D.ドラマ

2015年3月31日 (火)

ドラマ「真夜中のパン屋さん」

リアルタイムに見ていた方には、今さら・・・と言う感じのレビューですよね。

ドラマ「真夜中のパン屋さん」は、NHK BSで2013年4月28日から6月16日かけて放送されました。
好評を受け、NHK総合でも2013年11月5日から12月24日かけて再放送。
さらに主要登場人物である、土屋太鳳が朝ドラ「まれ」に出演するからでしょうか?
2015年3月15日から、3月22日まで再放送されました。

このドラマ、見たかったのですが、BSの放送はドラマが終わってから知り、2013年の再放送も、気が付いたのは6話頃。
縁があれば、また見れるさ・・・と思っていて、今回ようやく見れました。



小説「真夜中のパン屋さん」について

原作は、脚本家でもある大沼紀子の小説。
ポプラ文庫のこの本は、何度も本屋で手に取りましたが、購入したのはドラマを最後まで見た後・・・先週の事です。
ぶっちゃけ本が発売された頃、東直己の「ススキノ便利屋探偵シリーズ」を重点に読んでいましたので、後回しにしていました。

このドラマは、小説「真夜中のパン屋さん」から、何話か抜き取ってドラマ化したものです。

パン屋で修行し、独立して店を出した妻が事故死してしまいました。
海外赴任していた夫のサラリーマン、暮林陽介が会社を辞め、妻の知り合いの若いブランジェ(パン職人)と共にパン屋を引き継ぎます。
そのパン屋、ブランジェリー・クレバヤシは、深夜の午後11時から早朝、5時までの営業です。
それで、真夜中のパン屋さん。

真夜中のパン屋さんって、常識はずれな営業時間ですが、実は存在します。

祐天寺のキクヤベーカリー。
深夜1時から3時までの営業。
ホテルに納品するパンを焼くため、やむなくこの営業時間になったそうです。
そして、この営業時間でも客が来るんだとか。

祐天寺を夜歩くと分かりますが、飲食、ファッションの店と、夜遅くまで営業しています。
この街は芸能人、業界人、専門職の方が多く住んでいるそうで、サラリーマンとは活動時間の異なる方が、夜遅く来店するのだそうです。

大沼紀子がその辺を知って作ったのかは、不明ですが。



近年のドラマの傾向

近年、放送されるドラマは、オリジナル脚本はめったになく、漫画、または小説原作が圧倒的に多いです。
近年テレビの視聴率が芳しくなく、そう簡単にドラマ制作費に、大枚をつぎ込めない事情は理解します。
それで、人気漫画、小説を元にドラマ化した方が、企画が通りやすいんだろうと思います。
人気漫画、小説原作だと、少なくとも漫画、小説のファンの視聴率が期待出来ます。

一方、原作の漫画、小説は面白いのに、ドラマは全然面白くないと言うのが多過ぎます。
予算をかけられないと言う事情もあるでしょうが、大部分は企画段階から問題じゃないのか?と思ったりします。
そもそも数字を取ろうとしているのでしょうが、原作を理解していない改変や、キャスティングが多過ぎます。

改変はダメではありませんが、原作を理解していないストーリーの改変は、脚本に負担をかけ、ともすれば腕のある脚本家ですら、駄作を作らざるを得なくなるでしょう。
または、現場で脚本とは違う方向に改変しているのかも知れません。
ヒットドラマなら、脚本そのままなんでしょうが、視聴率が悪いと、視聴率を上げようと安易な方向に走り、余計に傷口を広げ、ドラマをつまらなくしている気がします。

キャスティングも然りです。
原作の権利は、プロダクションが持っている事が多いみたいですが、ドラマ化の際、プロダクション側がごり押ししてキャスティングを捻じ曲げていると思われるフシがあります。
主人公ですら、原作の影も形もないキャスティングをしてしまったら、漫画、小説のファンは、落胆を通り越し、怒り、そしてドラマが嫌いになるでしょう。
色々と大人の事情があるのは、理解しますけどね。



ドラマ「真夜中のパン屋さん」の脚本

このドラマに話を戻します。
原作は買っていますが、原作を読まないでドラマだけでレビューします。
・・・が、辛抱たまらなく、1話だけ原作を読んじゃいました(笑)。

ドラマにおいて、脚本は面白いかどうかのキモの1つですが、このドラマの脚本は寺田敏雄、李正姫です。
寺田敏雄は1990年代の初めごろから、NHK、民放と数々のドラマの脚本を手掛けています。
大ヒットドラマは見当たりませんが、何本もの視聴率15%以上のドラマの脚本を書く、中堅脚本家です。
李正姫の実績は不明ですが、このドラマの結婚詐欺を扱った、第5回、第6回の脚本を書いています。
寺田敏雄氏に、不都合があったのでしょうか?

原作との比較は別にして、脚本は良く書けています。

主に民放ドラマですが、話が進む内に、主要登場人物の性格がコロコロ変わる事がしばしばあります。
主要登場人物の性格ばかりでなく、中にはドラマの主題が最終話では意味不明になっちゃったり・・・
民放に多いようですが、ドラマによっては、毎週撮影直前に脚本が来るなんて事もあるそうです。
そんな自転車操業的なドラマは、脚本家も追い詰められ、きちんとプロット(ストーリを進める計画)も立てられないでしょうね。

その点NHKのドラマには、面白いかどうかを別にして、余裕を感じる事があります。
しかも途中脚本家が変わったのに、違和感は感じませんでした。

原作者の大沼紀子は、この作品を「暗い闇の夜に灯る、小さな明かりを探すような気持ちで、真夜中のパン屋さんという物語を書きました。小さな明かりと焼きたてのパンと、パン屋に集う人たちの悲喜こもごも。そこに温かな何かを、感じていただけたらいいな、と。」言っています。

このドラマのキャッチフレーズは、「あたたかい食事や家族がなくても、パンはいつでも誰にでもおいしい」。
登場人物は各々あたたかい家族もなく、様々な重たい人生の問題を抱えていますが、甘口じゃないストーリー展開を美味しいパンが優しく包みます。

ドラマのテーマは、脚本に骨太に貫かれています。
もしかすると、ある程度の話数の脚本が揃ってからの、撮影じゃないのかな?と言う気がします。
脚本は、少なくとも原作の精神は引き継いでいます。

見終わると、月並みですが、パンが食べたくなります。



ドラマ「真夜中のパン屋さん」のキャスティング

ドラマのキャスティングが良いですね。

主人公の暮林陽介役、滝沢秀明。
人を疑うのではなく、信じるところから始める優しい人物。
優しい人物の雰囲気が、滝沢秀明にマッチするように思います。

もしも、小説のファンなら、最初違和感があるかも知れませんね。
優しい人物と言う点では、イメージ通りですが、原作では関西弁です。

関西に限らず、地方の人は皆、標準語を冷たく感じます。
一方、方言には温かみを感じます。
恐らく原作では、暮林陽介の温かい性格を強調する関西弁なのでしょう。

どうして、標準語にしたのか不明です。
ドラマの本筋には、影響ないですけどね。

ドラマの中で、「何でも受け入れる」とか、「自分がない」とか言われますが、ドラマを良く見ていればそんな事はありません。
暮林陽介は人を良く観察していて、人当たり良く、相手を不快にさせません。
「自分がない」人は、人を観察なんてしませんし、相手の事なんか理解しようともしません。
「自分がない」なら、他人を不快にさせるものです。

でもパンの製作については、その観察力が働かないのか、パン作りのセンスがないところなんて、笑ってしまいます。

自称天才ブランジェ柳弘基役に、桐山照史。
滝沢秀明と同じジャニーズで、関西ジャニーズJR。

良く、抱き合わせ(おなじプロダクションのタレントをセットで番組に売り込む)なんてありますが、そんな事があったのでしょうか?
そうだとしても、口が悪く、自意識過剰な雰囲気が、柳弘基役にハマり役です。
これまた、良いキャスティングです。

パン作り・・・特に生地を扱うシーンは多くなく、この辺も上手なストーリー捌きです。
役者の演技の中には、プロの職人がみたら、顔をしかめるような出来が良くあります。
北海道にいる、友人のブランジェに、桐山照史のパン作りの演技が妥当か、意見を聞いてみたいものですね。

服のセンスがイマイチと言う点を除いては、この人にだけは、人生の問題はクローズアップされませんでした。
小説では、どうなんでしょう?

物語は、妻の腹違いの妹、女子高生の篠崎希実が店に現れるところから始まります。
篠崎希実役に、若手美人女優の土屋太鳳。
「果てぬ村のミナ」に出演して有名になった時、何てきれいな女優さん・・・って思ったら、当時18歳と言うのに2度ビックリ。
そして今回ビックリは、以前見た時より、土屋太鳳が太っちゃってます。
この方が女子高生っぽいですが、恐らく役作りで太った・・・訳ではないですよね?
土屋太鳳のブログをチェックしていたら、このドラマの撮影時期が、大学受験と別の作品の撮影が重なり、かなり大変だったそうです。
ストレス太り?

母親がネグレクト(子供の面倒を見ない親)で、篠崎希実を置いて、しょっちゅう蒸発してしまいます。
そのため、10代の女の子にしては、ツンツンしていますし、強がりですし、世界を斜に眺めています。
少し鼻につくくらいのキツさなので、小説でも同じ役柄なのだろうか?・・・と思ったら、小説ではそのまま・・・むしろもっとキツいくらいかも。
これって演技なのですが、これがとてもハマっていて、役の本人、土屋太鳳もこんな性格なのか?と思っちゃうほど、素敵な演技です。

この3人を中心に、その他の魅力的な登場人物が、人生のそれぞれの問題を抱え、パン屋を取り巻き流れて行きます。
持ち上がる問題は、どれも重たいもので、必ずしも解決するとは限らず、また解決してもほろ苦いものだったりします。

篠崎希実をいじめる同級生、三木涼香役の小島藤子。
これも良いですね。
例えば、土屋太鳳と役が逆だったら・・・合わないですね。

ホームレスのニューハーフ、ソフィア役に、ムロツヨシ。
ムロツヨシって、いい役者さんですね。

母親のために、パンを持ち去ろうとする、水野こだま役の子役も良いです。
そして生活に疲れ、人生全てが楽しくない水野こだまの母親、水野織絵役、前田亜季もハマっています。

登場人物で、唯一違和感を感じたのは篠崎希実の母、篠崎律子役、ともさかりえ。
演技がダメって訳ではありませんが、篠崎律子のような自由奔放な雰囲気ではないですね。
パッとハマりそうな女優を考えると、酒井若菜ですかね。



ロケ地

余談ですが、原作では世田谷通りと国道246の交差点近くだそうですので、三軒茶屋がブランジェリー・クレバヤシの所在地です。

ドラマでも、シーンで三軒茶屋の交差点や繁華街が何度か出て来ました。

一方ドラマで、ブランジェリー・クレバヤシ三軒茶屋の繁華街の先のちょっと寂しい路地にあるんですが、そこから少し歩くと下りの坂道の住宅地も出て来て、こんな場所は知る限り、三軒茶屋にはありません。
隣駅の池尻大橋には、高低差がある住宅地がありますが、ドラマに出るような急坂の心当たりがありません。
ブランジェリー・クレバヤシの撮影場所は、西武池袋線の東長崎と椎名町の間にあるカフェ、坂道の住宅地は世田谷区代田がロケ地なんだそうです。

自分も食べ歩きして、色々な街を見て来ましたが、繁華街の先の寂しい路地→坂道の住宅地と言う組み合わせに、違和感を感じます。
一般に繁華街は低地にあり、住宅地は丘にある事が多いものです。
ロケ地決定の際、その辺のリアリティを検討したでしょうか?



結論

脚本が良く、キャスティングが良ければ、ドラマが面白くないはずはありません。
見終えた後、ほろ苦くもホッコリします。
どれほどの視聴率だったか知りませんが、近年見たドラマでは、「半沢直樹」や「家政婦のミタ」なんて言うに及ばず、こちらの方が屈指の傑作ドラマだと思いました。

パン屋の話ですから、パンの話しもたくさん出ますし、それが物語のモチーフになっている場合もあります。
パンの説明や、エピソードなんかを自然にストーリーに組み入れています。
話の進め方が、素敵です。

ドラマ評価とは別に、食べ物好きの自分は、それだけでも凄く興味が惹かれます。

あえて、ドラマの1話目と、原作の1話目を比べると・・・

小説の心理描写を、上手にドラマでは捌いていますが、あえて言うともう少し丁寧に表現しても良かったかも知れませんね。
ドラマだけ見ていても、心理描写に粗さを感じる(行動に疑問を感じる)事があります。

篠崎希実と三木涼香が格闘するシーンを、後にくっつけちゃったのは、ドラマチックな演出のつもりだったのでしょうか?
自分はこのシーン、どっちの順番でも良いと思いますので、それなら素直に時系列で良かったと思います。

原作では三木涼香より、篠崎希実が負傷して、口の端が切れ、目のまわりが青くなっていたそうですが、ドラマではどちらもほとんど負傷していませんでした。
2人があまり負傷していないと、三木涼香の母親から娘の肩を持つクレームが来そうですが、そうとはならず。
その辺のリアリティが、疑問です。
2人の美人女優さんを、きれいに見せたかったのでしょうか?
余計な配慮に、思えます。

篠崎希実に、メロンパンを食べさせるシーンは、あのタイミングじゃなく、後からの方が、パンの美味さがより表現で来たのでは?
ドラマはあれで悪くなかったですが、原作では篠崎希実と三木涼香が格闘した翌日に、屋上で1人で初めてブランジェリー・クレバヤシのパンを食べて、パンの美味さに感動すると言う終わり方をします。
こっちの話の進め方の方が、結果としてはドラマチックで良かったですね。

このシーンは、篠崎希実が負傷して、車でブランジェリー・クレバヤシ帰る途中、公園で三木涼香に踏みつけられたパンを食べるシーンにつながり、それが最終話(第8話)のラストにつながるので、この展開もしょうがないかも。

ドラマで見えたアラが、小説にはありませんでした。
それでも、このドラマの出来は良いです。
原作者も満足ではないでしょうか?

小説も読了したら、書評を上げたいと思います。




真夜中のパン屋さんEp01 投稿者 tanuki8

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2013年1月14日 (月)

ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」

東京だと、本日からフジテレビで、毎週月曜21時(通称月9)に放送するドラマです。
かつてはキラ星の如く高視聴率ドラマが出た黄金の枠ですが、ここんところフジの月9の凋落は激しいですね。

このドラマは、つい前回書評をアップした、ビブリア古書堂の事件手帖の実写版です。
キャストは、以下の感じです。

篠川栞子 - 剛力彩芽
五浦大輔 - AKIRA
笠井菊哉 - 田中圭
藤波明生 - 鈴木浩介
横田奈津美 - 北川弘美
篠川文也 - ジェシー
小菅奈緒 - 水野絵梨奈
佐々木亜弥 - トリンドル玲奈
橋本さやか - 内藤理沙
五浦恵理 - 松坂慶子
志田肇 - 高橋克実

記憶に間違えなければ、剛力彩芽のゴールデンタイム初主演作ではないでしょうか?

原作を読んだ自分にとって、キャスティングを見ただけで、原作と大きく変えるんだろうな・・・と言う事が分かります。

篠川栞子は、20代半ばくらい。剛力彩芽では若過ぎますね。
剛力彩芽は、透き通るような色白ではありますが、巨乳ではないですね。
ちなみに自分は、貧乳好みです(笑)。

五浦大輔は原作では、大学を卒業したばかりの就職浪人ですが、AKIRAだと年を取り過ぎています。
ホームレスのせどり屋、志田肇役、高橋克実が前宣でフューチャーされているので、このドラマの演技担当として抜擢なのでしょう。
恐らく原作より登場回数が多いのだと思います。

近年、オリジナル脚本ドラマが極端に減りましたが、それは置いとくとして、小説原作とか、漫画原作のドラマが多いです。
そしてかなり多いパーセンテージで、原作と違う内容であることが多いです。

ドラマ「のだめカンタービレ」が大当たりしたのは、限りなく原作に近い路線で、実写化してくれたからでした。
漫画が好きな人も、多くはドラマ「のだめカンタービレ」も好きな事でしょう。

テレビ局の財務が厳しく、なかなかリスクを冒してオリジナル脚本ドラマの企画が通りにくい事情は、自分は知っちゃこっちゃないですが、理解出来ないではありません。
小説原作とか、漫画原作のドラマは、そのファンを取り込む事が出来るメリットがありますので、企画が通りやすいでしょう。
でも、どうして原作と違う内容にしちゃうのでしょう?

出演者のプロダクションの意向・・・なんてものあるみたいですね。
ドラマ「のだめカンタービレ」は当初、TBSでドラマ化予定だったのですが、主演予定だった某大手事務所の横やりで、原作から大きくかけ離れ、漫画原作者が怒り、ドラマ化を許可しなかったという話があります。

原作に忠実に描くより、形を変えて当たれば、企画者の功績大・・・と言うのもあるかも知れませんね。
そしてそれら様々な利害が、入り組んでいるのかも知れません。

近年見た中で、原作と大きく違いますが、傑作だなぁと思ったのは、視聴率は全然ダメでしたが、ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」でしたね。
自分は原作漫画も読んでいます。
原作漫画のファンからは、あまりの内容の改変ぶりに、非難轟々(ひなんごうごう)でした。
脚本は、メインの脚本担当だったのが、ドラマ「野ブタ。をプロデュース」を大ヒットさせた木皿泉
自分が思うに、キャスティングの妙と、メッセージ性のある独特の木皿泉ワールドがハマった大傑作でした。
視聴率が悪くとも、確か賞を取っていたような。

つまりは、原作と違えていても、脚本が良ければ、違った魅力の面白いドラマにはなり得ます。

さてこの作品の脚本は、美人女優でもある異色の経歴の相沢友子
近年では、ドラマ「鹿男あをによし」ドラマ「鍵のかかった部屋」、いずれも数字を取っています。

自分は、原作と全く一緒でなければ・・・とは思いませんので、良い作品である事を祈ります。
見終えた後、ドラマ感想をこのページに追記します。

主題歌が、ネバーエンディングストーリーなのは、いずれも本がきっかけの物語だから?
これって、若い人は分からないんじゃないですかね(苦笑)?

2013/01/14 18:30
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ドラマのストーリーは、原作の「夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)」を踏襲したものでした。
となると、原作との違いは?
登場人物のキャラクターの違いのみとなります。
比較する気はありませんでしたが、こうなると比較せざるを得ないですね。

原作の篠川栞子は、誰もが認める美女で、透き通るような白い肌の、清純にして巨乳のセクシーさも併せ持ちます。
そして、自分のセクシーさを理解していません。
極端な人見知りで、普段は人とまともに会話出来ないほどなのですが、本の事になると一変、すらすらと語り出します。

ドラマの篠川栞子役、剛力彩芽は美女で清純さもありますが、まだ若く色気の点では全然及ばず。
巨乳もセクシーさの象徴ですが、まあそこは問わないとしましょう。
演技で、ちょっと人見知りのような素振りはあったものの、そんな設定ではありませんでしたね。
剛力彩芽の演技云々の前に、脚本上の篠川栞子の性格が、面白味のある人物には描けていないように思います。

五浦大輔役のAKIRAは、結局、平凡な性格の篠川栞子に付き合ってしまったようで、これまたパッとしませんでした。
思うに、実はこのドラマで一番難しい役柄のように思うのですが、キャスティングがAKIRAでよかったんでしょうか?
今さら言っても遅いですけどね。
EXILEファンで、多少は視聴率を稼ごうと言う、姑息な意図にしか見えません。

結局、なんだかパッとしない2人が中心となってのストーリーでした。
もしかしたら、自分が原作に思い入れがなければ、10分で見なくなっているドラマだったかも知れません。
来週も見ますが、良い方に激変は考えられず、この調子だと、何週でリタイアかなぁ・・・なんて思ってしまいます。

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2012年3月14日 (水)

ドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」

今深夜に、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の再放送をしているんですね。
自分は、このドラマ好きです。
今年の4月7日には、映画も公開されるとかで、映画誘導のための再放送ってところでしょう。

名は体を表す・・・ドラマのタイトルって、重要だと思うんですが、伝わらねぇ(笑)。

良い仕事は、人で決まります。
ビジネスマンなら、お分かりの事と思います。
十杷ひとからげの人材でも良いのなら、この世からヘッドハンティングなんて、なくなります。

かつてドラマのTBSと呼ばれていましたが、今は見る影もなく、ほとんどのドラマが惨敗。
いや、視聴率が高いから、良いドラマとは限らないんですけどね。
ここんところの、TBSのドラマのほとんどは、クールの事前検討で、ドラマのあらすじを見た途端、見る気をなくすものばかりです。
何が言いたいかと言うと、ほとんどのドラマの企画がダメ。
実際数少ないですが、見たドラマでも、10分で抹殺したものがほとんどで、脚本も演出もベタで時代遅れ。
元々、ドラマのTBSと呼ばれていた頃も、時代感覚から古臭い脚本と演出でしたから、いい加減老朽化に気付けよ!って感じです。
ああすいません!心ならず、辛口になってしまいました。
別にTBSに恨みはないんですよ。
むしろ真の意味で、ドラマ王国が復活して、時代を先取りして欲しいくらい。

しかしこのドラマは、TBSらしからぬ(笑)素晴らしさです。

監督・演出が堤幸彦です。
代表作、「ケイゾク」、「池袋ウエストゲートパーク」、「TRICKのシリーズ及び映画」、「世界の中心で、愛をさけぶ」等。
伝わらないドラマのタイトルですが、あらすじは多少興味を引き、その世界観が好きな堤幸彦と言う事もあり見ましたが、こいつが良かった。

視聴率は、10%前後で推移し、最高視聴率12.9%、最低視聴率8.2%、平均視聴率10.5%と、振るいませんでした。
賞を取ったから、面白いドラマと言う訳ではありませんが、第67回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で、主演女優賞、監督賞、脚本賞、ザテレビジョン特別賞と4冠に輝きました。
このドラマのDVDとBlu-ray Discは、東京放送ホールディングスの2010年度の年間売上第1位。
Gyao! ストアでの有料動画配信が上位を記録。

警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係・・・略して通称「未詳」は、警視庁公安部内のたった3名の部署です。
通常の警察官が手に負えない、特殊な事件を扱う部署。
このドラマでは、超常的事件が、「未詳」振られ、そこから徐々に真実が明らかになって行きます。

ドラマタイトルは、製作発表時、「ケイゾク2」としていたそうで、1999年の名作ドラマ、「ケイゾク」の世界観を持って来ています。
自分実は、「ケイゾク」は見ていないのですが、竜雷太扮する野々村光太郎は「ケイゾク」にも出ていたそうです。
他にも、「ケイゾク」と共通する出演者に、近藤昭男役の徳井優がいます。
しかし、ドラマがスタートする頃には、「ケイゾク2」のタイトルは外されました。
恐らく内容的にも、全く別のストーリーだろうなと思います。

「SPEC」とは、ぶっちゃけ超能力の事。
一般に超能力を、「SPEC」とは呼びませんので、このドラマのオリジナルの呼称です。
このドラマでは、超能力者を、「SPEC HOLDER」と言います。
もちろん、裏返したカードの絵を見ないで当てるとか、スプーン曲げるとか、そんな地味な能力程度ではありません。
超能力者が絡んだ、超常的事件なので、「未詳」の出番な訳ですね。
全10話に登場する、主な「SPEC HOLDER」の一覧です。

・一十一(にのまえじゅういち)年齢不詳 神木隆之介 自分または任意の対象の時間の流れを変化させる
・脇智宏(わきともひろ)43 上川隆也 常軌を逸した身体能力があり、あり得ないスピードでテニスボールを投げて人を骨折させたり、エイトマンのように高速で走る
・桂小次郎(かつらこじろう)36 山内圭哉 何キロも離れた先の人間の会話も聞き分けられる聴覚
・林実(はやしみのる)37 村杉蝉之介 他人へ憑依して、その人を操る
・古戸久子(ふるとひさこ)44 奥貫薫 念力
・海野亮太(うんのりょうた)35 安田顕 相手の体をスキャンして、弱っている部位に病を処方する
・星慧(ほしさとり)19 真野恵里菜 人の心を読む。「家族百景(同じく堤幸彦が手がけて現在放映中)」「七瀬ふたたび」の火田七瀬と同じ。
・EXILE NAOTO 病を治す
・役名不明 東野幸治郎 口から何かを放ち、相手の動きを封じる
・地居聖(ちいさとし)24 城田優 相手の頭に手を当て、記憶を書き換える
※その他、どんな「SPEC」の持ち主か分からない「SPEC HOLDER」も登場しますが、割愛します。

何と凄まじい、超能力。
1980年代の深夜番組、「グットモーニング」の超能力者の戦いなんて、メじゃありません!・・・って、この番組知っている人います(笑)?

堤幸彦作品全般に言える事ですが、登場人物のキャラクターが立っていますし、その登場人物によるストーリーも良いです。
台詞もセンスと遊び心があります。
画面の様々なところに遊びがあり、1度見て気がつかなくとも、あるシーンの背後にある文字とか品物とか・・・遊び心満載です。
遊び心は、ストーリー本編とは関係ありませんが、遊べるくらい余裕があるドラマなら、面白くない訳がありません。

当麻紗綾(とうまさや)警部補 24 戸田恵梨香
瀬文焚流(せぶみたける)警部補 36 加瀬亮
野々村光太郎(ののむらこうたろう)元警部現在嘱託 70 竜雷太

主演、当麻紗綾役の戸田恵梨香ですが、10代から可愛いルックスで、ずっと美少女路線でしたが、今回はとんでもない変人女を怪演しています。
いや快演かな?

演じる当麻紗綾の設定は、京都大学出身で、IQ210。
普通に考えれば、キャリア採用じゃないかと思うのですが、今だに警部補(確かキャリアは研修が終わると警部だったはず)。
人の十倍飯を食い、蜂蜜を毎日500mlぐらい飲み、餃子が大好きで、ニンニクMAXに入れる、極度の味覚音痴の大食い。
もしかすると「SPEC HOLDER」かも知れず、視覚が異常に発達し、例えば飛んで来る本に書いてある事を素早く読んだり出来ます。
事件の解決時には、半紙に筆で、事件のポイントを書き、細切れにして振りまく事により、事件を整理し、解決法を考えます。
脳を異常に使うので、人の十倍飯を食うのかも・・・です。
一十一(にのまえじゅういち)役の神木隆之介と、過去に因縁があり、左手を包帯で巻き、吊るしているのも、その因縁です。
とにかく、恐ろしく口が悪く、こんな顔するか?ってくらい不細工な表情を作り、奇妙な行動を取り、笑わせてくれます。
役では、美少女扱いなど、これっぽっちもありません。
でもこのドラマでは、主に事件を解決に導いて行きます。
自分は、過去に見た戸田恵梨香の役の中で、この役が最も好きです。

もう一人の主演、元SIT(特殊犯捜査係)隊長、瀬文焚流役の加瀬亮ですが、自分はこの役者、このドラマで知りました(笑)。
戸田恵梨香に筋肉○カとか言われるくらい、肉体派ですが、クールでカッコ良い。
お笑いで言うと、戸田恵梨香のボケに対し、ツッコミの役回りです。
たまにボケとツッコミが逆になったりしますが、それもまた可笑しかったりします。

野々村光太郎役の竜雷太は、ちゃんと仕事をしているシーンが少なく、それでいて「未詳」の係長。
あまり現場に出て行かないのは、管理職が故でしょうか?
通常3人しかいない部署なら、管理職もいち実務者となる気がしますが・・・そんなに真面目に突っ込まなくとも、ドラマが面白いから、まあいいか・・・と言う感じではあります。

「ケイゾク」でも、若い婦警と浮気をしていたそうですが、今回も婦警の正汽雅(まさき みやび)役の有村架純と浮気をしています。
有村架純は、短大新卒の設定ですが、いくら何でも若過ぎるだろうと思い、調べると、当時まだ17歳でした(笑)。

当初、超常的な事件を1つずつ解決して、話が進んで行きますが、話の中にちょっとした伏線があり、警察内(公安内)に「未詳」より前から「SPEC HOLDER」を調べていた組織がある事が分かり、また「SPEC HOLDER」を利用しようとする謎の組織の存在も明らかになって来ます。
このターニングポイントは、6-7話くらいからでしょうか?
ストーリーの方向性が変わって行きます。

超能力者を利用する組織と言うと、「七瀬ふたたび」を思い出しますね。
参考にしたのでは?と思うフシもありますが、ドラマは「七瀬ふたたび」のパクリではありません。

最終回は、謎だらけで、インターネットでも、最終回の終わり方が議論になったほどです。

戸田恵梨香が、「映画化しない」と台詞で言うのが、笑ってしまいますが、映画化の複線では?と言うのが大勢を占めました。
むしろ放送終了後の方がこのドラマの名声を高め、映画化される訳です(笑)。
ドラマ後半から、エンディングの戸田恵梨香が、「ゲッツ!」と言い、これが次第に「月9」なって行きます。
これは次のクールのフジテレビの月9のヒロインに、戸田恵梨香が決まっていて、そのドラマに関する発言です。
こんなところも、遊び心ですね。

あと、主題歌のTHE RiCECOOKERSの「NAMInoYUKUSAKI」のアレンジが、毎作異なります。
オリジナルは日本語歌詞なのですが、最初英語歌詞ですし、日本語歌詞バージョンも披露します。

強烈なキャラクターが立っていて、遊び心とボケ炸裂のストーリーと台詞、これが面白くない訳がありません。
ただひたすら、ボケには突っ込み、気軽に楽しんで下さい。
でも楽しめる人と、楽しめない人と、分かれるでしょうけど・・・

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2012年2月29日 (水)

ドラマ「Mother」

現在東京で、日本テレビの15時55分から、ドラマ「Mother」の再放送をしています。
本放送は、2010年4月14日から同年6月23日の水曜22時のドラマ枠で放送されていました。
昨年春にも再放送したようですので、うがった見方をすると、ドラマDVDがそれなりに売れているのでしょうか?

あらすじは、YouTubeの番宣を見て下さい。

自分は、そのクールのドラマ、7割くらい見ますが、面白くないと、どんどん見なくなります。
3週間後には、見るドラマが3-4本くらいに絞られます。
ダメドラマは、10分でデリートしたりしますね(笑)。

このドラマ、テーマが「母性」で、しかも子どもの虐待が出て来たり、重い社会派ドラマです。
主演が12年振りと言う、松雪泰子。
妹役に、酒井若菜、倉科カナ。
松雪泰子を養子として引き取り、育てた母親に、高畑淳子。
松雪泰子を捨てた(実は捨てざるを得なかった)実母に、田中裕子。

親から虐待を受けている、芦田愛菜。
芦田愛菜を事故死に装い、松雪泰子が連れて逃げます。
芦田愛菜は、このドラマで、ブレイクしましたね。

自分は、このドラマの事前検討で、一体どうやって視聴率を取ろうとしているんだろうか?と思いましたね。
個人的感想はともかく、上記のキャスティングで、このドラマを見ようと思いますか?
逆に言うと、内容が伴わなければ、こんなドラマ誰も見なくなる訳で、その意味で期待が持てました。

もうひとつ、脚本が坂元裕二。
坂元裕二は売れっ子脚本家で、数々のヒットドラマの脚本を手掛けていますが、中でも好きなのは、「わたしたちの教科書」。
このドラマも、重たい社会はドラマですけどね(笑)。
それだけに、内容が期待出来そうという、予感がしました。

自分本当は、お気楽な娯楽ものが好きです(笑)。

テーマは「母性」で、高畑淳子が、幼い松雪泰子を施設から引き取り、育てたのも母性。
松雪泰子の実母、田中裕子の母性。
婚約者の子供を宿した、酒井若菜の母性。
酒井若菜は、おなかに宿った子供に障害があると分かると、最初おろそうとしますが、その後一転、産んで育てる事を決意します。

何と言っても、物語の中心は、実母ではない松雪泰子が、芦田愛菜の母になろうとする母性。

この内、メインとなる松雪泰子と芦田愛菜、松雪泰子と高畑淳子は、実の母子ではありません。
このドラマを見ていて、実の母子でないがゆえに切なく、むしろ母性を描き出せている皮肉。

芦田愛菜は、松雪泰子に、次第に母を感じ、慕って行ます。
実の母子ではなく、誘拐して人目を避けて逃げているだけに、芦田愛菜を小学校に入れるだけで、一苦労です。
最初は親切にしてくれていた、田中裕子が、実は松雪泰子を捨てた母親だったり、その内芦田愛菜の実母役の尾野真千子に見つかったりと、1話ごと様々な波乱がありつつ、さらに母子の絆が強くなって行きます。

ストーリーも素晴らしいですが、何と言っても出演者の演技が凄い!

「母性」というテーマだけに、女優陣演技の凄味のある事。
松雪泰子、高畑淳子、酒井若菜、倉科カナと、皆演技が素晴らしい女優さん達です。
しかし中でも、24年ぶりに民放の連続ドラマに出演したと言う田中裕子の演技は、凄過ぎます。
田中裕子は、この後NHKで放送された、「蒼穹の昴」の西太后役も素晴らしかったですね。

そして、「動物と子供にはかなわない」と言われますが、このドラマを見ると、芦田愛菜が天才子役と言われた理由がわかりますよ。
芦田愛菜は、実はこのドラマのオーディション時、年齢7歳と言う条件をクリアしていませんでした。
しかしダメもとで、オーディションを受けた際、芦田愛菜の受け答えの素晴らしさに、この役を得ました。
芦田愛菜は当時5歳、ドラマの役の小学校2年生としては、身長が低過ぎました。
逆に、親のネグレクト(子供の面倒を見ない)で栄養失調と、台本を書き変えてしまったほどです。

このドラマ、平均視聴率も10%パーセント前半で、それほど視聴率としてまあまあの当りドラマでした。
しかしYahoo!JAPANで実施された2010年春ドラマ満足度ランキング1位。
ザテレビジョン 第65回ドラマアカデミー賞で、最優秀作品賞、松雪泰子が主演女優賞、田中裕子が助演女優賞、芦田愛菜が新人賞、水田伸生が監督賞、坂元裕二が脚本賞の6冠達成。
日刊スポーツ・ドラマグランプリ、松雪泰子が主演女優賞1位、芦田愛菜が助演女優賞1位。
他、数々の賞を取りました。

実は、ストーリーの骨組みは良いとして、細部の突っ込みどころはあります。
しかしそれを補ってあまりある、女優陣の素晴らしい演技。
見て頂けると分かりますが、賞を取った事が当然とも言える、内容のドラマです。

それでも看過出来ない、このドラマの大きな突っ込みどころは、2点。

1.芦田愛菜を誘拐して逃げる動機が薄い
これ確か、当時ネットでも突っ込まれていた気がしますし、何度か後の回のセリフで、フォローしてたように思います。
芦田愛菜を誘拐して逃げるから、このドラマが始まる訳ですが、しっかりした性格と言う役の、松雪泰子に合わなく見える行動ですね。
あのくらいでは、警察に相談とか、児童相談所に相談するのが、常識の範囲内です。
合理的なストーリー展開にするには、芦田愛菜を誘拐して逃げざるを得ない、もっと切羽詰まった状況が必要ですね。

2.ラストシーンが弱い
松雪泰子は、芦田愛菜を誘拐した事で捕まり、刑期を終え出所して来ます。
施設に入っていた芦田愛菜は、松雪泰子の出所を知り、松雪泰子の元まで逃げて来ます。
しかし今度は、言い聞かせて施設に芦田愛菜を戻します。
ラストシーンは、芦田愛菜が20歳になって、松雪泰子と再会します。

いっその事、「卒業」みたいに、もう一度芦田愛菜を連れて逃げれば良いのに・・・と思いましたね。
道義的に、そんなドラマを作るのが難しい事は、理解しますけどね。
例えば、映像では松雪泰子と芦田愛菜が追い詰められ、死んだように見えますが、実は生きているかもと思える映像を最後に流す・・・とか。

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2012年2月 6日 (月)

ドラマ「ストロベリーナイト」が面白い

現在東京だと、フジテレビ毎週火曜21時に放送しているドラマです。

原作は誉田哲也。
この人は、警察小説のシリーズものに、姫川玲子シリーズとジウシリーズがあり、ジウは2011年夏-秋クールにドラマ化されましたね。

姫川玲子シリーズの第1作、「ストロベリーナイト」は2010年11月13日に、スペシャルドラマとして、放送されています。
姫川玲子シリーズは、毎作様々なタイトルで、「ストロベリーナイト」は第1作目の長編小説のタイトルなのですが、スペシャルドラマのタイトルそのまま、同じキャストで、小説「ストロベリーナイト」以外の姫川玲子シリーズの話をドラマ化しています。

主人公は、警視庁捜査一課、唯一の女刑事にして、警部補で主任、姫川玲子役に、竹内結子。
女だてらに、キャリアでもないのに、若くして警部補で捜査一課主任・・・上司役の高嶋政宏扮する今泉警部や部下からは認められています。
脇を固める姫川玲子の部下に、菊田巡査部長役=西島秀俊、石倉巡査部長=宇梶剛士、連続ドラマからの登場の葉山巡査長=小出恵介、湯田巡査長=丸山隆平。

今泉警部の上司の管理官、渡辺いっけい扮する橋爪警視や、姫川玲子の天敵、武田鉄矢扮する勝俣警部補からイヤミを言われ、じゃけんに扱われます。

自分は、スペシャルドラマは、ストーリーが好きではないのですが、ドラマになって、この作品が俄然好きになりました。

現実に、警視庁捜査一課に、女性刑事はいるのか?知りませんが、もしいたとしても男社会の警察、ドラマとたがわず、じゃけんに扱われている事でしょう。

姫川玲子は、高校時代にレイプされた過去を持ち、その際自分をケアしてくれて、犯人逮捕の際に殉職した佐田倫子巡査がきっかけで、警察官になりました。
現在も、レイプされたPTSDがあり、それを無神経にも、勝俣警部補が揶揄(やゆ)されたりしますが、負けずに犯人に立ち向かって行きます。

現実の社会でも、様々な背景条件、制約、障害は仕事のデフォルトと言って良いくらいで、さらに組織の上下左右から、様々な軋轢(あつれき)が来ます。
それらをすべて調整して、結果を出すという意味で、リアリズムがあります。

姫川玲子は、気の強い、男勝りの面がなければならない訳で、竹内結子が名演しています。
時々、とても女っぽい面も見せ、それがまた姫川玲子の魅力だったりします。
度々、レイプされた際の状況に似た場面に出くわすと、PTSDのフラッシュバックも来ます。

周りを固める西島秀俊、宇梶剛士、小出恵介、丸山隆平の演技も良いですが、渡辺いっけいや武田鉄矢の演技は、素晴らしいですね。
特に武田鉄矢は、敵役で、憎らしいくらいの名演技です。

警察の人間関係はリアリティがありますが、発生する犯罪は、めったに起こらないような変な事件が多く、リアリティがありません。
事件のリアリティのなさは、原作から来ています。
実は自分、姫川玲子シリーズも、ジウシリーズも、事件にリアリティがないので、何度も手に取りましたが、購入するには至りませんでした。
つまり、原作は読んでいません。
出版不況が叫ばれていますが、小説家は出版社から、本が売れるような、派手な事件にしてくれ・・・とか言われているんでしょうか?

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