Music.Allen Vizzutti

2011年8月26日 (金)

Reflections / Allen Vizzutti

今回は、世界屈指の超絶テクニックを持つ、トランぺッター、アレン・ヴィズッティを紹介します。
一般には知られていないかも知れませんが、ラッパ吹きの間では、知らぬ者がいないほどの有名人です。
ラッパ吹きの人が、このブログを見ると、今さらかい!って、突っ込まれそうです(笑)。

アレン・ヴィズッティは、高校生時代に、トランペット吹きの友人から紹介されました。

アメリカ、モンタナ州生まれで、元々はクラッシックの、超絶テクニックを持ったトランぺッターでした。
チック・コリアに見出され、客演して、遂には1979年に、当時フュージョンブームだった事もあり、「スカイロケット」と言うジャズ/フュージョンアルバムを出します。
恐らく、まずまずヒットしたのでしょうね。続けて、1980年に「レインボー」、1982年に「レッド・メタル」のジャズ/フュージョンアルバムを出しました。
以後も、その名声は衰えず、クラッシックを中心に、ジャズ系のミュージシャンへの客演と、世界を股にかけ演奏しています。
ちなみに、放射能を心配して来日を中止するミュージシャンが多い中、今年5月にピアニストの奥様と来日して、演奏しました。

アレン・ヴィズッティと言うと、超絶トランペットテクニックのクラッシック曲、「Fire Dance」が有名ですが、別の曲を紹介します。
「Reflections」は、「レッド・メタル」に入った、しっとりとしたバラードナンバーです。
「レッド・メタル」は現在絶版(CD発売もされてないかも)で、再版された「スカイロケット」のボーナストラックにも「Reflections」が入っており、このアルバムなら現在も入手可能です。
自分は「レッド・メタル」のレコードを持っています。

この曲を聴いて、何て美しいトランペットの音・・・と思うかもしれませんが、この楽器トランペットではありません。
フリューゲルホルンです。

楽器としての違いは、リンク先のWikiでも読んで頂くとして、トランペットフリューゲルホルンが、同一の写真に納まっているのを発見しました。
アメーバーのID取得が面倒なので、リンクのみで失礼します。こちらのサイトです。
リンクの先の写真の、上がB♭フリューゲルホルン、下が標準的B♭トランペットです。

そもそも、トランペットフリューゲルホルンは(他の金管/木管楽器もそうですけど)、素人が予備知識なく、吹けば音が出る代物ではありません。いや、通常音は出ません。
ほぼ毎日練習して、簡単な曲が吹けるようになるまで、数か月かかります。しかも最初の内は、高い音がなかなか出ません。
トランペットでは、ハイG(オクターブ上のソの音)からハイB(オクターブ上のシの音)あたりが、1つの壁なんではないでしょうか?
特に大きくて高い音を出すためには、相当な肺活量が必要です。

さて、曲に戻りますが、アレン・ヴィズッティはこの曲をフリューゲルホルンで吹いています。
フリューゲルホルンは、トランペットと比べ、音が太く、柔らかい音色で、この曲のソロ楽器としての選択は適切です。
しかし一般には、フリューゲルホルンの高音演奏は、トランペットの比じゃなく、困難なのです。

アレン・ヴィズッティは、全曲通していとも楽々吹いているように聞こえますが、曲全体が、フリューゲルホルンにはあり得ないくらい音が高く、それも息切れしそうなくらい、長く音を伸ばしています。
一番高い音は実音でトリプルハイD(3オクターブ上のレ)、B♭管表記だとトリプルハイE(3オクターブ上のミ)です。
一般的トランペットでは、ダブルハイの音が出れば上手い方だと言うのに・・・
フリューゲルホルンのトリプルハイEは、言うなれば、マライヤ・キャリーのように、7オクターブ上の声が出るようなもんです。
しかも全体的に音が高く、こんなに音を伸ばしているのは、普通ならすぐにでも、相当な消耗を来します。
って言うか、一般には曲を1オクターブ低くしても、厳しいんじゃないですかね?

ラッパ吹きで、高い音を長時間出して、酸欠になった人は多いと思います。
ましてやこの曲のような、トリプルハイEの絶望的高音・・・
ですので、自分の友人はこの曲を聴くと、自分が吹いているような気になり(全くこんな風に吹けませんけどねw)、酸欠になる錯覚に陥るそうです。
アレン・ヴィズッティの超絶さが、お分かり頂けるでしょうか?

アレン・ヴィズッティのコンサートを見に行った人によると、さすがに高い音のロングトーンは、彼の顔が紅潮するそうです。
アレン・ヴィズッティも、人間だったんですね(笑)。

アレン・ヴィズッティは、高音ばかりでなく、早吹きって言う超絶テクニックもありますが、それはまたの機会にって事で。

バックの演奏ですが、標準以上の技術で、良いですね。
特に、トレモロを利かせた、ローズ・ピアノのフレーズが素敵です。
夏の光に / やまがたすみこでも書きましたが、トレモロと言うのは、奏法としてのトレモロではなく、別名ビブラート・ノブとも言われる、ローズ・ピアノの音をスピーカに左右に、回転するように揺らして出力する機能です。
ローズ・ピアノの音が、スピーカーの右から左から聞こえるのが、お分かりいただけますでしょうか?

ローズ・ピアノは、チック・コリア島健の名前がありますが、どっちの演奏なんでしょう?
ストリングスの音は、今やビンテージのアナログシンセの名機、Oberheim OB-X。さすが良い音ですね。
レスポールタイプと思われるギターの、独特のフレージングのソロも、素敵ですね。

ビックリな事に、他のミュージシャンは無名な人ばかりです。
アルバムを通しての演奏者は、以下の通りです。

Allen Vizzutti : trumpet, flugelhorn
Tom Brechtlein : drums
Chick Corea : acoustic piano, Fender Rhodes
Ken Shima : acoustic piano, Fender Rhodes
Leon Gaer : electric bass, synthesizer bass
Mike Miller : electric guitar, acoustic guitar
John Novello : OB-X modified 8 voice synthesizer
--------------------------------------------------
以下、この曲には参加していませんが、念のため。
Alexandra Brown : vocals
Horn Section : Allen Vizzutti, Charlie Davis, Larry Hall (trumpet)
Alan Kaplan, Nelson Hinds (trombone)
Steve Kujala (tenor saxophone)

YouTubeに曲がなく、探したら、GrooveSharkにありました。
URLのリンクがうまく動かなかったので、お手数ですが、下記URLをコピーして、自ブラウザで開いて下さい。

http://grooveshark.com/#/s/Reflections/2Gvu5D?src=5
Reflections by Allen Vizzutti on Grooveshark

YouTubeにもありました

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