ノーボ種とカトゥーラ種を交配させ、1949年に開発されたムンド・ノーボ種の特徴を持ちつつ、自然や病虫害に強く、低木で収量の高い品種。
 中南米で広く栽培され、重たい味で、雑味が強いとされる。
 自分が飲んだ感じでは、コクや苦味、酸味がありますが、甘味はあまり感じませんでした。
 薄く淹れると印象の薄い味になり、普通に濃く淹れると、粗っぽい味になるような気がします。
 ・パーカス種
 1950年代にエル・サルバドルで発見され、農園主パーカス氏の生産で有名になった、ブルボン亜種の変異種。
 ブルボン種と比べ低木で、種子が大きく、収量が高いと言われています。
 高地産は品質が高いとされ、ブルボン種と比べ、酸味、甘味が強いように思います。

 ■ロブスタ種
 19世紀末に、アフリカ東北部、ヴィクトリア湖付近で発見されました。
 カネフォラ種とも言います。
 世界の流通量20%未満と言われ、特に生産量世界2位のベトナムの主力品種です。
 渋み、苦味が強く、酸味や甘味が少ない事から、ブレンドに使われたり、深煎りされたりする事が多いです。
 私見では、香りも複雑でなく、単調な味と言う印象ですね。
 ・バリエダ・コロンビア種
 コロンビアにおけるロブスタ種の突然変異で、病気耐性が非常に高いため、生産性が高い。
 一時コロンビアで盛んに栽培されたが、元々コロンビアで作られていた質の高いアラビカ種と比べ、味も香りも劣ったため、国際的評価が下がり、注文も激減。
 自分はこの品種を飲んだ事がありません。
 ・ウガンダ種
 ロブスタ種で有名な品種ですが、自分は飲んだ事がありません。
 売っているのは見た事ありますが、ロブスタ種なのか、アラビカ種なのか不明でした。
 一般論としては、ロブスタ種の中でも、味わいがマイルドと言われています。

 ■リベリカ種
 19世紀末に、アフリカ西部リベリアで発見されました。
 酸味が極端に少なく、苦味が強く、味も香りも劣ります。
 世界の流通量1%以下と言われています。



代表的コーヒー生産国

 代表的コーヒー生産国を記します。
 たくさん書きましたが、これでも全てではありません。
 一般論としての特徴も書こうかと思いましたが、あまりに多く、キリがないのでやめました(苦笑)。
 以下の半分ほどは、飲んだ事のない生産国です。
 ちなみに、コーヒーの生産農場、精製方式やローストによって、同じ産地でも全く違った味や香りになります。
 コーヒー製法は、後述します。

 ■南米
 ・ブラジル
 ・コロンビア
 ・アルゼンチン
 ・ベネズエラ
 ・スリナム
 ・パラグアイ
 ・エクアドル
 ・ボリビア
 ・ガイアナ
 ・チリ
 ■中米
 ・メキシコ
 ・コスタリカ
 ・ニカラグア
 ・グアテマラ
 ・サルバドル(エルサルバドル)
 ・ホンジュラス
 ・パナマ
 ・キューバ
 ・ドミニカ
 ・ブルーマウンテン(ジャマイカ)
 ■太平洋
 ・ハワイ・コナ(アメリカ)
 ・ニューカレドニア
 ・オーストラリア
 ・パプアニューギニア
 ・東ティモール
 ・マンデリン(インドネシア)
 ・トラジャ(インドネシア)
 ・スマトラ(インドネシア)
 ・ジャワ(インドネシア)
 ・ジャバロブスタ(インドネシア)
 ・マレーシア
 ・ベトナムロブスタ(ベトナム)
 ・小笠原コーヒー(日本)
 ・ボニンコーヒー(日本)
 ・雲南(中国)
 ■アジア
 ・ラオス
 ・タイ
 ・カンボジア
 ・ミヤンマー
 ・インド
 ・ネパール
 ・モカ(イエメン)
 ■アフリカ
 ・モカ(エチオピア)
 ・エチオピア
 ・ケニア
 ・ルワンダ
 ・カメルーン
 ・コンゴ
 ・ガボン
 ・ナイジェリア
 ・赤道ギニア
 ・マラウイ
 ・ザンビア
 ・アンゴラ
 ・キリマンジャロ(タンザニア)
 ・アイボリーコースト(コートジボワール)
 ・マダカスカル



美味いコーヒーの出来るまで

 アメリカの高名なコーヒー評論家、ケネス・デーヴィッズ(Kenneth Davids)によると、質の高いコーヒーを飲むためには、以下の重要な7工程があると言っています。

 1.栽培と収穫

 コーヒー豆の品種については前述の通り。
 土に撒いた種子は、質の良いものを選んで植え替えします。
 雑草を嫌うため、絶えず雑草を抜く必要があります。
 栽培する場合、日射しが苦手な品種は、マメ科のシェードツリーが必要な場合もあります。
 アラビカ種は、自家授粉させられます。
 ロブスタ種は、他家受粉させます。
 栽培は、オーガニック、普通に農薬や化学肥料を使って栽培すると言うのがあります。
 オーガニックの方が、酸味や甘味がクリアに出るような気がします。
 ワインと異なり、神経質な剪定はしませんが、栽培に支障をきたす場合、多少の剪定をします。
 収穫は、1粒ずつの手摘みと、木をしごき落とす、機械摘みの方法があります。
 手摘みの方が確実で、完熟果のみ摘めるので高品質ですが、コーヒーのコストが高くなります。

 2.種子と乾燥

 収穫した豆には、以下の精製方式があります。
 ■フーリー・ウオッシュド
 大規模農園で行われる方式で、果皮と果肉をパルパーと言う機械で除去した後、豆にぬめりを残したまま発酵させ、水洗いさせ果皮を取ります。
 その後、天日乾燥、機会乾燥させ、生豆となります。
 ウオッシュドは大量生産に向き、豆がより均質化され、酸味が立ち、味がクリーンになると言われています。
 パルパーで果皮と果肉を除去する際、豆にぬめりを残さず、水で全て洗い流す方式もありますが、マイナーな方式のようです。
 ■ナチュラル
 コーヒーチェリーを自然乾燥させ、乾果を機械で脱穀します。
 コーヒーチェリーの特徴が出るとされ、フルーティさ、甘味が出ると言われています。
 ブラジル、エチオピア、イエメンでは、この精製方式が多いです。
 ■パルプド・ナチュラル
 パルパーと言う機械で、コーヒーの皮を剥き、そのまま乾燥させます。
 ナチュラルより、質が高いコーヒーの確率が高まります。
 ウオッシュドとナチュラルの中間の特徴と言われています。
 ■パルプド・ナチュラル・デスムシラージ
 コーヒーの果皮を剥くのに、デムシラジナドーラと言う遠心力で皮を剥く機械を使い、その後乾燥させる方式。
 完璧に果皮を剥くため、ウオッシュドに近いニュアンスになります。
 ■スマトラ式
 ナチュラルのように自然乾燥させますが、乾燥し切らない前に、乾果を機械で脱穀し、生豆を再び乾燥させます。
 酸味は穏やかで、香りとコクが出ると言われています。
 マンデリンの精製方式です。

 3.輸出者とブレンド
 4.輸入者と保管

 スペシャルティ・コーヒーの場合、栽培から精製まで、1つの農園、またはメーカーが手掛ける事で、責任ある作業が保証されます。
 業者が異なる農園からコーヒーを買い付ける場合、コーヒーの品種や栽培方法、精製方法が異なるものが混じる可能性があります。
 日本で、個人輸入している場合を除いて、輸出者と輸入者は明らかでも、保管状態の開示はしているのでしょうか?
 この辺は、販売業者を信用するしかなさそうです。
 保管についてはニュー・クロップ(新収穫)、カーレント・クロップ(今シーズンの収穫品)、パスト・クロップ(前シーズンの収穫品)、オールド・クロップ(数年-数十年前のシーズンの収穫品)があり、それぞれに長所短所があります。
 ・ニュー・クロップ    風味が強い
 ・カーレント・クロップ   ↑
 ・パスト・クロップ     ↓
 ・オールド・クロップ   まろやか
 パスト・クロップやオールド・クロップは、適している豆、適していない豆があるそうです。

 5.焙煎とブレンド

 焙煎は後述。

 6.小売と鮮度

 鮮度は、気の利いたコーヒーの流通業者なら、焙煎後何日後に飲むのがベストなのか、明らかにしています。
 恐らく調べれば、人によって差はあるでしょうが、飲み頃の情報はあるものと思います。
 また情報がなくとも、近隣の生産地を参考にして、試行錯誤すれば良いでしょう。
 焙煎後、時間が経ち過ぎて飲み頃を過ぎた豆もありますので、購入の際注意しましょう。

 7.挽き方と淹れ方

 7の挽き方と淹れ方は、前述の通り。



コーヒー豆のロースト

 例えスペシャルティ・コーヒーであっても、焙煎で味が大きく変わります。
 焙煎の段階は、一般に以下7分類されます。

(0.シナモン・ロースト)… 市販されているのを見た事がない
 1.ライト・ロースト    弱いロースト
 2.ミディアム・ロースト   ↑
 3.ハイ・ロースト
 4.シティ・ロースト
 5.フルシティ・ロースト
 6.フレンチ・ロースト    ↓
 7.イタリアン・ロースト  強いロースト

 浅煎りすると、コーヒー豆の個性は素直に出るが、香りや苦味が弱くなります。
 深煎りすると、香りや苦味は強くなるものの、コーヒー豆の個性は焙煎が強く曖昧になります。
 そのためエレガントなコーヒー豆は浅煎りに、個性敵なコーヒー豆は深煎りする傾向にありますが、これは焙煎する人の判断によるところが多いですね。

 大メーカーに比べ、マイクロ・ロースティングしてくれる、小規模業者の方が、豆による適切な焙煎、適切な鮮度で商品を出してくれるので、美味さが全く異なるように思います。
 同じ産地・品種で比較すると。大メーカーの豆は、欠陥豆も多く、ロースとも下手なように思われますね。
 しかも、飲み頃を過ぎた商品もしばしばです。
 もちろん、マイクロ・ロースティング業者でも、焙煎が下手な業者だと、大メーカーよりヒドいコーヒーになっちゃいますけどね。

 自分はかねてから、豆の性格を素直に出すなら、ミディアム・ローストかハイ・ロースト、豆によってはシティ・ローストもギリギリありかなと思っていました。
 ところが自家焙煎の店でも、フルシティ・ローストやフレンチ・ローストくらいの深煎りを出す店がありました。
 最近、コーヒー豆の焙煎の職人をしていた方と話す機会があったのですが、その方は豆の性格を出すなら、シティ・ロースト手前くらいの焙煎に留めるべき・・・と言う考え方でした。



究極のコーヒーを淹れるために

 どんなに質の高いスペシャルティ・コーヒーであっても、数割の欠点豆は出ます。
 それは完璧な豆と一緒に淹れると、コーヒーの味や香りを低下させます。

 こだわりの店では、豆1粒1粒を目視で選別して、より完璧なコーヒー豆で、ネルドリップや、ペーパードリップします。
 コーヒーの味も香りも、別次元のものになります。


 これを読んで、深遠なるコーヒーの世界の魅力を知って頂ければ幸いです。

 次月は、魅惑の南インド料理 ウドゥピ料理について書きます。

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